先日、とある企業の社名の由来が大きな話題となった。その企業とは「靴下の神様」と称された創業者から経営を受け継ぎ、今や「靴下屋」「Tabio」などの靴下専門店を展開しているタビオ株式会社。
その「タビオ」の名の由来がなんと“奥田民生”さんだというのだ。公式Xでもこう説明されている。
調べてみてわかった意外な事実
「民生」、「タビオ」、「たみお」、「タビオ」…確かに語感は似ているが一体どんな経緯で日本を代表するアーティストの名前をもとにダジャレ混じりの社名を採用してしまったのか?
調べてみると意外な事実が判明。
さらに、2代目社長・越智勝寛氏の巧みな社内改革により業績の低迷から脱し、「靴下一本」というこだわりの経営ビジョンも見えてきた。
今回、社名の真相と共に越智勝寛社長の斬新な経営ビジョンについてお話を伺った。
――社名の由来が奥田民生さんという件について改めてお聞かせください
「あれは、厳密に言うと社名の由来ではなく、かつて考えた男性用ブランド名の由来だったんです」
――ほぉ、詳しく聞かせてください
「タビオの由来は社内でも『謎』のままだったんですが、当時、商品本部長だった私が仲間と新しい男性用ブランドの名称を考えていた時に、豊田弘治さん(アーティストで現在はメンズソックスブランド「Tabio MEN」の企画に関わっている)が、『奥田民生さんに履いてもらえるようなブランドがいいから、ブランド名は“タミオ”ってどうかな?』という話を切り出しまして…」
「その頃、ちょうど民生さんが『股旅』というアルバムを出していたので、「タミオ」と「タビ(旅)」をかけ合わせて『タビオ』という名前が生まれたんです」
そうだったのか。
つまり、最初から社名として奥田民生さんの名前をもじった訳ではなく、元々はブランド名として誕生したものだったとは。
ちなみにその後、『タビオ』ブランドは一旦消滅したものの、ロンドン出店の際に店舗名として使用され、それが社名変更時の候補の一つとして取り上げられることに。
そして2006年、いくつかの候補案の中から社員投票で選ばれたのが、『タビオ』だったという。
『タビオ(Tabio)』の語源は奥田民生さんだが、社名『タビオ(Tabio)』は「The Trend And the Basics In Order (流行と基本の秩序正しい調和)」の頭文字をとったもので、「Tabioをはいて地球を旅(タビ)しよう、足袋(タビ)の進化形である靴下をさらに進化させよう」という意味が込められているという。
詳しい話はタビオ公式YouTubeチャンネルでも紹介されているので、気になる方はチェックしてほしい。
――そもそも越智社長は奥田民生さんのファンだったんでしょうか?
「奥田さんのナチュラルな生き方が好きで、今では奥田民生バンドを組んでいるくらいのファンです。一番好きな曲は「愛する人よ」ですね」
――今回話題になったことで、実際に奥田民生さんからのリアクションは?
「SNS上で奥田さんの関係者の方が反応してくださり、当社の担当者も返答させていただきました。ただ、現状コラボの話などはありません」
――奥田民生さんに履いてもらいたい貴社の靴下は?
「おすすめは、「リッチェルソックス」ですね」
「現在、当社の紳士ブランド「Tabio MEN」のアンバサダーをしていただいている窪塚洋介さんのポスターが素敵で私のお気に入りなのですが、この商品の企画自体、「Tabio」の名付け親である豊田さんのものです」