新卒から定年まで一つの会社で骨を埋めるという価値観は、もう過去のもの。今は転職が当たり前の時代となっている。
では、エグゼクティブ層で転職を経験している人はどれくらいいるのだろうか?
エグゼクティブ向けの転職・キャリア支援サービスを展開する経営者JPはこのほど、エグゼクティブ男女約3,500名(有効回答数 100名)を対象に「転職での失敗」に関する実態調査を実施し、その結果を発表した。
これまで転職をしたことがある人は全体の約90%、転職経験者の割合は2018年と大きな差はなし
エグゼクティブ層に転職経験の有無について聞くと、89.0%と大多数がこれまでに転職したことがあると回答した。
転職経験の有無については、2018年調査時にも83.8%の人が転職したことがあると回答しており、エグゼクティブ層での転職経験者の割合に大きな変動はないようだ。
転職で失敗したと感じたことがある人は約60%、 その割合は2018年から大きく増加
エグゼクティブ層に、過去の転職経験のなかで、転職後に失敗したと感じたことがあるか聞いたところ、「失敗したと感じたことがある」が61.0%と過半数以上を占める結果となった。
こちらも2018年調査時の結果と比較すると、2018年調査では「転職後に失敗したと感じたことがある」と回答した人が38.9%と、転職での失敗を感じる人の割合は数年で格段に大きくなっている。
転職での失敗内容は、「経営者との相性が合わなかった」が最多(26.0%)
エグゼクティブ層が転職後に感じた具体的な失敗内容を聞くと、「経営者との相性が合わなかった」が26.0%と最も多く、続いて「社風が合わなかった」が24.0%、「入社前に伝えられたミッションと違う仕事を任された」が21.0%という結果になった。
今回のアンケート対象が経営層・幹部層のエグゼクティブ層に限定されているため、「経営者との相性が合わなかった」という回答が最多となる結果は特徴的といえそうだ。
また「社風が合わなかった」「入社前に伝えられたミッションと違う仕事を任された」という回答も、自身の新たな活躍の場を検討するなかで「社風」や「職務内容」を重視される人が多い一方、入社前後でのギャップが生まれやすいポイントであることがうかがえる。
転職での失敗内容は、2018年と2024年で上位項目に大きな変動なし
転職での具体的な失敗内容を2018年と今回2024年調査で比較したところ、上位4項目(「経営者との相性が合わなかった」、「社風が合わなかった」、「入社前に伝えられたミッションと違う仕事を任された」、「一緒に働く人との相性が合わなかった」)に変動はないことがわかった。
エグゼクティブ層の転職での失敗経験有無は数年の間に大きく増加している一方、失敗内容はあまり変わらず、エグゼクティブ層は似た内容で失敗をしたと感じているようだ。
転職での失敗原因は、「転職活動時の妥協」が最多
転職に失敗したのは何が原因だと考えるかを聞いたところ、大きくわけて「転職活動時の妥協」、「企業調査・理解の不十分」、「会社や周囲の話を鵜吞みにした」、「自分に期待される役割の把握不十分」の4つが挙げられた。
最も多く挙げられたのが、「転職活動時に焦って決めてしまった、妥協してしまったから」という理由となった。前職退職後の転職活動等では精神的にも焦り、転職自体が目的になってしまうことで、結果的に転職が失敗に終わってしまうことが多いようだ。
次に挙げられたのが、「企業調査・理解の不十分」、「会社や周囲の話を鵜吞みにした」だ。どちらも、会社の現状・課題、企業文化・社風、経営状況などの企業理解が足りなかった、または自身でのリサーチが不十分で企業やエージェントの話を鵜呑みにしてしまったことで、入社前後でギャップを感じることになるケースだ。
続いては「自分に期待される役割の把握不十分」。企業が自分に期待する役割や具体職務の把握ができておらず、入社後に物足りなさを感じたり、はたまた職務を全うできずストレスを抱えたり、自分のスキル・志向と会社からの期待にミスマッチが生じ、失敗に至ってしまった方もいるようだ。
エグゼクティブの半数以上は、新たな挑戦をするために転職を決意
エグゼクティブ層に、転職した際の理由を聞いたところ、「(異業種・異職種など)新たな挑戦をするため」が55.0%と最も多く、続いて「キャリアアップのため」が42.0%、「年収アップのため」が25.0%という結果となった。
エグゼクティブ層は、「自身の幅を広げたい」、「キャリアを磨きたい」といったポジティブな理由での転職が大半を占めていることがわかる。
さらに、転職をした理由を2018年と今回2024年調査で比較したところ、2018年調査時も「キャリアアップのため」、「新たな挑戦をするため」などが上位に挙げられており、転職理由上位には大きな変動がないことがわかった。
<調査概要>
・実施期間:2024年11月14日~2024年11月20日
・調査対象:経営者及び管理職にかかわる男女
・調査機関:経営者JPメルマガ会員:約3,500名
(有効回答数100名)
・調査手法:インターネット調査
出典:株式会社 経営者JP
構成/こじへい