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帝国ホテルがオンラインでおもてなしを表現する「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」が誕生、夢のコラボで生まれた至極のカレーとは?

2024.12.25

2024年11月3日、帝国ホテルが新たな取り組みとしてオンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」を開業した。「もっとあなたを、驚かせたくて。」をコンセプトに、ホテルの枠組みを飛び越し、おもてなしの心を込めた日本各地の逸品を届けることが目的だ。

目玉商品の一つが、日本を代表する京都の老舗料亭「菊乃井」の3代目主人 村田吉弘さんと、帝国ホテル 東京料理長 杉本雄さんのコラボレーションによって生まれた「雲収赤カリーと渋沢カリー」。

本記事では、11月6日(水)のポップアップイベントで実現した両者のトークイベントの内容をレポートする。

「人生に深く豊かな色彩を」日本の優れた生産者や商品をストーリーとともに発信

帝国ホテルは、京都の新規開業を控えていたり東京事業所の建て替えを進めていたりと、大きな変革期を迎えている。このタイミングだからこそ、顧客との接点を広げ、事業の多角化を進める新たなプロジェクトとしてオンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」をスタートさせた。

同モールで販売される商品は、日本各地に帝国ホテルのシェフ・ソムリエ・バーテンダーをはじめとしたホテルスタッフが足を運び、一つひとつ選び抜いたもの。さらに、作り手の想いや取り組み、商品開発の裏側やおすすめの使い方を紹介する点にも力を入れている。モール内には、37ブランド約100アイテムのラインナップが用意されており、どれも他にはない特別な商品ばかりだ。

菊乃井 3代目 村田吉弘さん×帝国ホテル 東京料理長 杉本雄さんの特別対談

トークセッションでは、「雲収赤カリーと渋沢カリー」が誕生した背景と込めた想いについて語られた。2人の出会いは3~4年ほど前、ホテル会員向けの会報誌で対談したのがきっかけ。杉本さんは、今回のコラボレーションについて「オンラインモールの目玉企画の一つである『他のブランドと一緒に協業する』という大きなトライアルに、ぜひ村田さんと何か一緒にやりたいと伝えました」と想いを語った。

杉本さんの提案に応えるかたちで、村田さんとの商品開発がスタート。村田さんは杉本さんに対し「料理人として理解しやすい考えを持っている。僕も同じような考え方を持っていますから、一緒にやることにしました」と開発当初を振り返った。

杉本さんは、ジャンルの異なる料理とのコラボレーションについて、次のように考えているという。

「食材を目の前にして美味しいものを作る、美味しさを追求して手を加えてお客様にご提供するという本質的なサービスは、日本料理であろうとフランス料理であろうと変わらないと思っています。当然テクニックは違いますし、考え方や料理観といった違いはありますが、我々がやるべきおもてなし、サービス、提供するべき価値は同じです」(杉本さん)

大衆料理でありながらフレンチの巨匠も一目置く「カレー」

赤と緑のカラーが印象的な「雲収赤カリーと渋沢カリー」。雲収赤カリーの特徴について、村田さんはこう話す。

「雲収赤カリーには、麹と豆の蒸したペーストを入れて作ったパプリカの味噌が入っています。フランス料理のデミグラスのようなイメージです。味噌にすることによって深みを出しました。最初はいろいろ試行錯誤しましたが、良いものができたと確信しています」(村田さん)

一方、渋沢カリーは、帝国ホテルの初代会長 渋沢栄一へのリスペクトが込められていると杉本さんは語る。

「帝国ホテルの初代会長である渋沢栄一の出身地、埼玉県深谷市の特産物『深谷ネギ』を丸々一本使用しています。『余すことなくネギの旨みを溶かし込んだカレーを作りたい』と思って作りました。ネギの葉の部分からオイルをぎゅっと抽出して、味と香りと色を出したオイルをルーに溶かし込んでいます」(杉本さん)。

日本料理とフランス料理のコラボレーションでありながら、なぜ「カレー」を選んだのだろうか。その理由の一つに、フレンチの巨匠ロブションの一言があったと村田さんは話す。

「ロブションに日本で一番興味があるものを聞いたら『カレー』と言っていたんです。理由を聞いたら『ソースがメインになった料理はあれしかない』と言っていました。彼らからしたら、カレーはソースがメインの料理なんです」(村田さん)

杉本さんは、一般のエンドユーザーの方に響くものを作ろうと考えた際、候補になったのがカレーだったと続ける。

「ハイエンドの方たちを相手している企業がハイエンドな商品を作るのはあまりにも普通ですが、国民食である『カレー』を2人が作ることは価値があると思いました」(杉本さん)

目まぐるしく変わる「食を取り巻く環境」の課題と現状を見逃さない

カレーを作るにあたり、課題となったのが「どうやって味を安定させるか」。季節によって味わいが変わる野菜を、安定して調理するにはどうしたらよいのかを考えながら、レシピを作ったと杉本さん。さらに、温暖化や気候変動に伴い様子が変わっていく食材に対し、「料理の仕方を考えていかないといけない」と村田さんも続けた。

「料理は改善なんです。その都度その都度、今を生きている人、今の素材に合うように改善する。改善を毎日続けていくことが、料理を作っていくことだと思っています」(村田さん)

「我々の食を取り巻く環境は、めまぐるしく変わっていっています。直面している課題や現状をキャッチして商品作りをしていきたいですね」(杉本さん)

数多くのオンラインモールが存在する中で、帝国ホテルが参入する意味は「その商品に込められた思いやテーマをしっかりとキャッチして、帝国ホテルの『お墨付き』として世に出していくこと」だと、杉本さんは続ける。

「我々が食材に手をかけて最終的にお客様にご提供する行為は、食材の一生のうち数%です。『生産者さんたちの努力があってこそ、我々は腕を振るうことができる』という思いをしっかりと発信することで、『一次産業あってこその料理』の関係性を構築できる。そこに、我々が取り組む意義があると思っています」(杉本さん)

「おもてなし」の心を込めて。ホテルの枠組みにとらわれない飽くなき探求

ANoTHER IMPERIAL HOTELでは、菊乃井本店の「体験型商品」も展開している。菊乃井本店で食事をしつつ、京都の料亭文化を堪能できるプランだ。祇園ならではのサービスとして、舞妓・芸妓さんとお座敷遊びができるという。

「料亭文化を味わうことは、体験したことのない人にとってはハードルが高いと思います。そういった中で、村田さんが『やってみよう。面白いじゃないか』とおっしゃってくださったことで、高いハードルがゆっくり降りてきた。だから実現できた商品です」(杉本さん)。

さらに、2人のコラボによる次回作も進行中だという。今回はカレーをテーマにそれぞれ1品ずつ作るコラボレーションだったが、次の商品ではお互いにレシピを出し合い、一つの料理を作る。次回作のテーマは「鰆(さわら)」。日本料理らしい鰆を焼き上げ、フランス料理らしいソースを合わせる予定だ。

ブランドのプライドをかけて作った商品に、生産者の想いを乗せて伝え続けたい

最後に、村田さんと杉本さんそれぞれが今回のプロジェクトの振り返りと今後の展望について語った。

「『ちょっと高いけどそれだけの価値はあるもの』を提供していると思っています。ブランドをかけて商売していますので、『ブランドは一流だけど出てきたものは三流だな』というようなことは絶対にないようにはしたいですね。ぜひ楽しみに買っていただきたいですし、みなさんに喜んでもらえると思います」(村田さん)

「いろいろな生産者さんに会ってみると、本質的なことはみなさん同じようなことをおっしゃっているのがわかります。『本当にこれが美味しいものなんだ』『良いものを残したい』という生産者さんの想いを、しっかり伝え続けていきたいと思います。大先輩の胸を借りて、いろんな商品を作っていきますので、これからもぜひ期待してください」(杉本さん)

帝国ホテルのおもてなしを、オンラインモールで体感できる「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」。単に商品を販売するだけではなく、帝国ホテルだからこそ提供できる価値を最大限に表現した、新たな顧客との接点になりそうだ。

生産者から始まるストーリーをしっかりと伝え、そこにホテルスタッフの顔も見える。帝国ホテルは、このような新たなオンラインモールの在り方を創り上げた。こうした付加価値が、ECサイトにも求められる時代の到来を予感させる。同モールで販売されている商品は、自分用に購入することはもちろん、手土産としても喜ばれる「間違いない逸品」ばかり。ぜひ一度、サイトをチェックしてみてほしい。
https://another.imperialhotel.co.jp/

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