自己評価とは、自分自身の能力や現状を評価することを指します。自己評価が高い人は積極性や適応能力が高く、自己アピールが上手ですが、プライドが高く、他人の意見を受け入れにくいことがあります。他責思考も見られ、他人のせいにする傾向があります。自己評価が高すぎる人との付き合い方としては、適度な距離を保ち、目標や進捗の確認を頻繁に行い、みんなの意見を聞く時間を設けることが効果的です。
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自己評価とは、自分自身の現状や能力を自分自身で評価することを指します。仕事では、自己評価によって自分自身の業務遂行能力や成果などを振り返り、今後の自分自身のキャリアを明確にしたり、さらなる成長を目指すために行われています。
自己評価が高いことにはポジティブな面もあるものの、他者評価よりも自己評価が高すぎる場合にはネガティブな面が出てしまう可能性があります。
本記事では、自己評価の高い人の特徴と、ネガティブな面が出てしまっている人と上手く付き合うコツをご紹介します。
自己評価が高い人の特徴
自己評価が高い人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここではポジティブな面とネガティブな面を見ていきます。
1.積極性がある
自己評価が高い人は自分に自信があるので、何事にも積極的にチャレンジします。これはその自信に根拠があろうがなかろうが関係ありません。
また、困難に直面しても挑戦を続けることができ、ポジティブに物事に取り組む傾向があります。異動や転勤、引っ越しなどでの新しい人間関係への適応能力も高いと言えるでしょう。
2.自己アピールがうまい
積極性のところでも触れたように、新しい環境への適応能力が高く、初対面の人へも積極的にコミュニケーションを取ろうとします。また、自分に自信があるので、自己評価が高い人は自分の良い部分をもっと知ってほしいと、自己アピールを積極的に行います。第一印象を良く見せることや、相手の懐に入るのもうまい人が多いでしょう。
3.プライドが高い
自分に自信があるところから自己評価が高くなっているので、プライドも高い人が多いです。
プライドが高い人は、他人から意見されることや否定されることを嫌います。また、失敗を認めない、他人の成功を素直に喜べないといった特徴もあり、仕事では扱いにくいと思われる可能性が高いでしょう。
4.立ち直りが早い
何かミスをしてしまったときに、立ち直りが早いことも自己評価が高い人の特徴の1つです。
ミスをしたとしてもひるむことなく何度も挑戦するという強さを持っています。しかしその反面、内省の時間が少ないのでミスから何かを学んだり、繰り返さないための策を練るといったことは得意ではありません。
5.他責思考
プライドが高く、自信家な人は、他者を見下す傾向が強くなります。「他の人よりも自分のほうができる」と思い込んでしまっているということです。なので、ミスをしたときにも自分に非があったという思考にならず、「あの人が事前にこのミスに気づいていれば」、「そもそも誰がやってもミスを回避することはできなかった」というふうに他人や何かのせいにしてしまいます。
このような思考を他責思考と呼び、この思考は周囲との関係性に悪影響を及ぼす可能性があります。
自己評価が高い人との上手な付き合い方
自己評価の高い人は、自己評価と他者評価が見合っていれば問題はありません。人間関係に悪影響があるのは、他者評価よりも自己評価が高すぎる場合です。ここでは、自己評価の高すぎるゆえにネガティブな面が出てしまっている人との上手な付き合い方をお伝えします。
職場はもちろん、プライベートでも取り入れることができるので、参考にしてください。
1.適度な距離を保つ
自己評価の高い人とは、仕事でもプライベートでも適度な距離を保つことが大切です。
あなたが上司でその相手が部下の場合には、深く付き合うことで自信家の部分が影響して上下関係が崩れかねません。自己評価の高い人は自分のミスを認めることが難しい傾向があるので、上下関係をはっきりしておかなければ注意しても直さない、言い訳をしてくるといった可能性が高くなります。「この人なら」といった隙は見せないほうがいいでしょう。
プライベートでも距離が近くなってしまうと、攻撃対象になりかねません。自己評価の高い人は他人の評価や称賛を妬む傾向があります。自己評価と他者評価との差が大きければ大きいほど、周囲はその人よりもあなたを評価してくる可能性は高くなります。なので、リスクしかない相手だと割り切り、関係性があるところのみの付き合いに留めておくほうが無難です。
2.目標、進捗などの確認を頻繁に行う
自己評価の高い人は、自分の能力を過大評価してしまっているので、土壇場でミスなどをしてしまう傾向があります。どうしても関わり合いにならないといけないところがあれば、その確認は頻繁に行ってください。
仕事であれば、目標、進捗がその対象です。プライドが高いので、一方的に確認するというよりも、「お互いに確認し合いましょう」、「こちらの参考にするために確認させてください」という言い方のほうが相手はすんなりと受け入れてくれるでしょう。
3.みんなの意見を聞く時間を最初に設定する
特徴でも触れたように、自己評価が高い人は、他人から意見されることや否定されることを嫌います。他人からの意見を軽視し、常に自分が注目の中心でいたがるのです。そのような人は、意見を交換する場所であっても、自分の意見を一方的に押しつける傾向があります。
一方的な意見の場にしないためには、「まずは意見を出し合いましょう。そしてその後に話し合いを行います」と宣言してからスタートするようにしてみてください。このようなアプローチを行うことで、全ての意見が尊重されるだけでなく、自己評価が高い人も自然と他者の意見に耳を傾けるようになります。
文・構成/藤野綾子