マッチングアプリが普及し、婚活・恋活は手軽にできるようになった。ほかにも、婚活パーティーや街コンなど、今の時代、男女の出会いの機会はいくらでもある。こうした中で、「社内恋愛」は廃れてしまったのだろうか?
婚活情報サイト「オミカレ」を運営するオミカレはこのほど、企業人事関係者133名・非人事関係の一般従業員879名を対象に「従業員の恋愛・結婚」に関する実態調査および職場での出会いについての意識調査レポートを公開した。
従業員の婚姻率上昇メリットはある…が、婚姻率上昇サポートを導入しているのは約24%
人事関係者の約66%が、従業員の婚姻率が上昇することによって「メリットがある」「どちらかというとメリットがある」と回答。「結婚後も安心して働ける職場風土の醸成に繋がる」「退職率の減少」といった理由があげられた。
しかし、人事関係者・一般従業員(オミカレ会員)に「あなたが在籍している企業では、従業員の婚姻率を上昇させるサポートは何かしていますか?」と質問したところ、約76%の企業が、従業員の婚姻率上昇サポートを行っていないという結果に。
多くの人事関係者が従業員婚姻率上昇のメリット感じつつも、サポートの導入までしている企業はほとんどないということがわかった。
サポートを導入している企業では、「子育て・出産しやすい制度の導入」が最も多く、「マッチングアプリの助成」「他社の社員との交流会」を導入しているとの回答もあった。
婚姻率上昇のために導入して欲しいサポートについて、一般従業員に聞いたところ、最も多く女性の回答が集まったのは「出産・子育てしやすい制度の導入」であり、特に女性の約54%がこのサポートの導入を希望していることがわかった。
男性の58%は「婚活パーティー・街コン参加の助成」と回答し、最も導入を希望されているサポートとなった。また、全体では「マッチングアプリの助成」を希望する人よりも「婚活パーティー・街コン参加の助成」を希望する人の方が、約24%多い結果となっている。「他社の社員との交流会」を希望する人も全体の40%以上に上っている。
従業員の体感としても、社内恋愛は減少。対面コミュニケーション機会の減少・人間関係への懸念が大きく影響か
社内恋愛の増減について、人事関係者の44%が「減った」「やや減った」と回答しており、「増えた」「やや増えた」の回答はわずか3%となった。
一般従業員(オミカレ会員)は、21%が「減った」「やや減った」と回答しており、人事関係者の回答と比べると少ない結果ではあったが、「増えた」「やや増えた」の回答はわずか6%なった。
また、社内恋愛の減少の理由について、人事関係者・一般社員(オミカレ会員)ともに最も多くあげられたのは「従業員同士での対面コミュニケーションの機会の減少」で、人事関係者の約51%・一般従業員(オミカレ会員)の約34%が回答した。
次いで、人事関係者は約40%が「ハラスメントへの危機管理意識の上昇」、一般従業員の約34%が「社内の人間関係の懸念」と回答している。
社内恋愛を経験したことのある人の約55%は「相手の仕事ぶりや態度が見られるので、人となりがわかる」をメリットと回答。
テレワークなどの普及により対面コミュニケーション機会の減少に伴い、異性の仕事ぶりや態度から相手を知る機会も減ったことが、社内恋愛の減少傾向の一因となっている可能性が高いと言える。
また、デメリットして約6割が「別れた後が気まずい」と回答。職場でのいじられや冷やかし、自分以外の異性とのコミュニケーションへの嫉妬といった、人間関係のデメリットも挙げられていた。
社内恋愛の減少の背景のひとつとして「社内の人間関係の懸念」があがっており、このような懸念から、社内恋愛を避ける傾向があることも考えられる。
多くの年代で「職場外での出会いが理想」の声。「友達からの紹介」が最も理想
60代未満のすべての年代で「職場外での恋愛」を理想とする回答が、過半数を占める結果となった。具体的な理想の出会い方については、全体の31.4%が「友達からの紹介」と回答しており、特に30代は約37%が選択した。
このアンケートは婚活情報サイト「オミカレ」会員を対象に実施しているため、20代の25%は「婚活パーティー・街コン」での出会いが理想的と回答。「マッチングアプリ」「結婚相談所」を理想と回答したのは、それぞれ全体の4%程度となった。
<調査概要>
・調査期間:2024年9月15日~2024年10月20日
・調査機関:企業人事関係者・オミカレ会員を対象とした自社調査
・調査方法:webアンケート
・回答数:企業人事関係者133人(以下、人事関係者)・非人事関係の一般従業員(オミカレ会員)879人(以下、一般従業員)
出典元:株式会社オミカレ
構成/こじへい