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どちらを選ぶべき?高配当株と増配株それぞれの特徴と新NISAの活用法

2025.01.19

高配当株と増配株、どちらを選ぶべきか?

高配当株と増配株は、どちらも株主還元を受け取るという意味では共通点がありますが、投資の狙いやリスク許容度によって好みが分かれます。選択の基準としては、投資目的、保有期間の長さ、リスク許容度、ポートフォリオ全体のバランスなどが考慮されます。

•より早期に配当収入を確保したい、または多めのインカムゲインを得たい
→ 高配当株に重きを置く

•企業の成長力を重視し、長期的な増配による配当収入や株価の上昇を期待したい
→ 増配株に重きを置く

実際には、高配当株と増配株を組み合わせてポートフォリオを構築する手法も一般的です。たとえば、ある程度安定した分配を求める部分に高配当株、成長性を重視した部分に増配株を組み込み、両方のメリットを享受しながらリスクを分散するという考え方です。

高配当株・増配株の選び方・チェックポイント

【財務指標の確認】

企業を選ぶうえでは、まず「財務の安定性」をチェックします。具体的には、自己資本比率や有利子負債比率、キャッシュフロー計算書の推移を見て、資金繰りに問題がないかを判断します。高配当株であっても、財務状況が悪く将来的に減配リスクが高い企業は避けるべきです。また増配株でも、過度な借入れによって配当維持が困難になるリスクがあります。

【配当性向の確認】

配当性向とは、税引後利益(当期純利益)のうち、どの程度を配当として支払っているかを示す指標です。配当性向があまりにも高すぎると、将来的に配当余力がなくなる懸念が生まれます。逆に配当性向が低すぎる場合は、企業が現金を投資や内部留保に回している可能性もあるため、今後の増配余地があるとも考えられます。

一般的に、配当性向30~50%程度がバランスの良い配当水準とされることが多いですが、業種や企業のビジネスモデルによって適正水準は異なるため、一概に判断できない点には注意が必要です。

【増配実績や配当方針の確認】

増配株の中には「連続増配年数○○年」という実績を掲げている企業もあります。連続増配を長期間維持している企業は、一般的に安定したビジネスモデルを持ち、財務体質が強固である傾向があります。

また、企業の経営方針・配当方針にも注目しましょう。「配当性向○%を目標とする」「業績に応じて安定配当を継続する」など、企業の姿勢が明確に示されていれば、投資家は将来の配当について予測しやすくなります。

【業種や市場の動向】

高配当や増配のスタイルは、業種によっても大きく異なります。たとえば、電力会社や通信会社などインフラ系は比較的高配当の傾向が強い一方、景気変動や規制リスクによる減配のリスクもあります。逆に、消費財やヘルスケア、IT企業などは、増配銘柄として注目されるケースが増えています。さらに、世界的なトレンドとしてESG投資が広がっているため、企業の環境・社会・ガバナンスへの取り組みが投資家の評価にも影響を与えます。

株価だけでなく業種や市場の動向を踏まえたうえで、将来的に安定的な配当や増配が見込める企業を選択することが大切です。

新NISAを活用した投資戦略

【新NISA制度のポイント】

2024年以降に始まった「新NISA」では、従来の積立NISAや一般NISAが一本化され、非課税投資枠が拡充されました。これにより、より多くの資金をNISA口座で投資できるようになるだけでなく、長期投資を促進する税制上のメリットを享受しやすくなります。

【高配当株・増配株×新NISAのメリット】

新NISAの最大のメリットは、運用益や配当金が非課税になることです。通常、株式投資で得た配当金や売却益に税金がかかりますが、NISA口座を利用すればこれらの税金が非課税となります。

高配当株や増配株は、配当金を受け取り続けることで投資のリターンが大きくなる可能性があるため、非課税メリットを最大限に生かすことができるのです。特に長期保有を前提とした投資スタイルでは、配当や売却益の非課税効果が大きく、複利効果を高めることにつながります。

【長期保有に適した銘柄選定】

新NISAを活用する場合、基本的には「長期保有」を念頭に置いた銘柄選定が重要です。NISAの非課税期間内に大きな含み益を狙うだけでなく、配当をコツコツ受け取ることで総合的なリターンを向上させる戦略が考えられます。

そのためには、前述のように財務体質がしっかりしており、今後も配当を維持または増配できそうな企業を見極める必要があります。新NISAの活用で非課税メリットを得ながら、長期的な資産形成を目指すビジネスパーソンにとって、高配当株や増配株の存在は非常に魅力的です。

【積立投資との合わせ技】

新NISAは、限られた投資資金の中で効率的に運用するには、積立投資も有効な選択肢です。

たとえば、インデックスファンドなどの積立投資で市場全体の成長を取り込みつつ、高配当株や増配株の個別投資でインカムゲインを狙うポートフォリオを組むことで、リスク分散とリターン拡大の両立を図れます。また、価格変動リスクの大きい個別銘柄を一度に大きく買うのではなく、時間分散しながら買い増すことでリスクをコントロールしやすくなるメリットもあります。

注意すべきリスクと対策

いかに魅力的に見える高配当株や増配株でも、投資には常にリスクが伴います。リスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが重要です。

【減配リスク・業績悪化リスク】

高配当株においては、将来の業績悪化により減配や無配へ転じるリスクが存在します。配当は企業の純利益やキャッシュフローに依存するため、業績が急激に悪化すると維持は難しくなります。また、増配株であっても、経済環境や市場競争の激化により連続増配が途絶えるリスクがあります。

対策としては、業績の安定性や市場シェア、財務基盤のチェックを怠らないことが挙げられます。過去の実績だけでなく、将来の収益源やビジネスモデルの持続性を含めて分析することが必要です。

【株価下落リスク】

高配当株・増配株だからといって、株価が下落しないわけではありません。むしろ景気後退局面や業界特有のリスクが顕在化すると、配当利回りの高さ以上に大きな評価損を抱える可能性もあります。

ただし、長期保有を前提とするインカムゲイン目的の投資では、一時的な評価損はそれほど問題にならないケースもあります。受け取る配当金で値下がり分をカバーする考え方があれば、株価が回復するまで待てばよいというスタンスも取り得るでしょう。ただし、根本的に企業の成長力が失われた場合は保有継続が得策とは限らず、状況に応じた見直しが必要です。

【金利変動リスク】

金利が上昇する局面では、債券などの他の金融商品も利回りが高まるため、高配当株の相対的な魅力が低下しやすくなります。また、企業が借入金を多く抱えている場合は、金利上昇によるコスト増で利益が圧迫され、配当にも悪影響が及ぶ可能性があります。

対策としては、企業の借入依存度を把握するとともに、金利動向にも目を配ることが重要です。財務体質が健全な企業や、余剰資金を潤沢に保有している企業に投資することで、金利変動の影響を相対的に小さくできます。

【分散投資の重要性】

特定の企業や業種に過度に集中すると、予想外の悪材料が出た場合に大きな損失を被りやすくなります。もちろん高配当株・増配株は投資する上で魅力的ですが、複数銘柄や異なるセクターに分散して投資することで、リスクを抑えることができます。

さらに、株式だけでなく債券や投資信託、不動産投資信託(REIT)など、資産クラスを分散することも検討するとよいでしょう。総合的なポートフォリオ運用を考える上で、インカム重視の資産とキャピタル重視の資産をバランスよく組み合わせることで安定性を高められます。

実際の投資プロセスと心構え

最後に、高配当株や増配株を活用した投資プロセスの流れと、投資家としての心構えをまとめます。

【投資目的の明確化】

インカムゲインを最優先するのか、長期的な増配による資産成長を狙うのか、あるいは両方なのか。具体的にどのくらいの配当収入を得たいか、何年後にどのくらいの資産を形成したいかなど、目標を明確にする。

【銘柄スクリーニング】

財務指標(自己資本比率・配当性向・キャッシュフローなど)や過去の増配実績をチェック。

業種の特徴や将来の市場動向、企業のビジネスモデルの持続性を考慮する。

【ポートフォリオの構築】

高配当株と増配株をバランスよく組み合わせるか、どちらかに特化するかを決定。

他の資産クラス(投資信託や債券、REITなど)も含め、適切な分散を検討する。

【投資期間と資金管理】

新NISAを活用する場合は、制度の非課税期間内(あるいはそれ以上)保有することを前提に考えつつ、積立で時間分散を図るかを検討する。

【モニタリングと定期的な見直し】

四半期ごとに企業の決算状況や配当方針の変更がないか確認する。

業績悪化や配当方針の転換が見られた場合は、投資方針やポートフォリオを修正する。

【長期的視点を忘れない】

一時的な株価下落や経済環境の変動に過度に振り回されず、企業の本質的価値を見極める。無理のない投資額や余裕資金で運用し、精神的なストレスを最小限に抑える。

まとめ:安定収入と資産成長を同時に狙う「賢者の投資術」

高配当株と増配株への投資は、安定したインカムゲインと長期的な資産成長を同時に狙える魅力的な手法です。

投資初心者から中級者までのビジネスパーソンにとっては、まずは「何のために投資をするのか」という目的をはっきりさせ、その上で高配当株や増配株の魅力とリスクをしっかりと理解することが大切です。さらに、新NISAをはじめとする優遇制度を上手に利用し、長期的な視点でコツコツと資産を育てる姿勢を持ちましょう。

投資に正解はありませんが、株主還元を重視する企業に着目し、堅実な財務基盤を持つ銘柄を長期保有するという考え方は、多くの成功例が示すセオリーでもあります。

高配当株と増配株の双方のメリットを取り込みつつ、自分の投資スタイルや目標に合った組み合わせを模索し、賢く資産を増やしていきましょう。

文/鈴木林太郎

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