コロナ禍での健康意識の高まりを受け、カフェインの摂り方をコントロールして体への負担を減らす「カフェイン・マネジメント」が若い層を中心に広がっている。
ネスレ日本の推定では、家庭内のカフェインレスコーヒー市場は2023年、13年比で約3倍に成長しているほかお茶業界でも、カフェインを含まない麦茶などの昔ながらのお茶が再注目されている。中でも愛飲者が急増しているのが、ノンカフェインでポリフェノールやミネラルなどの栄養成分が豊富なルイボスティー。
2017年からの6年間で、ルイボスティーの売上が約14倍に
ルイボスティーは、南アフリカのシェダーバーク山脈の周辺だけに生える貴重な植物「ルイボス」の葉から作られるお茶。赤褐色をした葉なので、ルイボスティーも紅茶のように赤みがかった色をしている
マーケティングリサーチ会社インテージの調査によると、2017年からの6年間でルイボスティー売上は約14倍と急増。2023年3月7日に発売されたサントリー食品インターナショナルの「GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス」の初年度の販売数量は100万ケースを突破した。
ティーバッグタイプのルイボスティーもフレーバーの種類が増加。紅茶専門店でも普通にルイボスティーの茶葉を見かけるようになった。全国清涼飲料連合会の2024年「業界年間10大ニュース」では、“無糖茶が多様化して人気”という現象がランクインし、その一例としてルイボスティーが挙げられている。
発酵させたレッドルイボスと希少なグリーンルイボスを独自の配合でブレンドしている「GREEN DA KA RAやさしいルイボス」(サントリー食品インターナショナル)
4種のバラエティ豊かなルイボスティーを手軽に楽しむことができるアソートタイプのティーバッグ「4アソート ルイボスティー」(日本緑茶センター)
筆者が20年来愛飲している、紅茶専門店「ルピシア」の「ルイボス アールグレイ」。ルピシアには季節限定を含めて10種類以上のルイボスティーがある
「お茶好きが好むお茶」では8位にランクイン
だが、お茶好きに好きなお茶を聞いた2024年のアンケートではルイボスティーは8位にとどまっている。
※インターネットリサーチなどを行う株式会社NEXERと日本製加熱式スティックの「The Third」がお茶好き700人を対象に「好きなお茶の種類」に関るアンケート(2024年6月29日 ~ 7月5日)
ベスト10入りしている他のお茶の中では新顔で、「味のイメージが浮かばない」「クセが強そう」「飲みづらいのでは?」といったイメージを抱いている人も多いのがその理由として推測されている。そこで今回は、ルイボスティーの味・香りを科学的に分析し、他のお茶との比較した「味香り戦略研究所」の分析結果を紹介する。