
辛辣とは、「言葉や表現が非常に手厳しいこと」を意味する表現です。使われることの多い言葉ですが、読み方や詳しい意味、似た表現と比較してどちらを用いるといいのかなど迷うこともあるでしょう。 この記事では、言葉の意味や由来、誹謗中傷・非難・クレームとの違い、使い方・例文を解説します。さらに、辛辣に関連する類語や対義語表現もご紹介するため、あわせて確認しましょう。
目次
「辛辣」とは?読み方などの基礎知識を簡単に解説
辛辣の読み方は「しんらつ」で、「人の言動や態度などが非常に手厳しいこと」を伝えるような場面で使われています。たとえば、「彼は的確な指示を出してくれるけれど、辛辣な態度を取るから苦手だ」などと用います。
はじめに、辛辣の意味や由来・語源、誹謗中傷などの似た言葉との違い、使い方・例文を確認していきましょう。
■意味は「発言や批評がきわめて手厳しいこと」
辛辣とは、「発言や批評などがきわめて手厳しいこと」を意味する言葉です。言い方や態度、言葉の調子など、相手に対する態度がひどく手厳しく、当たりが強いことを伝える際に用います。
また、「舌がしびれるほどに辛い(からい)」という意味もある表現です。そもそも辛辣という漢字は、「辛」「辣」どちらも「辛い(からい)」ことを指します。
■辛辣の由来・語源
辛辣の由来は、漢字自体の意味です。辛辣で用いられる漢字は、どちらも一文字でも「辛い(からい)」ことを意味します。似た意味を持つ漢字を重ねることで、さらに意味を強調した言葉なのです。
辛辣はもともと字義どおり、「舌がヒリヒリするほどに辛い」という味覚を指す言葉でした。そこから転じて、態度や性格などがひどく手厳しいさまを意味するようになったようです。
■誹謗中傷との違い
一方、「誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)」とは、「根拠のない悪口をいいふらして、他人を傷つけること」を指します。誹謗中傷と辛辣との違いは、以下のとおりです。
<他人を傷つけるかどうか>
- 誹謗中傷……傷つける
- 辛辣……傷つける意図はないことが多い
<発言の内容が的確かどうか>
- 誹謗中傷……根拠のないこと、確実だとはいえないことをいう
- 辛辣……的確な発言に対しても用いる
近年では辛辣は、SNS上のスラングとしても用いられているようですが、似た言葉と混同しないように気をつけましょう。
■非難やクレームとの違い
「非難(ひなん)」とは、「人の欠点や過失などを責めること」を意味する言葉です。辛辣との違いは、以下のとおりです。
<相手を責めるかどうか>
- 非難……相手を責める
- 辛辣……必ずしも相手を責めるわけではない
クレームとは、「苦情や異議」のことを指します。クレームの目的は、なんらかの形で自分が害や不利益を被っていることを相手に知らせることです。辛辣との違いは、「発言や批評が非常に手厳しいこと」を指すのか、「苦情や異議」を伝えているのかです。
また、非難やクレームは「やんわりと伝える」こともあります。しかし、辛辣と表現した場合には手厳しいことを容赦なく伝えるさまなどを指します。
■辛辣の使い方・例文
辛辣の使い方を、簡単な例文で確認しておきましょう。
- 彼は辛辣な人だ。
- 彼女の意見はもっともだが、あまりに辛辣だ。
- 上司が辛辣な態度を取るため、仕事場ではいつもびくびくしてしまう。
- 前回提出した案に対して辛辣な言葉でダメ出しをされてしまったが、その分今回の案は非常にいいものになったと自負している。
これらのように、「辛辣な人」「辛辣な態度」「辛辣な言葉」「辛辣な意見」などの形でよく使われています。また、そのまま「辛辣」や「辛辣さ」のような形で用いることもあります。
辛辣に関連する表現
関連する表現の理解も深めれば、言葉をより正しく使いやすくなるでしょう。
<辛辣の類語・言い換え表現>
- 痛烈(つうれつ)
- 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
- 容赦ない
- 手厳しい
<辛辣の対義語表現>
- 配慮
- 柔和(にゅうわ)
- 温厚(おんこう)
- 穏やか
- 甘露
あわせて、辛辣に関連する以下のような表現も確認しておきましょう。
■辛辣の類語・言い換え表現
辛辣の類語・言い換え表現は、以下のとおりです。
- 痛烈(つうれつ)
……働きかけなどが非常に激しい様子。手厳しい様子。非常に激しく攻め立てるさま。 - 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
……包み隠さず、思ったことを遠慮なく伝えること。ずけずけといってのけるさま。 - 容赦ない
……一切手加減をしないこと。 - 手厳しい
……批判・交渉などに手心(てごころ)を加えず、非常に厳しいさま。
容赦とは、「許すこと」「控えめにすること」「手加減をすること」を意味する言葉です。また、痛烈は「ボールなどが鋭く飛ぶ様子」を指して用いることもあります。
辛辣の類語・言い換え表現は、たとえば以下のように用います。
- 今回の会議では、新しく出す商品を痛烈に批判されてしまった。
- 彼は歯に衣着せぬ物言いをするが、そのぶん的確だ。
■辛辣の対義語表現
辛辣の対義語表現は、以下のとおりです。
- 配慮
……気遣いのこもった取り計らい。 - 柔和(にゅうわ)
……優しくて穏やかなさま。性質や態度がものやわらかであること。 - 温厚(おんこう)
……穏やかで優しく真面目なさま。 - 穏やか
……落ち着いていて物静かなさま。何事もなく静かなさま。 - 甘露
……甘くて美味しいこと。
「温厚」「穏やか」などは、辛辣の「非常に手厳しいさま」の対義語表現です。また、「甘露」は「舌がしびれるほどに辛い(からい)こと」という意味への対義語表現だといえるでしょう。
辛辣を正しく理解しよう
辛辣は、現在は「発言や批評がきわめて手厳しいこと」を指して用いることが多いです。また、「舌がしびれるほどに辛い(からい)」という味覚に関する意味もあります。
ビジネスシーンでは、辛辣な意見をいわれた場合でも、人によってはそれをばねにしてさらに飛躍できる場合があるでしょう。ただし、誹謗中傷になってしまうと、相手を傷つけてしまいます。誹謗中傷との違いには、とくに気をつけてください。
辛辣と似た言葉との違いや使い方などを理解し、適切に使い分けられるようになりましょう。
構成/chihaya