全国各地で猛威をふるっているインフルエンザ。はやくピークが過ぎてほしいと願うものの、まだまだ戦いは続きそうだ。
そんな中、我々ができることは感染対策を徹底すること。とはいえ、世の中にあふれている感染対策を毎日全て行うのもなかなか難しい。
そこで、特に押さえておくべき予防法は何なのか――。その疑問に呼吸器内科医として、感染症やアレルギー疾患の診療経験が豊富な、藤崎メディカルクリニック副院長の佐藤留美先生に答えてもらった。
しっかり食べてしっかり眠り、ストレスを溜めないことが最強の予防法
感染対策と言われると、パッと浮かぶのが「手洗い」「うがい」「アルコール消毒」だが、このようなテクニック以上に、押さえておくべき大事なポイントがあるという。
「一番大事なことは、“身体が元気なこと”なんです。新型コロナウイルスやインフルエンザ、風邪といった感染症は、疲労が蓄積されている時や寝不足の時、ストレスをため込んでいる時に感染しやすく、そして発症しやすいと言われています。ストレスをためない、しっかりした睡眠をとる、十分な休息をとる、食事をしっかりとる。このような体調管理が一番有効な予防法といえるでしょう」
「健康な体」という土台があったうえで、手洗い、うがい、アルコール消毒といったテクニックを行うことで、より強力な感染対策となるわけだ。
「健康であるということはつまり免疫の力がしっかり働いてくれるということです。体の調子がいいことで、もし感染をしたとしても発症を防いでくれますよ」
インフルエンザの流行はいつまで続くのか?
感染症には流行の波があるが、いつまでインフルエンザを意識した生活をすることになるのだろうか。
「現在流行しているのはインフルエンザA型です。しかし、現在ぽつりぽつりとインフルエンザB型の報告があがってきています。例年通りどんどんB型が増えていき、2月3月あたりがピークに。そして4月中旬ぐらいに収束していくのではないでしょうか。インフルエンザA型に罹った人もB型に罹る可能性はあります。油断はしないでくださいね」
地域によっては「ピークを過ぎたようだ」というニュースも耳にするが、それはインフルエンザA型に限ったこと。今後インフルエンザB型が大流行をする可能性も否定できない。まだまだインフルエンザとの戦いは続く中、「ウイルスに感染したとしても発症させない」という体づくりを意識したい。
佐藤留美医師プロフィール
2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
取材・文/田村菜津季
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