取材からわかった『スパットシューズ』のヒット要因3
1.煩わしさの解消
立ったまま足をかかとから滑らせるように入れるだけで、手を使わず履くことができる。煩わしさがなくなるので、しゃがんだりするのがしんどくなってくる中高年を中心に支持を集めることができた。
2.機能が実感しやすい
靴の機能といえば防水性や防滑性などといったものがあるが、必要とされる状況にならない限り機能を実感しづらい。そういうものとは違い履くと必ず実感できる機能を持っている。店頭で試し履きすれば簡単に便利さが実感できる点も機能の訴求でプラスに働いた。
3.直感的で印象に残るネーミング
かかとから滑らせるように足を入れて履いた時の「スパッ」という音を商品名に活用。印象に残りやすかったことに加え機能をわかりやすく伝える効果があった。
強度にこだわったかかとについては、これまでのところ割れたり潰れたりといった不具合は1件も報告されていない。便利な上に安心して使えるとなれば、手を使わず簡単に靴を脱ぎ履きしたい人にとっては魅力的に映るはずである。
さらに吉田氏によると、店舗からは「ビジネスカテゴリーを広げてほしい」といった商品に対する要望が多く届くという。販売と接客の最前線から届く商品に対する要望は生活者からの生の声。売れていてもなお寄せられる多くの要望に応えていけば、さらにヒットするだろう。
取材・文/大沢裕司