DIME MAGAZINE
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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
今回お届けする裁判は【社内でウソをバラまかれた名誉毀損事件】です。
以下の3ステップでトラブルになりました。
（1）Xさんが支社長に「社内のルール違反について」相談したら
（内部通報みたいなもの）
（2）支社長がほかの社員にウソの情報を流し
（3）それを聞いた同僚がXさんをイジメた
という事件です。
裁判所は
「支社長と同僚よ……、チミたちのやったことは名誉毀損だ！」と判断（東京地裁 R3.3.23）
支社長と同僚に命じられた慰謝料額は!?
以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
▼ 会社
保険株式会社
▼ Xさん
・ある支社のトップ・オブ・ザ・エグゼクティブ・ライフプランナー
・最高位の資格
▼Aさん
・ライフプランナー
▼ Yさん
・Xさんの同僚
・肩書き：同じくトップ・オブ何ちゃら
・Xさんをイジめた人
▼ 支社長
・ウソを流した人
どんな事件か
▼ なんで私の秘書を使ってるんだ
Xさんが【社内ルール違反】を役員に伝えました。具体的な内容は「Aライフプランナーが自分の秘書を使っている」というルール違反でした。
▼ 口軽支社長にも伝える
Xさんはこの問題を支社長にも伝え、適切に対応するよう求めました。支社長とは合計3回面談しました。
▼ ウソの情報が出回る
支社長はAライフプランナーに「Xさんから秘書の話を録音していると聞かされていますけど、問題はないですか」と伝えました。
上の文章は判決文そのままなので理解しにくいですが、要は【Xさんが秘書の電話を録音している】という事実を伝えたのです。
ｎ※ Xさんは支社長にそんなことを言ってないので、ウソの情報を伝えたことになります。
支社長はYさんにも伝えました（裁判所の推認）。そうなるとYさんの秘書にも伝わったのでしょう。Yさんの秘書はXさんの秘書に「Xさんはあなたの電話を秘密録音しているか？」と聞きました。秘書に聞いても分かんねーだろと思うのですが……まぁコレを聞いた秘書は動揺します。
▼ イジメスタート
ここからイジメが始まります。同僚のYさんは書棚の上に、以下のフラッグを立てました。少し見にくいですが秘密録音しているかのようなイラストです。およそ1週間。
（判決文より引用）
これにXさんが激怒。支社長と面談します。そして支社長に「Yがこのフラッグを立てたことは社内の風紀を乱すものでありハラスメントに該当する」と申し立てました。
さらにXさんは執行役員にもメール送信。「自分の秘書も精神的に苦しめられている」「オフィシャルなハラスメントとして適切な対応をお願いします」と訴えました。
すると、↓ のフラッグに変わりました。聞き耳を立てているかのようなイラストです。
さらに、↓ のプレートをロッカーに掲示。泣いてる赤ちゃんのイラストは、会社からの異動提案をXさんが断ったことをイジっています。「うごきたくない」「いどういやだもん」と泣いております。
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