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行動心理学からアプローチ!主体的に動かない部下が驚くほど動き出す5つの質問

2025.01.14

3.主体的に取り組むことの意義

上司『仮に、あなたが仕事に対して今以上に主体的に取り組んだ場合、組織や顧客に対してどのような違いを生み出すことができそうですか?』

部下『●●です』

上司『素晴らしい違いですね。もしそれが実現した場合、あなたの家族や身近な人にとってどのような意味がありますか?』

■解説

イェール大学のエイミー・レズネフスキー博士は、『コーリング(使命感)」の概念を提唱し、仕事が個人の人生における意味と結びつくとき、主体性が飛躍的に向上することを示しています(Wrzesniewski & Dutton, 2001, Academy of Management Review)。この質問は、仕事の結果が個人の家族や大切な人にどのように影響するかを考えさせることで、より深い意味付けを促し、主体的な取り組みを後押しします。

「これらの質問に対する答えに対し、上司は心からの称賛と応援する気持ちを伝えることで、部下のやる気に火をつけることができます。貢献欲求の強さは個人差があります。貢献欲求があまり高くない人には、上記の質問は響かないかもしれません。その場合は次の2つの質問に切り替えてみてください」

4.人生にとって重要なもの

上司『あなたの人生にとって重要なものを3つだけあげるとすれば、それは何ですか?

部下『●●です』

上司『なるほど、あなたが今の仕事で成果を出すことは、それら3つを充実させることにどのように役立ちますか?』

■解説

行動心理学では、個人が自分の価値観と仕事がどのように結びついているかを理解することが、動機付けの強力な要因であるとされています。例えば、価値観主導型アプローチでは、自己決定理論(Self-Determination Theory)に基づき、内発的動機を引き出すことが効果的だとされています(Deci & Ryan, 1985)。この質問を通じて、部下は自身の人生の優先事項と仕事の関連性を再確認し、モチベーションが向上します。

5.生産性が上がることのメリット

上司『生産性が上がるとあなたにとってどのような良いことがありますか?』

部下『●●です』

上司『それは素晴らしいですね。生産性を高めるためには「仕事を楽しむ」ことが非常に有効ですが、今以上に仕事を楽しむためにどのような工夫ができますか?』

■解説

オックスフォード大学の研究では、幸福感の高い従業員は生産性が13%向上することが明らかになっています(Oswald, Proto, & Sgroi, 2015, Journal of Labor Economics)。さらに、広島大学の角谷教授による研究(Zhang, Kadoya, & Huang, 2020, Sustainability)でも、従業員の幸福度と生産性には正の相関関係が確認されています。これらの知見は、アマビール教授が示した『ポジティブな感情が創造性を高める」という研究結果とも整合します。

また、幸福感が高まると『ドーパミン』や『セロトニン』といった神経伝達物質が分泌され、ポジティブな感情が増幅されることが知られています。その結果、前頭前野が活性化し、創造性や意思決定能力が向上すると考えられています。こうした背景を踏まえ、この質問を通じて部下が仕事を楽しむ方法を模索すれば、その過程で生産性と幸福感の両方を高めることが期待されます。

部下の主体性について常日頃から悩む上司は、ひたすら実践あるのみ。これらの質問なら、部下の変化を楽しむこともできそうだ。

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取材・文/石原亜香利

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