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自分軸で生きろ!成功するビジネスパーソンに必要な「ジブン磨き」の方法

2025.01.13

ソニー再建の立役者でもある元ソニー社長兼CEO平井一夫さん。世界のソニーを3度の経営危機から救った経験から、働くことの意味や、社会人としてあるべき姿など、仕事に関する本質について、ビジネスパーソンが知っておくべきことがあると言う。

特に「仕事はつらいのになぜ働くのか?」「働けば幸せな人生を送ることができるのか?」といった、答えが出にくい問題について、平井さんは真正面から切り込んできた。このほどその内容をまとめた「仕事を人生の目的にするな」(SBクリエイティブ発刊、定価1045円)が発刊され、話題を呼んでいる。

今回は特に社会人としてどう自分を磨いていくべきか。勉強すべきだとは思っていても、そのやり方や方法がわからず、途方に暮れる私達に、具体的な自分磨きの方法を教えてくれた。

自分磨き4つのポイント

平井さんは現在、子どもの貧困問題に関する活動と、次世代リーダーの育成に力を入れている。特に次世代リーダーに不可欠なのが、「自分磨き」だ。ビジネスパーソンのスキルアップのために行うべき「自分磨き」だが、平井さんによると私たちは知らないうちに間違ったやり方をしていることが多いと言う。今回は成功する自分磨きを行うための、いくつかのポイントを解説してもらった。

その1)「努力の的」を定めるべき

私達が自分磨きというと、やみくもにいろいろな課題に手を出し、ひたすら数を打つ努力をしてしまいがち。平井さんは「社会人として早く成功するためには、数を打つのではなく、どこにどう打つのかを考えるべきだ」とアドバイスしてくれた。

「勉強を始める前に必要なのが『努力の的』を定めることです。どこがどれぐらい苦手なのか、現実問題としてどこをどれぐらい強めなければならないのかによって、努力の的は大きく異なります」と言う。

「どこがどれぐらいわかっていないのか」が明らかになれば、それを補完できる人に質問したり、アドバイスを受けることができる。自分に必要な努力はどこにあるのかを考えた上で努力することが大事だと平井さんは主張している。

さらに、努力の的を知ることは、自分を知ることにも繋がる。自分がどういうタイプの人間なのか、失敗から公平に学べるタイプか、成功から学べるタイプなのかを知っておくこと。自分を良く知ることが大切で、社会人としての第一歩でもあると、平井さんは指摘している。

その2)社会人の勉強とは専門性を磨くこと

専門性が高くなると、それだけ社内での地位を確保できる。その人しかできない仕事があれば、社内での発言は重要性を増す。さらに専門性の高い資格を取得すれば、転職にも有利になるだろう。専門性は今いる環境で役立つと同時に、未来の選択肢を増やすカギになる。

平井さんも法務関係の専門知識を身に着けた経験が、仕事の上でも、やりがいの面でもとても効果的だったと告白している。社会人の勉強は、できるだけ専門性を磨いて、自分しかできないことをたくさん身に付けることだとアドバイスしている。

また、専門性に関連して、「人と被らない意見・興味をみつけて磨きをかけよ」とも教えてくれた。「専門性を高めるならば、社内で希少で、求められている専門性が良い」としている。

その3)30代になったら自分で考えてホウ・レン・ソウする

20代ならば経験を積んでスキルを身に付けるための仕事を任されるため、報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)は実態をありのままに報告すればよい。しかし、30代になったら、まず自分で考えてからホウ・レン・ソウすべきだと平井さんは主張している。

「ホウ・レン・ソウの結果、上司に何を求めるのかを念頭におき、『何が起こっているのか』、『それに対してあなたはどう考えたのか』を明確に伝えるべきです」(平井さん)

忙しい上司に無用なストレスを与えないよう、タイミングを図ったり、簡潔に伝えることも重要だ。平井さんは優先順位を表にまとめている。図を参考に、タイミングを計って報告しよう。

ホウ・レン・ソウは誰でもやっている普通の日常業務だ。だからこそ、報告のタイミングを計って、自分の考えを取り入れて報告できるかどうかが、成長の大きなカギになる。

上司に1つの結果をただ報告するのと、自分で考えた4つの選択肢のうちの1つの結果を報告するのとでは、報告の内容は同じでも、自分に蓄積されるスキルや情報量は大きく異なる。小さな仕事であっても、一つずつ自分の考えを取り入れ、工夫し、自分磨きを続けること。日常業務を大切に積み重ねることが、自分磨きにつながる。

さらにこの図表の優先順位付けは仕事の問題解決に役立つ図となっている。図表のAでは何が重要なのかを考えれば、順当に考えていればたどり着けない突飛な回答が出てくると言う。平井さんは自ら体験した具体例を教えてくれた。

記者会見で、外国人アーティストが面白ジョークを語った時のエピソードである。通訳が難しく、また、日本人にはその面白さが理解できないような内容だった。しかし、アーティストはそのジョークが私達に受けることを期待している。平井さんはとっさに「日本語にはうまく訳せないジョークなので、みなさん笑ってもらえませんか」と言って会場が笑いに包まれた。アーティストはご満悦だったと言う。

アーティストは笑いを求めていた。だったら、どんな手段でも笑いを引き出せばよい。平井さんはそう考えて、とっさに会場で笑いを求め、引き出した。何が重要かを考えれば、どんな時も機転が効く。常日頃からの自分磨きの結果である。

ポイント4)次はどうしたいかを常に考える

自分磨きを続け、成長を止めないためには、さして苦も無く仕事がこなせるようになった時が重要な分かれ目となると、平井さんは考えている。「仕事を憶え、実務能力が高まると、成長の目処(目標)を見失ってしまう」と警告してくれた。

確かにスキルアップすれば、失敗も少なくなり、上司から指摘されることも無くなる。仕事が楽になると、それに甘んじて自分磨きを忘れてしまうのである。

だからこそ、自分軸で次はどうしたいかを、常に考えるべきだと平井さんは言う。次に克服したい弱点は何か、次に手に入れたい能力や知識体系は何か、次にどんな世界の扉を開きたいか、常に「次」を考えて、自分磨きを続けることで、成長は可能だと言う。

自分軸で生きる

平井さんが主張する「自分磨き」の方法はどれも自分軸をもって、主体性を第一に仕事をするための手段である。具体的でわかりやすく、仕事以外の生き方にも関連するアドバイスだった。新刊書では他にも「社会人の信用度を決める分かれ道がある」や「人脈を広げるよりも大切なことがある」など、平井さんならではのユニークな考え方が紹介されている。

私達はすでに30年以上も停滞した経済状況にいて、成功事例を知らずに仕事をしている。仕事が楽しそうな上司もいないし、どうすれば仕事で幸せになれるのかもわからない。そんな時、「好きなことをする」という自分軸の立て方が、仕事を楽にし、人生を切り開いてくれることを、平井さんは教えてくれた。これはDIME本誌で連載している「玉川徹から働き盛りの君たちへ」で貫く「好きを仕事にする」という、玉川徹さんの主張と、完全に一致している。音楽が大好きでソニーに入社した平井さんと、テレビが大好きな玉川さんの共通点も、ぜひ感じて欲しい。

平井一夫(ひらい・かずお)さん

写真 : 小田駿一
フォトリタッチ : 兵頭誠(VITA inc.)

元ソニー 社長 兼 CEO / 一般社団法人プロジェクト希望 代表理事。1960年東京生まれ。父の転勤でNY、カナダで海外生活を送る。84年ICU卒業後、CBS・ソニー入社。ソニーミュージックNYオフィス、SCE米国法人社長などを経て、06年ソニー グループ・エグゼクティブ。07年SCEI社長兼CEO、09年ソニー EVP、11年副社長、12年社長兼CEO、18年会長。19年より24年までソニーグループ シニアアドバイザーを務める。著書に『ソニー再生』(日本経済新聞出版)がある。

文/柿川鮎子

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