職業に貴賤はない。しかし、人々がその職業に抱く信頼感には高低差が存在する。
では、日本において最も信頼されている職業は何なのだろうか。逆に最も信頼されていない職業は何なのだろうか。
世論調査会社イプソスはこのほど、様々な職業に対する人々の信頼を調査した「イプソス職業信頼度調査2024」を発表した。
最も信頼されている職業は、医師、裁判官、科学者
日本における最も信頼されている職業は、医師(41%)、裁判官(36%)、科学者(34%)がトップ3となった。一般的に、最前線で働く公共サービスの従事者(軍隊や警察の職員を含む)は信頼される傾向にある。日本では裁判官の信頼度が特に高く、裁判官が32ヵ国の中でトップ3に含まれているのは日本とシンガポールのみとなった。
最も信頼されていない職業は、政治家、次いで政府官僚、SNSインフルエンサー
一方で、日本において最も信頼されていない職業は何なのか。日本で政治家を信頼できると回答したのはわずか8%で、国別でみるとアルゼンチンに次いで2番目に低い結果となった。グローバルでも政治家への信頼度は低く、政府閣僚も下位5位以内に入っている。
また、日本でSNSインフルエンサーは信頼できるとは見なされていないが、ウェイター(レストランの給仕スタッフ)やタクシードライバーは信頼できると見られている。SNSのインフルエンサーは信頼できないと回答したのは、58%で政治家に次いで最も低い結果となった。
今年追加された他の新しい職業では、ウェイターは5番目に信頼されている職業(「信頼できる」の回答が26%)だが、タクシー運転手については信頼できると感じている人が20%、信頼できないと感じている人が19%と意見が分かれている。
<イプソス職業信頼度調査 概要>
期間:2024年5月24日から6月7日
調査対象者:32カ国、23,530人(日本人1,000人)
オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、英国、イタリア、日本、ニュージーランド、スペイン、米国からそれぞれ約1,000人、アルゼンチン、ベルギー、チリ、コロンビア、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、シンガポール、南アフリカ、韓国、スウェーデン、タイ、トルコからそれぞれ約500人がオンラインで調査を受けた。
インドのサンプルは約2,200人で構成され、そのうち約1,800人が対面で調査を受け、400人がオンラインで調査を受けた。
出典:イプソス株式会社
構成/こじへい