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イーロン・マスク率いるテスラがEVの次に狙う市場はどこか

2025.01.23

テスラの次なる狙いと未来予測

【住宅関連ビジネスの拡大】

すでに述べてきましたように、テスラの住宅用バッテリー「Powerwall」は太陽光発電との組み合わせで大きな可能性を持っています。今後は、住宅全体のエネルギー使用状況を一括で制御するソフトウェアの提供をさらに強化していく可能性があります。たとえば、エアコンや家電製品と連動させ、電力の売買(VPP)を自動制御するスマートホーム向けのプラットフォームが考えられます。

テスラはエネルギー管理だけでなく、家のセキュリティやインフラ管理に関するサービスを拡充するシナリオもあります。自動運転車で培った画像認識やセンサー技術を家庭向けIoTに転用することで、スマートドアやセキュリティカメラ、さらにはロボットを使ったホームアシスタントなど、新しい価値を提供できるかもしれません。

【ロボットと人間の共生社会】

人間型ロボット「Tesla Bot」の開発が進めば、物流や製造業だけでなく、介護や医療の現場にも活用が広がる可能性があります。高齢化が進む日本などでは、介護ロボットの需要が高まっており、テスラがそのニーズを満たす形で参入すれば、急速に普及することも考えられます。

さらに、マスク氏が関わるニューラリンクのブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術が合わさることで、人間とロボットやAIとの間の情報伝達がシームレスになる未来もあるかもしれません。テスラのロボティクスやモビリティがこの技術と融合すれば、「移動」「作業」「コミュニケーション」のすべてが統合的に変革されるシナリオもあり得ます。

【新たな経済圏の創出】

テスラの製品やサービスが多角的に展開されることで、新たな「テスラ経済圏」が生まれると考えられます。EVや住宅用バッテリーを購入して終わりではなく、充電インフラの利用やソフトウェアのアップデート、サブスクリプションやライドシェアなど、テスラ製品やサービスに継続的に関わるユーザーが増えれば増えるほど、企業側としてはデータを蓄積し、新たなサービスを創出できる好循環が生まれます。

このような経済圏は、自動車やエネルギー産業だけでなく、物流、通信、住宅、医療、介護など、さまざまな業界を巻き込みながら拡大する可能性があります。2025年以降、テスラが垂直統合型のプラットフォーム企業としてさらなる飛躍を遂げることは、充分に想定される未来シナリオといえるでしょう。

おわりに テスラが描く“未来の地図”はどこへ続くのか

イーロン・マスク氏が示す「地球上と宇宙空間における持続可能な未来」というビジョンは、一部荒唐無稽に映るかもしれません。しかし、すでに私たちの生活の一部となりつつあるテスラの製品やサービスを振り返ると、そう遠くない将来に実現する可能性は決して小さくないと感じられます。

2025年において、テスラが次に狙う市場は「ロボットとAIによる自律化」「エネルギー管理のプラットフォーム化」、さらに「モビリティと住空間の総合的なアップデート」であると考えられます。こうした動きが社会や産業に与えるインパクトは非常に大きく、私たちの生活様式や働き方、そしてビジネスの在り方を根底から変革していくかもしれません。もちろん、新たな技術やサービスの普及にはリスクも伴いますが、同時に巨大なチャンスが生まれることも事実です。

テスラという企業はもはや「EVを作る会社」ではなく、「破壊的イノベーション」の象徴として、あらゆる分野に影響を与える存在になっています。クリーンエネルギーシフトやスマートシティ化、高齢化社会による労働力不足といった課題が山積するなか、テスラのもたらす技術革新は私たちに新たな選択肢や可能性を提示してくれるはずです。

イーロン・マスク氏のビジョンが地球を超えて宇宙へと広がることで、未来の社会構造そのものを大きく変えていく可能性も否定できません。

私たちはこの変化の潮流をどのように受け止め、活用していけばよいのでしょうか。消費者としては、テスラの新技術を日常に取り込む方法が増えていくでしょうし、企業や自治体などは、テスラの戦略や技術力を研究し、提携や競合といったさまざまなシナリオに備える必要があるかもしれません。規制やリスクマネジメントの側面でも、大きな変化が起きる可能性がありますが、それだけにイノベーションの波は抗いがたい魅力を持っています。

2025年以降、テスラが新たな市場を狙い、ますます躍進する姿は、世界のテック企業や伝統的な産業界にも大きな刺激を与えるでしょう。未来がどのように展開していくかは誰にも断言できませんが、「テスラが描く未来の地図」を知ることは、これから訪れる変革の時代を読み解く重要な手がかりになると考えます。

【参考資料】
https://www.tesla.com/ja_jp/AI
「モビリティーズー移動の社会学」ジョン・アーリ著

文/鈴木林太郎

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