目標設定を意味のあるものにするポイント
目標設定を意味のあるものにするポイントとして挙げられるのは、以下の5点です。
- 実現できそうな範囲で設定する
- 具体的な数値を用いる
- SMARTを意識する
- 適宜進捗を確認する
- フィードバックを行う
それぞれの内容を解説します。
■実現できそうな範囲で設定する
目標は、実現できそうな範囲で設定することがポイントです。 目標が高すぎると達成の難易度が上がり、モチベーションの低下要因となりかねません。
たとえば、翌月の売上を倍にするという目的は、達成確率が非常に低いといえます。しかし、半年後の売上を1.2倍にするという目標であれば、小さな改善を繰り返していけば達成できる可能性があります。 成功体験を積み重ねるために、実現できそうな範囲で目標を設定することが大切です。
■具体的な数値を用いる
目標を設定するうえでは、具体的な数値を用いることも重要です。数値であらわせない目標は、達成したのか否かの判断が難しくなります。目標を数値化することで、主観的な判断が入りにくくなり、目標の達成・未達成が明確になるでしょう。
たとえば、単に「クレームを減らす」ではなく、「前年同月比で50%以下にする」というように数値設定を行います。
■SMARTを意識する
「SMART」を意識した目標設定も、おすすめです。SMARTとは、以下の5つの頭文字を取った言葉です。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(期限)
SMARTを意識することで、具体的で測定が可能かつ達成が可能である目標設定が可能になります。
■適宜進捗を確認する
立派な目標を立てても、その後進捗を確認しなければ意味がありません。当初の想定と比較して順調に進んでいない場合は、アプローチ方法を再度検討する必要があります。予定よりも進んでいる場合は、さらに早いペースで計画を組み直し、モチベーションや達成感を高めることも効果的です。
■フィードバックを行う
目標に対する取り組みについて、フィードバックを挟むと、モチベーションやパフォーマンスの向上につながります。フィードバックとは、目標達成に向けたアクションに対し、口頭や文章で指摘や評価を行うことです。
取り組みの方向性が誤っていたとしても、早い時期にフィードバックがあれば軌道修正する範囲も小さくて済み、達成に向けた効果も高まるでしょう。
目標や成果の管理には目標設定シートが有効
目標や成果の管理には、目標設定シートが有効です。目標設定シートとは、設定した目標を規定のフォーマットに落とし込み、管理するためのシートです。目標設定シートを使用するメリットと、簡単な記入例をご紹介します。
■使用するメリット
目標設定シートを使用することで、現状把握や評価がしやすくなります。目標達成に向けた行動や成果を客観的に把握しやすくなるため、主観が入りこまない正当な評価につながるでしょう。
■記入例
目標設定シートへの、目標の記入例は以下を参考にしてください。
- 営業職:1年後の新規顧客獲得数を昨年の20件から30件に増やす。そのために、見込み顧客を月15件訪問する
- 人事・労務:新入社員研修を充実させ、3ヵ月後の定着率を昨年度の85%から90%に向上させる
- 企画・マーケティング:今期中にSNSマーケティングを強化し、新商品キャンペーンによってフォロワー数を20%増加させる
目標を適切に設定して成果を得よう
目標とは、そこに行き着くために目印にするものを指します。目的と混同されやすいですが、目的は最終到達点であり、目標は通過点である点が両者の違いです。
目標を設定すると、モチベーションの向上や長期的な視点の形成、行動力のアップのほか、現状の把握にも役立ちます。ただし、ただなんとなく目標設定を行っても、あまり効果は見込めないでしょう。
目標を意味のあるものにするためには、実現可能な範囲で具体的な数値を用いて設定することや、目標に対する取り組みの進捗確認やフィードバックを行うことが欠かせません。確実に成果を得るために、適切な目標設定を行いましょう。
構成/橘 真咲