肉オンリー&醤油と卵のみ!一人で楽しむ「すき焼き ちかよ」実食レポ
2022年にオープンした「すき焼き ちかよ」は、江ノ島店と渋谷店の2店舗を構える一人すき焼き専門店だ。
野菜の提供はなし。割下を使わず、砂糖と醤油のみの味付けで、卵だけで食べる。
メニューは「すき焼きセット」「特上すき焼きセット」「極上すき焼きセット」の3種類で、いずれも肉とご飯、赤出汁、生卵、漬物のセットメニューだ。
追加メニューとして追い肉やご飯、卵などがあるが、他は飲み物だけで、すき焼きの定番である野菜やしらたきなどは見当たらない。かなりシンプルだがわかりやすく選択しやすい。
店内に足を踏み入れると、U字形のカウンターが出迎える。店員が中央に2名立っており、それぞれの席へ接客する。配置や店員の雰囲気共に話しやすい印象だ。
この店で取り扱われる肉はすべて生産者にまでこだわった国産黒毛和牛。毎日、またセットごとにその種類は変わる。今回は「特上すき焼きセット」を注文。当日の肉の種類は「横濱ビーフ」というブランド肉だった。卵は「マキシマム濃い卵」というブランド卵が常時使われる。
準備ができると、店員が自分の目の前の一人専用のプレートに肉を置き、丁寧に焼き始める。香りを出すために、別の鉄板も使い、こげをつけるのは印象的。最後に砂糖と醤油をかけて完成だ。
早速いただいてみると、高級肉ならではのクオリティーの高さもあって、1枚でかなり満足度が高かった。卵と絡めて食べても美味いし、卵なしでも美味しい。味付けはご飯と非常によく合う。
店名の「ちかよ」は店主の母親の名前。味付けは母も作ってくれていた関西風にこだわっているという。お米にもこだわっており、多くの場合は店主の父の実家である島根の仁多米を使っているそうだ。
なぜここまでシンプルなのかと尋ねると、「もともと店主が幼い頃から野菜嫌いで肉ばかりを好んで食べていた」から、だそう。さらに、ビジネス的にいえば、「引き算の考え方」があるという。従来からの高級すき焼き屋といえば、まず刺身や前菜が提供され、最後にやっとすき焼きが提供されることが多い。そこで店主はすき焼き以外にかかっている費用を肉に当てたいと考えた。「本当に良いすき焼きの肉を提供してあげたい」という思いがあるとのこと。
また店主が米国の会社に勤務していた時代、タイのバンコク支社に赴任していた時期があったが、バンコクにはすき焼き屋の市場がなく、アジア展開に可能性を感じたという。
それもあって、同店もインバウンドを強く意識している。特に渋谷店は海外客が多いそうだ。将来的には、国内のインバウンドニーズのある福岡や北海道への出店を考えているという。
本格的にトレンドを迎えそうな、「肉だけ+一人」の肉系飲食店。従来と比べてあまりにもシンプルだが、それがかえって新鮮を感じる。より肉の美味しさや高級感が問われる世界。今後も展開がどうなるか気になるところだ。
取材・文/石原亜香利
コメ不足で注目された「こねないパン」とは?米や野菜の値上げの影響から生まれた代替食材がトレンドに
■連載/阿部純子のトレンド探検隊 今年の食のトレンドを振り返り、来年のトレンドを予測する、クックパッド「食トレンド大賞2024」 「食トレンド予測2025」が発...
【2024年のヒット商品】プチ贅沢志向と重なってヒット連発!主食系&スイーツの〝ごほうびチート食〟9選
長く続くヘルシー志向による糖質制限ブームの中、今年は主食系商品でヒットが目立つ傾向に。その一方でカルディ、無印良品、丸亀製麺といった固定ファンを抱えるブランドの...