美容室苦難の時代に生き残るための秘策とは?
近年、美容室軒数は過去最高を記録するほどの勢いで増えているという。
昨年、厚生労働省が発表した令和5年度衛生行政報告例によると、2024年3月末時点の美容所数は274,070店と前年度比1.5%増加し、美容師数も増えている結果に。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/23/dl/kekka3.pdf
ここ数年、天井知らずで増加を続ける美容室だが、その一方で倒産も急増しているという。
東京商工リサーチの調査では、2024年1-11月の美容室の倒産は107件(前年同期比37.1%増)に達し、すでに2000年以降で年間最多だった2019年の105件を超えている。
参考:https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200490_1527.html
開業しても前途多難。熾烈な競争を勝ち抜き、顧客を満足させなければ暗い未来が待ち構えている現実。
今年8年目を迎える「文学堂美容室retri」は、いかにして顧客の心を掴み、順調な経営を実現しているのか?
「SNSや様々なご縁を通して知り合う方々が増えていく中で、本が好きな人、本好きのコミュニティや本屋さんの周辺に集まる人たちは自分が思っていた以上にたくさんいるということを知り、お店としての存在を徐々に知ってもらえるようになってきているのではないかと思っています」
「その過程としてテレビやラジオ、雑誌などに取り上げていただいたことは大きなきっかけになっているように感じます」
「ただ、流行やトレンドの変化も早いので、その時々に興味のあることに挑戦できるように体調などバランスをとりながら、来てくださるお客様と自分のために何ができるかを試行錯誤していきたいと思っています」
そう語る生田目さんの美容師としてのこだわり、経営で大事にしていることとは?
「接客や技術に自分の経験や状態が大きく影響するのではないかと思っているので、体調を整えたり、なるべくいろいろなことを見たり感じたりしてお客様と共有しながら髪をつくっていけるようにしたいです」
最後に、美容師として挑戦したいこと、美容室retriとして挑戦してみたいことを聞いた。
「本をコンセプトにした美容室なので、今後はエッセイやコラムなどをまとめた本をつくり、言葉や文章でアピールしていきたいですね。また、お店が本に囲まれた空間であるということを活かして、読書会などのイベントも行っていけたらと思っています」
取材協力
文学堂美容室retri
公式インスタグラム:@retri.bungakudo
文/太田ポーシャ