パンフレットやポスターで活躍するA3サイズ。本記事ではその寸法や用途、便利な封筒選びのポイントを解説。視認性や情報量が魅力のA3サイズを、さらに有効活用するコツを学びましょう。
目次
A3サイズの用紙は、パンフレットやポスター、設計図など幅広い用途で利用される便利なサイズである。しかし、「A3サイズの具体的な寸法(cm)や用途を詳しく知らない」「郵送で適切な封筒を選びたいが迷っている」といった悩みを持つ人も多い。
本記事では、A3サイズの寸法やそのメリット、用途に加え、郵送時に便利な封筒の規格についても詳しく解説する。
A3サイズの寸法(cm)とは
まずはA3サイズについて基本的な情報を紹介する。
■縦・横のA3サイズの寸法まとめ
A3サイズの寸法は以下のとおりである。
- センチメートル表記:42.0 cm × 29.7 cm
- ミリ表記:420 mm × 297 mm
- インチ表記:16.54 inch × 11.69 inch
- ピクセル表記:5787 px × 4093 px(解像度350dpi、塗り足しなしの場合)
A3サイズは最も一般的なA4サイズの用紙を2枚並べた大きさとなり、主にパンフレットや小さめのポスターなどで使用されることが多い。
なお、厚さの規定は存在しない。
■A3の表記の意味
「A3」と表記する意味を知りたい方もいるだろう。A3という表記は、ISO(国際標準化機構)で定められた用紙サイズ規格である「ISO 216」に基づいている。
このうち「A」は判型を表す記号で、約1平方メートルの長方形(縦横比率が1:√2)であるA0サイズを基準としている。A0を半分にしたサイズがA1、さらに半分にしたものがA2となっており、A3はA判サイズの中で4番目の大きさとなるのである。
■A3サイズのメリット
A3サイズの用紙には、以下のようなメリットがある。それぞれ詳しく解説していく。
・情報量の増加
・視認性の向上
・使い勝手が良い
印刷物の場合、一般的に用いられるA4コピー用紙の2倍の面積があるため、A3用紙はより多くの情報を1枚に収めることが可能である。
また、大きな文字や画像を配置できるため、遠くからでも視認しやすい。広報用のポスターや飲食店のメニュー表でも用いられるサイズである。
さらに、コンビニやオフィスの複合機・プリンターはA3サイズの印刷に対応している機種が多いため、日常利用もしやすい。このような多様な使い道と使い勝手の良さがA3サイズのメリットといえるだろう。
A3・B6サイズとの違い
用紙サイズにはA判とB判があり、それぞれに特徴がある。ここでは、A3サイズとB6サイズを例にそれぞれの違いについて解説する。
■A判とB判の意味と違い
A判とB判は、用紙のサイズを示す規格である。A判はISOで定められた国際標準規格である一方、B判は日本で使われる独自規格となっている。
B判は江戸時代に使われていた「美濃判」の寸法がルーツとする説もあり、JIS規格として定められている。縦横比はA判と同じく1:√2のルート長方形となっているが、面積はA判の1.5倍である点が異なる。
■A判の種類とB判の種類
今回紹介したA3サイズとB6サイズを例に違いを紹介する。A0〜A10とB0〜B10のサイズは以下のとおりである。
A判の種類
A0サイズ:84.1 cm × 118.9 cm
A1サイズ:59.4 cm × 84.1 cm
A2サイズ:42.0 cm × 59.4 cm
A3サイズ:29.7 cm × 42.0 cm
A4サイズ:21.0 cm × 29.7 cm
A5サイズ:14.8 cm × 21.0 cm
A6サイズ:10.5 cm × 14.8 cm
A7サイズ:7.4 cm × 10.5 cm
A8サイズ:5.2 cm × 7.4 cm
A9サイズ:3.7 cm × 5.2 cm
A10サイズ:2.6 cm × 3.7 cm
上記のうち、特に身近なA0~A7の用紙サイズのイメージ図は以下の通りだ。
B判の種類
B0サイズ:103.0 cm × 145.6 cm
B1サイズ:72.8 cm × 103.0 cm
B2サイズ:51.5 cm × 72.8 cm
B3サイズ:36.4 cm × 51.5 cm
B4サイズ:25.7 cm × 36.4 cm
B5サイズ:18.2 cm × 25.7 cm
B6サイズ:12.8 cm × 18.2 cm
B7サイズ:9.1 cm × 12.8 cm
B8サイズ:6.4 cm × 9.1 cm
B9サイズ:4.5 cm × 6.4 cm
B10サイズ:3.2 cm × 4.5 cm
B0~B7のサイズ感も確認してみよう。
B6サイズは手のひらに収まるサイズ感が特徴で、単行本などに使用されることが多い。
A3サイズの用紙に適した封筒のサイズと用途
A3サイズの用紙は、郵送や保管の際に適切な封筒を選ぶことが重要である。最後に、A3サイズに対応した封筒の規格と、それぞれの用途について解説する。
■A3サイズに最適な郵便封筒の規格
図面やポスターのように、A3サイズ(42.0 cm × 29.7 cm)の用紙を折らずに郵送したい場合、収納できる封筒は「角形A3号」となる。角形A3号封筒は44.5 cm × 34.0 cmのサイズになるため、A3の書類を折り目をつけずに保護できる点が特徴である。サイズはメーカーによって異なる点に注意が必要だ。
また、用紙を円筒状に丸めて箱に入れて郵送する方法も可能である。
二つ折りにできる場合は、A4サイズがそのまま収まる角形A4号封筒(31.2 cm × 22.8 cm)や角形2号封筒(33.2 cm × 24.0 cm)が利用できる。
上記の封筒は定形外郵便となるが、定形郵便として郵送費用を抑えたい場合、長形3号封筒がおすすめである。A3用紙を二つ折りにした後、さらに三つ折り(DM折り)にすることで収納できるようになる。折り目が気にならない場合、最低価格で送ることができる。
■A3サイズに適した用途
先に述べたように、A3は手軽に印刷できるサイズであるため業務でも頻繁に使われる。社内の研修資料やイベント資料のように配布物として用いられるほか、建築業界や製造業界では図面などの設計図として採用されやすい。
また、比較的狭いブースでの展示会やイベントの際は、案内板やポスターのサイズとしてA3がおすすめといえる。限られたスペースで効果的に情報を伝えやすいためである。
さらに、二つ折りにすることで持ち運びやすいA4サイズになるため、パンフレットなどの配布物にも最適といえる。教育現場においても同様で、廊下への掲示物としてA3用紙が使われることがある。
まとめ
A3サイズはその大きさから、情報量を多く収められる点と視認性の高さから幅広い用途に利用される用紙サイズである。
主にパンフレットやポスター、設計図などに用いられ、適切な封筒を選ぶことで郵送もできる。
今後、A3サイズを活用する際には、その寸法や特性をしっかり把握し、適切な封筒や用途に合わせた選択を行うことが重要である。
文/小杉 啓太(こすぎ けいた)
慶應義塾大学理工学部卒業後、コンテンツマーケティング・SEOディレクターなどを経て、株式会社みずかげ製作を創業。現在はWebシステムの開発業務を行いつつ、ライターやコンテンツSEOの運用支援も幅広く手掛けている。