消費者の関心を強化するために更なる企画も―サマー&コラボキャンペーン
D: 『1チョコ for 1スマイル』が今後目指すものを教えてください。
植竹:若い世代の方こそサステナビリティやSDGsに関心があると思います。きっかけがないだけだと思うので、まずは情報の発信に力を入れたいです。
渡辺:まだまだ発信が足りないと思っています。『1チョコ for 1スマイル』の認知度もまだまだ低いですので、「こういった活動を16年間やっています」というのをもっと伝えなければいけません。カカオ豆の価格も高騰していて、「チョコレートって高くなるのかな」とカカオ生産国に目を向けるタイミングでもあると思うので、「何が起こっているのか」「自分たちに何かできることがないか」と気づいてもらえるきっかけを提供できればと思います。
この「関心強化」については、24年の夏にサマーキャンペーンも開催しました。
D:サマーキャンペーンではどのようなことを行ったのですか。
24年夏に行われたサマーキャンペーン/写真提供:森永製菓株式会社
渡辺:8月19日から9月8日までの3週間で、『1チョコ for 1スマイル サマーキャンペーン』を実施しました。消費者の方がカカオ生産国のことや、『1チョコ for 1スマイル』の取り組みに関する“学びのアクション”をすることで、カカオ生産国への寄付に繫がる仕組みです。
学びのアクションからカカオ生産国への寄付に繋げるサマーキャンペーン/写真提供:森永製菓株式会社
この“学びのアクション”とは、例えばXやInstagramなどSNSへの投稿や、リアルイベントに参加いただくことです。リアルイベントは、9月1日に東京・立川市のGREEN SPRINGSで開催しました。これはカカオ生産国の現状を学ぶことができるイベントです。450人以上の方にご参加いただき、普段食べているチョコレートがどのように生産されているか、またカカオ生産国の児童労働問題について、展示やクイズを通して親子に学んでいただきました。クイズに答えることで100円寄付という形にしました。知ること、学ぶこと、そしてカカオ生産国に目を向けてもらうことに価値があると思い、企画しました。
クイズを通してカカオ生産国の児童労働問題を学ぶ/写真提供:森永製菓株式会社
D:反応はいかがでしたか。
渡辺:参加者の皆さんからは、「カカオ生産国を知ることで、少しでも自分が支援に繫がることができた」「ガーナの現状を初めて学ぶことができ、関心が持てた」「初めてカカオ豆やカカオの木を見て、チョコレートがより身近に感じられた」といった声をいただきました。また、参加者の皆さんの笑顔の写真も撮影し、メッセージと共に森永製菓からカカオ生産国の子どもたちにお届けします。SNSの投稿も3週間で累計22,680件にのぼり、このサマーキャンペーンで総額283,050円を支援のために寄付することができました。
カカオの木やカカオ豆も見ることができる/写真提供:森永製菓株式会社
D:反響が大きいですね。今後もキャンペーンは開催されますか。
渡辺:11月1日から25年2月14日まで、『1チョコ for 1スマイル×おかしプリント コラボキャンペーン』を開催中です。こちらは、森永製菓直営の法人向けオリジナルデザインお菓子制作サービス「おかしプリント」とコラボレーションした企画で、「おかしプリント」の「オリジナル小枝」「オリジナルカレ・ド・ショコラ」の売り上げ1個につき1円を、カカオの国の子どもたちの支援に充てます。これまでは、年1回の特別期間中にスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店で販売されている市販品だけが寄付の対象でしたが、このキャンペーンでは「おかしプリント」で制作できるオリジナル商品にも対象範囲を拡大しました。これは16年間の活動の中で初めての取り組みです。
D:新たな取り組みですね。
渡辺:「おかしプリント」をご利用いただいたお客様も、『1チョコ for 1スマイル』の取り組みを通じてSDGs達成への貢献にもつながります。
みなさんに「サステナブルな消費行動」をとってもらいたいという思いがあります。これからみなさんがチョコレートを棚から選ぶ時に、「森永は『1チョコ for 1スマイル』活動をしているから買おうかな」と思ってもらえたらうれしいです。
活動を通して「サステナブルな消費行動」を広める/写真提供:森永製菓株式会社
チョコレートを扱うメーカーとして、カカオ生産者のウェルビーイング向上に取り組む森永製菓。これからも会社全体のサステナビリティ活動として、活動と発信を続けていく。
取材・文/コティマム