
「真摯」とは「誠実」「ひたむき」「真剣」などの要素を含む言葉。謝罪や決意、感謝を伝えるときに「真摯に受け止める」「真摯に取り組む」というフレーズを使えば、相手に誠意を感じさせ、信頼を得やすくなる。
目次
「真摯(しんし)」は、ビジネスシーンをはじめ日常生活でも頻繁に耳にする。しかし、「真摯」とは具体的にどのような意味を持ち、どの場面で使うのが適切なのかをきちんと理解している人は意外と少ないかもしれない。
例えば、上司や取引先に対して「真摯な対応をいたします」と伝えるとき、そこには「誠実でひたむきに行動する」というニュアンスが込められる。
本記事では、「真摯」の正しい意味やビジネスでの活用法、類義語や英語表現、使う際の注意点などを解説する。
真摯とは?意味や使い方を正しく理解しよう
「真摯な姿勢」「真摯に向き合う」「真摯に対応する」など、ビジネスでも日常でも、真面目で誠実な態度を示すときに使われる「真摯」。
しかし、その背景となる意味や成り立ちを正確に把握している人は意外と少ない。ここでは、真摯の基本的な意味を改めて整理するとともに、ビジネスシーンで積極的に使う意義を考えてみたい。
■真摯の成り立ちと基本的な意味
「真摯」とは、「真面目」や「ひたむき」「誠実」といった意味合いを含む言葉。漢字のとおり「真(まこと)」と「摯(つまる/一途に打ち込む)」の組み合わせから成り立っている。
「真剣」「誠実」などの類義語ともよく似ているが、「真摯」はよりフォーマルな印象を与えるのが特徴だ。
例えば、謝罪や決意を示す際に「真摯に受け止めます」「真摯に取り組みます」と言えば、「軽率ではなく真剣に向き合っている」という姿勢を伝えられる。
■ビジネスシーンで「真摯」を使うメリットとは
ビジネスシーンで「真摯」を使う大きなメリットは、相手に対して誠実さや責任感をアピールできる点だ。例えば、クレーム対応の場面で「真摯な対応をいたします」と明言すれば、問題解決に向けて本気で向き合う意志を示せる。
また、メールや文書など公式の文面でも「真摯に受け止める」「真摯に向き合う」と書くことで、単なる「頑張ります」よりも洗練された印象を与える。
上司や取引先など目上の相手にも失礼なく伝えられるため、ビジネスパーソンにとっては覚えておきたい言葉と言える。
ビジネスシーンで「真摯に向き合う」を使うときの注意点については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
ビジネスシーンで「真摯に向き合う」という表現を使う時の注意点
「真摯に向き合う」という表現を耳にしたことはありませんか。 ビジネスや日常生活、恋愛などのさまざまなシーンで、「真摯に向き合う」という表現が使われます。頻繁に使...
【例文】真摯な姿勢や対応を示す表現
実際に「真摯」とはどのように使えば良いのか。謝罪・決意・感謝・賛辞など、さまざまな場面で使われる「真摯」は、実際のフレーズや例文を通じて学ぶのが近道だ。
ここでは、よく使われる「真摯に向き合う」「真摯に受け止める」「真摯に取り組む」などの表現と、「真摯な姿勢」「真摯な対応」といったフレーズの活用ポイントを紹介する。
■真摯に向き合う・真摯に受け止める・真摯に取り組む
「真摯」は、「物事に誠実かつ本気で向き合う」ニュアンスを強調したいときに用いることが多い。例えば、以下のような使い方を参考にしてほしい。
真摯に向き合う
- 「この課題に対して真摯に向き合い、改善策を検討します」
- 「真摯に向き合って下さったおかげで、無事にプロジェクトを成功させることができました」
真摯に受け止める
- 「今回のトラブルを真摯に受け止め、再発防止策をしっかりと講じます」
- 「ご指摘を真摯に受け止め、今後の業務に活かしていきます」
真摯に取り組む
- 「新プロジェクトには、真摯に取り組む姿勢を常に忘れないようにします」
- 「失敗を糧に、より真摯に取り組んで結果を出したいと思います」
■真摯な姿勢・真摯な対応を伝えるためのポイント
「真摯な姿勢」や「真摯な対応」というフレーズは、ビジネス文書やプレゼンでよく使われる。例えば、クレーム対応や社内外の調整が必要な場面では特に効果的だ。
真摯な姿勢
- 「プロジェクトの成功に向け、真摯な姿勢で全力を尽くします」
- 「社内の課題に真摯な姿勢で取り組むことで、組織全体の改善を図ります」
真摯な姿勢
- 「お客様からのご意見に真摯な対応を行うことが、信頼向上につながります」
- 「今後とも真摯な対応を心掛け、サービス品質を高めてまいります」
このように、具体的な行動方針や改善意識をセットにして伝えると、より説得力を増す。
真摯を使う場面と注意点
「真摯」は便利な言葉だが、多用すればいいわけではない。謝罪や決意、感謝など、使う場面を誤ると逆効果になりかねなく、同じ言葉を乱用すると重みが失われる。
また、行動を伴わず口先だけで「真摯」を繰り返せば相手の心象を損ねる可能性もある。ここでは、ビジネスでの代表的な使用シーンを整理しつつ、使いすぎを防ぐコツも紹介する。
■謝罪・決意・感謝を伝える場面での使い方
- 謝罪や反省:「今回のミスを真摯に受け止め、お客様にご迷惑をかけないよう再発防止策を実施します」のように具体策とセットにすることで、謝罪の信頼性が高まる。
- 決意表明や意気込み:新たなプロジェクトや役職に就く際に「真摯に取り組みます」と伝えれば、前向きな意気込みを強調できる。
- 感謝や賛辞:「真摯な姿勢でご協力いただき、誠にありがとうございました」のように、相手の誠実さを讃えつつ感謝を示す。
■使いすぎに要注意!類義語との使い分けも大切
「真摯」をあまり頻繁に使いすぎると、言葉の重みが薄れてしまう。そこで、以下のような類義語を上手に使い分けるのもポイントだ。「真摯」はビジネス文書やフォーマルなシーンに向いており、他の表現と併用して語彙を豊かにすると、コミュニケーションの質も高まる。
- 「誠実」:相手に対して嘘偽りなく接するイメージが強い。
- 「真剣」:本気で物事に取り組む意味合い。
- 「真面目」:日常的にもよく使われるが、ややカジュアルな印象。
真摯の類義語・対義語で表現の幅を広げる
「真摯」に近い意味を持つ言葉は数多く存在する。しかし、それぞれ微妙にニュアンスが異なるため、状況や相手に合わせて使い分けることが大切だ。
また、対義語を理解することで「真摯」が持つポジティブな特徴もより鮮明になる。ここでは代表的な類義語と対義語を挙げて、言葉の持つ幅と使いどころを確認しよう。
■代表的な類義語とそれぞれのニュアンス
- 誠実:「真心をもって人や物に対応する」という意味合いが強い。相手の人柄を評価する場合にも使われる。
- 真剣:「本気で取り組む」姿勢を示す言葉。「自分のため」という動機でも用いられやすい。
- 真面目:「誠実で嘘偽りがない」という点で「真摯」に近いが、比較的日常的・カジュアルな場面でも使われる。
■「真摯」の対義語にはどんなものがある?
- 不真面目:誠実さや勤勉さがない態度や姿勢を指す。
- 軽薄:発言や行動が軽々しく、深みや思慮が感じられない。
- 不誠実:嘘や隠し事が多い態度など、相手を誤魔化す印象を与える言動を示す。
これらは「真摯」と正反対の方向性を示すため、頭の中で対比しながら覚えると言葉の意味がより明確になる。
真摯に向き合うとは?行動に移すための実践のコツ
「真摯に向き合う」と言っても、口先だけでは相手に誠意が伝わらない。ビジネスでもプライベートでも、実際の行動が伴わなければ意味がない。
例えば、自分が抱える課題ときちんと向き合い、対策を練り、報告・連絡・相談をしっかり行うなど具体的な動きが必要だ。ここでは、真摯を実践するためのポイントと、一貫性のある行動で周囲の信頼を得るコツを紹介する。
■まずは自己分析し、具体策を打ち出す
- 問題を客観的に把握する:トラブルや課題が発生した際、感情的にならずデータや事実を基に原因を探る。
- 具体的な目標・対策を設定する:「真摯に対策を講じます」だけでは曖昧なので、具体的な行動計画を明確化する。
- 進捗を定期的に検証する:計画通りに進んでいるかをモニタリングし、必要に応じて軌道修正する。
■周囲への配慮と一貫した行動で信頼を築く
以下のような行動を徹底すれば、「真摯」の持つ重みが言葉先行ではなく、実際の信頼につながる。
- 関係者とのコミュニケーションを密にする:報告・連絡・相談を怠らず、相手の意見も真摯に受け止める姿勢を示す。
- ブレない態度を貫く:「真摯に取り組む」と宣言したことを忘れず、些細なところでも誠実な対応を心掛ける。
- 成果や失敗もオープンに共有する:良い結果だけでなく、ミスや失敗も包み隠さず共有し、さらに次に活かす努力を続ける。
真摯の英語表現と海外文化の違い
「真摯」は日本語特有のニュアンスを持ち、英語で完全に一致する単語は存在しないと言われることが多い。しかし、「sincere」や「earnest」「serious」など、近い意味合いの単語はいくつか見つけられる。
海外のビジネスシーンでも誠実さや真剣さを示すことは重要であり、「真摯」に相当する英語表現や文化的な違いを押さえると、グローバルな場でも対応しやすい。
■英語で「真摯」はどう言う?代表的な言い回し
- sincere:誠意ある、嘘偽りのない
- earnest:真剣な、熱心な
- serious:深刻・真剣な
例えば「I will deal with this matter sincerely.」といったフレーズで、「真摯な対応をします」というニュアンスを伝えられる。また「earnest effort」と言えば、「真摯な努力」をイメージできる。
■海外のビジネスシーンではどう使われる?
欧米のビジネス文化では、はっきりとしたエビデンスや行動を求める傾向が強いため、口先だけの「sincere」や「earnest」は評価されにくい。具体的なプランや結果をきちんと提示することで、「真摯に取り組んでいる」という印象を与えやすくなる。
また、「ごめんなさい」を多用しすぎるよりも、代わりに「We sincerely apologize for…」とし、改善策を迅速に提示するほうが誠実だと見なされる場面も多い。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部