長く続くヘルシー志向による糖質制限ブームの中、今年は主食系商品でヒットが目立つ傾向に。その一方でカルディ、無印良品、丸亀製麺といった固定ファンを抱えるブランドのスイーツも大きな話題となった。
教えてくれたのは……
流通アナリスト 渡辺広明さん
ローソンに22年間勤務し、店長やスーパーバイザー、バイヤーを経験。現在は流通やコンビニ、マーケティングなどのアナリストとしてメディアほかで活躍中。
食欲と健康志向をうまくコントロールする人が増えた
2024年は円安の影響で原材料が高騰し、食品全体の価格がさらに上昇。消費者が家計を切り詰める傾向にある中、今年ヒットした食品には、コスパの良さと満足感のあるものが目立つ。パスタサラダや五目焼そば、ごちそう系のおむすびといった主食系の商品がヒットしているが、糖質制限ブームは落ち着いたのだろうか?
「健康志向は現在も継続しており、糖質を制限する人が減ったわけではないと思います。ただそのブームが何年も続き、普段は糖質に気を遣う一方で、コンビニなどの中食くらいは気にせずに満足感があるものを食べたい。そんな欲求がある人が増えているのでは」
そう分析するのは、流通アナリストの渡辺広明さん。一方で糖質を制限しながらおいしさを味わえる『白米どう ぞⓇ』や『豆腐スイーツバー』もヒット。消費者がうまく食欲と健康志向をコントロールしている傾向もうかがえます」
さらに丸亀製麺や無印良品といった、すでに固定ファンを抱える人気ブランドが手掛けたスイーツも人気を集めた。
「特に丸亀製麺は数年前から『丸亀うどん弁当』や『丸亀シェイクうどん』など、確実にヒットを狙える商品を次々と打ち出しています。おそらく他社にはない新しい発想をすぐに商品化できる社風が確立されているのではないかと感じますね」
おいしい+αの仕掛けが話題に【スイーツ】
発売6日で100万食を突破!勢いは『丸亀うどん弁当』のなんと2倍!
丸亀製麺『丸亀うどーなつ』300円(5個入り)
小腹満たしや手土産など、本来のうどんにはなかった需要の掘り起こしに成功。定番の「きび糖味」と「やみつきカレー味」のほか、期間限定の味わいや、家族や友人と違う味をシェアする楽しさも好評だった。
店内で1つ1つ手作りする〝うどんから生まれたドーナツ〟。想像を超えるもちもち食感を実現している。
大人気「ぬって焼いたら」シリーズ 限定発売の予定が売れすぎで増産
カルディコーヒーファーム『ぬって焼いたらクイニーアマン』332円
大人気「ぬって焼いたらシリーズ」の新作。食パンにぬって焼くだけでクイニーアマンのようなカリカリ感が楽しめる。バターとカラメルの風味が絶妙で甘じょっぱさがやみつきに!
4か月で販売する予定数を1か月で売り切り
無印良品『素材を生かしたアイス チョコミント』320円
やさしいミント感とミルク感が特徴で、食べやすさが人気に。チヨコチップの食感も楽しく、公式SNSで積極的に配信したこともヒットの要因となった。