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行動心理学からアプローチ!主体的に動かない部下が驚くほど動き出す5つの質問

2025.01.14

あなたは今、上司として「なかなか主体性を発揮しない」「指示を待ちがちな」「モチベーションが低下しているように見える」部下の指導に困っていないだろうか。今の若者はそういう傾向なのだから仕方がないとあきらめている人もいるかもしれない。

部下のモチベーションが下がっている時の兆候と対応策

「最近、部下のモチベーションが低下している気がする」。上司として、このような悩みを抱えたことはありませんか?職場の成果は、チームメンバーである部下のモチベーショ...

しかし、あきらめるのはまだ早い。行動心理学や脳科学を取り入れたテクニックを用いれば、驚くほど簡単に部下が主体的に動き出した事例があるからだ。

今回は、最先端の心理学および脳科学に詳しいリザルトデザイン株式会社 代表取締役 井上 顕滋氏に、主体的に動かない部下へ効果的な質問方法を聞いた。

主体性を発揮しない社員へ実際に効果のあった質問5選

井上氏によれば、主体的に動かない部下を動かすには、ポイントがあるという。

【取材協力】
井上 顕滋氏
リザルトデザイン株式会社 代表取締役
1970年生まれ。2004年 Result Design株式会社を設立。最先端の心理学および脳科学を学び、それらを融合させることで人それぞれの持つ能力を最大限に引き出す、独自の能力開発メソッドを確立。3000社以上の企業で経営者・経営幹部への指導や研修を行い、「1年間で離職率8分の1」「2年間で経常利益26.8倍」「営業成約率平均31.9%アップ」などの実績を持つ。エグゼクティブコーチ、メンタルトレーナーとしてオリンピック出場の日本代表選手など世界一に輝いたアスリートのサポートも行っている。自らも経営者として30年以上の部下育成の経験を持つ。

「ペンシルベニア大学の組織心理学者 アダム・グラント博士、イェール大学の組織行動学者 エイミー・レズネフスキー博士、ハーバード・ビジネススクールの心理学者 テレサ・アマビール名誉教授のそれぞれの研究で『自分の仕事が他者に対して貢献している、意味がある』と感じることで、モチベーションや主体性が向上することが明らかになっています。

これらの研究を参考に、私はクライアント企業の主体性を発揮しない社員に対して気づきを与えるための質問を投げかけることがよくあります。その中でも特に効果があった質問を3つと、これらの質問が響かない人に有効な質問を2つ紹介します」

1.仕事の価値を問う

上司『あなたの仕事はチームや会社全体、また顧客(世の中)にどのように役立っているのか、どのような価値があるのかを教えてください』

部下『●●です』

上司『なるほど、重要なお仕事ですね。その価値をさらに高めるためにあなたにできることは何ですか?』

■解説

アダム・グラント博士の研究によると、個人が『自分の仕事が他者にどのような貢献をしているか』を実感することで、主体性や生産性が大きく向上することが分かっています(Grant, 2007, Academy of Management Review)。また自らの行動によって価値を高められることを想像させることで、脳の報酬系が刺激され、やる気を司るドーパミンが分泌されやすくなります。この質問は、部下自身が仕事の意味や社会的価値を再確認することで、自らの役割に対する認識を深め、主体的な行動を促す効果があります。

2.一年後に達成したい成果を問う

上司『あなたは一年後に、今の仕事を通じてどのような成果を達成したいですか?』

部下『●●です』

上司『素晴らしい意欲ですね。その成果は、あなたの所属するチーム、会社全体、ひいては社会にどのような影響を与える可能性がありますか?』
上司『それをどのように実現しようと考えていますか?』

■解説

ハーバード・ビジネススクールのテレサ・アマビール名誉教授は、達成目標やプロセスの明確化が動機付けと創造性に強い影響を与えることを示しています(Amabile, 1996, Creativity in Context)。目標が具体的であればあるほど、達成のための行動計画が練られやすく、結果として主体的な行動を引き出すことが可能です。この質問により、部下は1年後の目標を具体的に想像し、その達成が個人や組織に及ぼすポジティブな影響を認識することで、行動意欲が高まります。

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