
ふてくされるとは、「都合の悪いことで反抗的な態度をとること」です。ビジネスでも、ふてくされる人がいて対応に困ることがあるものです。どのような特徴があるのか、どのように接するといいのかなどと疑問に思うこともあるでしょう。この記事では、ふてくされるという言葉自体やふてくされる人の特徴を解説します。
目次
自分の都合が悪くなったときにきちんと話を聞こうとせずにふてくされる人は、周りから「子どもっぽい」といわれることがあります。そもそもふてくされるとは、「思いどおりにならず都合が悪くなったときに、その不満を態度で表すこと」です。意味を理解して、言葉を正しく使いましょう。
また、ふてくされる人への対処法も押さえておきましょう。
ふてくされるとは?基礎知識を簡単に解説
はじめに、ふてくされるの詳しい意味や漢字表記、使い方・例文を解説します。
■意味は「都合の悪いことで反抗的な態度をとること」
ふてくされるとは、「都合の悪いことや不満に思うことがあったときなどに、反抗的な態度をとること」を意味する言葉です。なにかで自分の都合が悪くなったとき、思いどおりにならなかったときに、すぐに不機嫌になって態度に出してしまうような人物像を表します。
ふてくされるに含まれる言動は、なげやりな態度や反抗的な態度、不平不満をいう、相手を無視することなどです。
■ふてくされるの漢字表記
ふてくされるを漢字にすると「不貞腐れる」と書きます。このうち、「不貞」は当て字だといわれています。
ふてくされるの「ふて」の語源は、一説によると「不満に思って逆らうような態度をとる」という意味がある「ふてる」という動詞です。また、「開き直った図太い態度」を指す「ふてぶてしい」が由来だとする説もあります。
「くされる」のほうは「腐る(くさる)」が変化したものです。腐るは、「思い通りにいかずに嫌気が差すこと」「動作をする人への軽蔑の気持ち」などを表します。
■ふてくされるの使い方・例文
それでは、ふてくされるという言葉の使い方を例文で簡単に確認しましょう。
- 彼はなにかあるとすぐにふてくされてしまう。
- 今の職場にはいつもふてくされているような人がいるため、仕事を進めにくくて困る。
- なにかあってもふてくされるのではなく、相手の話を聞いて改善すべき点を見つけるように心がけている。
これらのように、不満があることを言葉ではなく態度で示すような人を形容するときに使います。そのため、ふてくされるは子どもっぽいニュアンスのある言葉です。
ふてくされるに関連する表現
ふてくされるに関連する表現には、類語・言い換え表現と似た意味の方言があります。ここからは、ふてくされるに関連するこれらの表現を確認していきましょう。
■ふてくされるの類語・言い換え表現
ふてくされるの類語・言い換え表現は、以下のとおりです。
- やけ
- 破れかぶれ
- 自暴自棄
これらの共通している意味は、「物事が思いどおりにならないことに腹をたてて、もうどうなってもいいと思うこと」です。そのほかに、「拗ねる(すねる)」「いじける」「やさぐれる」「機嫌を損ねる」などとも言い換えられます。
それでは、ふてくされるの類語・言い換え表現の意味を確認していきましょう。
1.やけ
「やけ」とは、「物事が自分の思いどおりに運ばず、どうにでもなれという気持ちで思慮のない乱暴な振る舞いをすること」や「そのようなさま」を表す言葉です。
「やけくそ」や「やけっぱち」ともいいます。これらはさらに、意味を強めた俗な言い方です。
たとえば、「彼は失恋によってやけになっているようだ」「やけ酒を飲む」などと用います。「破れかぶれ」や「自暴自棄」と比較すると、「やけ」のほうが多く使われやすい表現です。
2.破れかぶれ
「破れかぶれ(やぶれかぶれ)」とは、「どうにでもなれという気持ちであること」や「そのようなさま」を意味します。
たとえば、「彼女は会社をクビになってしまい、やぶれかぶれな気持ちで旅に出たようだ」「今は彼女に振られたばかりで、破れかぶれになっている」などと用います。
「やけ」や「自暴自棄」と比較すると、「破れかぶれ」は少し俗な言い方です。
3.自暴自棄
「自暴自棄」とは、「不満や失望などが原因で、やけになって自分の身を粗末に扱うこと」や「そのようなさま」のことです。
たとえば、「彼は力を入れていた事業に失敗してしまい、自暴自棄に陥っているようだ」「最近プレゼンが失敗続きで、自暴自棄になってしまっていた」などと用います。
「やけ」や「破れかぶれ」とはほとんど意味が同じで、これらと比較すると、「自暴自棄」はやや硬い印象のある言い方です。
「やけ」や「自暴自棄」などと、「ふてくされる」との違いは以下のとおりです。
- 「やけ」「自暴自棄」……不満を外に発散しようとする
- 「ふてくされる」……不満を抱えこんでしまう
■ふてくされると似た意味の方言
ふてくされると似た意味を持つ方言に、以下のようなものがあります。
- ちんぷりかえる……静岡で使われる方言
- どくれる……香川で使われる方言
- はぶてる……愛媛で使われる方言
- むんつける……山形で使われる方言
これらのうち、「ちんぷりかえる」は少し可愛らしいような印象があるかもしれません。しかし、実際には非常に怒っているときに用いるそうです。
ふてくされる人とは?
それでは、ふてくされる人とはどのような人物像なのか、あらためて確認しておきましょう。ここからは、ふてくされる人に多い特徴やその人の心理状態を解説します。
■ふてくされる人の特徴
ふてくされる人には、以下のような特徴があることが多いです。
- プライドが高い
- 他人から指摘されるのが嫌い
- 言葉で気持ちを表現することが苦手
- 自分が正しいと思うルールを持っている
- どこかに甘えがある
- 自己肯定感が低い
また、ふてくされる人の言動の特徴は以下のようなものです。
- 黙り込む
- 明らかに不満そうな顔をする
- 相手の話に対して「わかりました」といいつつも、声のトーンが低くなる
不満そうな顔をするなど、態度に出していること自体は同じでも、無意識のうちに出てしまっている場合と意図的に出している場合があります。意図的にしている場合、態度に出す理由は自分の気持ちを周りにわかってもらいたいためです。
■ふてくされる人の心理状態
ふてくされる人の心理状態は、以下のようなものが多いとされています。
- 自分の意見を押し通したい
- 自分の気持ちを察してほしい
- 言葉ではいわないけれど反対の意思があることを伝えたい
- かまってほしい
- 不満に思う気持ちが抑えられない
- 周りと不平等だと感じている
- 心の中では葛藤している
同じようにふてくされているように見えていても、人によって心理状態が異なる場合があります。たとえば、「気に食わない」「自分の意見を相手に察してほしい」と考えていることもあれば、実はどちらが正しいのかを心の中で葛藤しているだけの場合もあるようです。