必須という言葉のついて、必至や必要などとの違いや、どのように使い分けるべきかがわからず、困っている方もいるのではないでしょうか。必須とは、必ず用いることや欠かせないことを意味する言葉です。今回は、必須の意味や必至、必要との違いのほか、使い方や類似表現を解説します。
目次
よく使う言葉ですが、必須の意味を説明できますか?正しい使い方を覚えて、語彙力を身につけましょう。
必須とは

■必須の意味
必須は、「必ず用いるべきこと」や「欠かせないこと」を意味する言葉です。「あった方がいい」ではなく、「絶対にないと困る」というニュアンスであることを押さえておきましょう。
必須の「須」は「す」のほか「しゅ」という読み方もあります。そのため、「ひっしゅ」と読むことも可能ですが、「ひっす」という読み方が一般的です。
必須の「必」には「必ず」という意味があり、「須」には「すべからく~べし」という義務や命令の意味があります。つまり、必須は、「必ず」というニュアンスを強調する言葉であることがわかります。
参考:デジタル大辞泉
■必至との違い
必至は「ひっし」と読み、「必ずそのことがやってくること」や「そうなるのは避けられないこと」をあらわす言葉です。必至の「至」には、「ある段階や場所に行き着く」という意味があります。
必須が「なくてはならない」という条件をあらわしているのに対し、必至は「そうなるだろう」という予測をあらわしており、漢字や読み方は似ていますが意味は異なります。
【例文】
- 新製品の品質に問題がある場合、クレームの増加は必至だ
 - 先方と連絡がつかず作業が進まなかったこともあり、今日は残業が必至だろう
 - 市場競争が激化する中で、差別化ができなければ淘汰は必至だ
 
参考:デジタル大辞泉
■必要との違い
必要は、「なくてはならないこと」をあらわし、必須と似た意味の言葉です。ただし、必須のほうが対象のものを必要としている度合いが強いことがポイントです。
【例文】
- この案件においては、高い交渉力が必要とされる
 - 予算の配分を見直すことが、現状打破には必要不可欠だ
 - 午後の会議に必要な資料を、15部ずつ印刷しなければならない
 
参考:デジタル大辞泉
必須の使い方と例文
ここからは、必須を使ったビジネスシーンで使える例文をご紹介します。「必須」単体で使うほか、「必須条件」「必須項目」などの別の単語と組み合わせて使うケースも少なくありません。
【例文】
- 業務効率化をすすめるには、新しいツールの導入が必須となる
 - プロジェクトを成功させるには、綿密な計画が必須だ
 - 現状を打破するには、予算の配分を見直すことが必須だ
 - このポジションへの応募には、英語力が必須条件となっている
 - 契約書を作成する際には、支払い条件や納期などの必須項目を記載してください
 
必須の類似表現
必須と似た意味の言葉として、「不可欠」や「必需」「所要」などがあります。それぞれの意味や例文などを見ていきましょう。
■不可欠
不可欠とは、「なくてはならないこと」や「欠かせないこと」を意味する言葉です。「必要」をつけて「必要不可欠」とすると、必要であることをさらに強調できます。
【例文】
- このプロジェクトを成功させるには、社員全員の協力が不可欠だ
 - データ分析は、マーケティング戦略を構築する上で不可欠な要素といえる
 - 既存顧客との信頼関係を築くことは、長期的なビジネスの発展にとって必要不可欠だ
 
参考:デジタル大辞泉
■必需
必需は「ひつじゅ」と読み、「どうしても必要であること」や「なくてはならないこと」をあらわす言葉です。必需の「需」は「必要とする」「求める」という意味であり、「必」は「必ず」という意味であるため、必要性を強調しています。
【例文】
- オフィスでの業務遂行には、パソコンやプリンターといった必需品が欠かせない
 - 新規店舗の開業準備として、内装に必要な家具や備品などの必需品をリストアップした
 - マーケティング戦略において、データ分析スキルは必需とされる
 
参考:デジタル大辞泉
■所要
所要は「しょよう」と読み、「あることを行うために必要とすること・もの」という意味をあらわす言葉です。単独での使用にくわえ、「所要時間」などと使います。
なお、同じ読み方の「所用」は、用事や用件といったまったく別の意味であるため、混同して使用しないように注意しましょう。
【例文】
- 会議の所要時間は1時間程度を予定していますので、ご了承願います
 - お客様への対応に所要の書類を準備しなければならない
 - 新しいシステムは所要の手続きが完了次第、運用を開始する
 
参考:デジタル大辞泉







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