
セーフモードはWindowsを最低限の構成で起動するモードで、通常の環境で起動できない場合のトラブルシューティングに有効だ。起動するには、「Shiftキー+再起動」「設定メニューから起動」など4つの方法があるので覚えておこう。
目次
パソコンのトラブルが発生した際、通常モードでは解決が難しい場合もある。そのようなときに役立つのが「セーフモード」である。
本記事では、セーフモードの基本的な概要や利用可能な機能、Windows 11での起動手順について詳しく解説する。
セーフモードとは
セーフモードは、Windowsを最低限の構成で起動するモードである。このモードでは、基本的なドライバーやサービスのみが読み込まれ、不具合の原因を特定しやすくなる。
セーフモードを利用すれば、通常の環境では起動できないパソコンでも起動可能な場合がある。不具合の切り分けやトラブル解消に役立つため、トラブルシューティングには欠かせない機能だ。
セーフモードでできること
セーフモードを利用することで、通常のモードでは困難な作業を実行できる。以下に代表的な4つの機能を紹介する。
■トラブルの原因を特定する
セーフモードでは、通常起動時に動作する多くのサービスやプログラムが無効化される。そのため、セーフモードで正常に動作する場合は、問題の原因がソフトウェアにあることがわかる。
例えば、新しくインストールしたプログラムやドライバーが原因であれば、これらを無効化することで問題を解決できる可能性が高い。
■不要なプログラムの削除
セーフモードでは、不具合を引き起こしている可能性のあるプログラムを安全に削除することができる。通常モードでは削除できない場合でも、セーフモードを利用することで削除可能になることがある。
こうしたプロセスを踏むことで不必要なソフトウェアを取り除き、システムを安定化させることができる。
■システムの復元
Windowsでは、システム復元ポイントを利用して以前の正常な状態に戻すことが可能だ。セーフモードでは、この復元作業を安全に実行できるため、不具合が発生した後でも安心である。
復元ポイントが事前に作成されている場合に限るが、問題の発生前の状態に戻すことでトラブルを解消できる。
■ウイルスやマルウェアの駆除
セーフモードでは、ウイルス対策ソフトがより効果的に動作する。ウイルスやマルウェアが通常モードで妨害している場合でも、セーフモードなら駆除できる可能性が高い。
これにより、感染したシステムをクリーンな状態に戻すことが可能になる。
セーフモードの起動方法の種類
Windows 11では、複数の方法でセーフモードを起動することができる。以下に代表的な手順を4つ紹介する。
■1.Shiftキーを押しながら再起動をクリックする
スタートメニューを開き、「電源」アイコンをクリックする。
「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリックする。
再起動後に表示される「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選択。
→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択。
「再起動」をクリックし、セーフモードを選択する。
■2.設定から起動する方法
スタートメニューから「設定」を開く。
「システム」→「回復」を選択し、「今すぐ再起動」をクリックする。
再起動後の画面で「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択。
セーフモードを選択して起動する。
■3.コマンドプロンプトから起動する方法
スタートメニューで「cmd」と検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択する。
コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力し、「Enter」を押す。
bcdedit /set {default} safeboot minimal
パソコンを再起動するとセーフモードで起動する。
■4.システム構成から起動する
スタートメニューで「msconfig」と検索し、「システム構成」を開く。
「ブート」タブを選択し、「セーフブート」にチェックを入れる。
「OK」をクリックしてパソコンを再起動する。
セーフモードの解除方法
セーフモードの解除は非常に簡単である。通常通りパソコンを再起動するだけで、セーフモードは解除される。
ただし、「システム構成」でセーフモードを設定している場合は、再度「msconfig」を開き、「セーフブート」のチェックを外してから再起動する必要がある。