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7期連続赤字から奇跡のV字回復!コックス社が実践したアパレル不況における打開策

2024.12.26

コロナ禍から物価高による買い控えなどを受け、アパレル不況に陥っている昨今。さまざまな施策が行われる中で、店舗スタッフの質を高めることが一つの策として注目されている。

日本のアパレル業界全体の変革を目指すアパレル企業の社長は店舗スタッフに対して手厚く対応し、赤字からのV字回復を達成した。その秘策とは?店舗スタッフの人材育成のプロ講師に近年の課題や解決策、展望を聞いた。

アパレル不況においてV字回復を実現した施策とは?

7年連続赤字から、起死回生のV字回復を実現したのは、イオン系アパレルメーカーの株式会社コックスだ。その立役者は、2021年5月に代表取締役社長に就任した三宅英木氏。わずか1年強で再生に向かわせたという。

三宅氏は、かつて総合商社丸紅の繊維部門に在籍していた折にアパレル業界を変革したいと決意し、転身。前職のイトキンでは副社長として、巨額の赤字をわずか1年で黒字にした。

コックスに舞台を移してもその手腕は健在で、2021年度の 営業赤字9.6億円は、翌年2022年度には営業利益4.3億円へと黒字転換。さらに2023年度には営業利益を12億円に伸ばした。

【取材協力】

三宅 英木氏
株式会社コックス 代表取締役社長
1969年生まれ。早稲田大学卒業後、1992年、丸紅に入社。 コロンビア大でMBA取得。11年フリーズインターナショナル取締役、12年サンエー・インターナショナル 執行役員、 14年オンワード樫山 クリエイティブオフィサー、18年イトキン副社長執行役員を務め、 21年5月イオングループの専門店チェーン 株式会社コックス代表取締役社長に就任。

三宅氏はさまざまな施策を行い、力を尽くすことでV字回復を実現した。その施策の一つが、「売れるヒト」を作ること。いわゆる「スター販売員」をつくるべく成果主義を徹底し育成している。

「個人の接客販売実績を重視し、成果主義による人事評価で、賞与や昇給を評定しています。継続的な採用強化と共に派遣社員での対応を進めていますが、現在では全国的な人員不足が発生していることから、売れば売るほど給料が上がる制度を確立して、人が集まる会社にしていくことが重要であると認識しています」(三宅氏)

それでは、実際に「売れるヒト」の育成に向けてどんな施策を行ってきたのかを紹介しよう。

●スーパーバイザー制度の廃止

具体的には、まずスーパーバイザー(SV)制度を廃止。「SVはコンビニやスーパーマーケット業界では有効だが、属人的なアパレル業界では機能しない」と三宅氏は語る。 SVだった人材は待遇を変えずに、統轄店長として現場に戻すことで売上げがアップした。また販売トレーナースタッフを新しく設けたり、スター販売員は表彰することに力を入れた。

●社長自ら店舗に駆けつけ表彰

(画像はイメージ)

三宅氏は時間の許す限り、自ら店舗に賞状や目録を持って駆けつけ、スター社員を表彰。訪問できない店舗には電話をかけて激励しているという。1ヶ月で120店舗に電話するため、約1,150人の従業員のうち、社長と話したことがない人はほとんどいない状況というから驚きだ。

「『企業は現場の集合体」と考えており、『自分が結果を出すのではなく、現場に結果を出してもらう』、これが社長の役割と考えています。そのためには、現場が『売れるから楽しい』の集合体であることが必要で、この点を最重要に経営しています。

そのため、予算達成率競争、新規会員獲得競争など不定期にインナーキャンペーンを開催し、現場で活躍している方を表彰し、自ら連絡して感謝を伝えることが非常に大事なことであると考えています」(三宅氏)

スタッフにとっては、成果を出せば表彰され、給与アップや報奨金で報いられる。社員だけでなく、パート・アルバイトでも同様に評価しているそうだ。

「『楽しくなければファッションじゃない!』という標語を掲げ、仕事は厳しいけれど、しっかり結果を出せば、給料が上がる。だから楽しい。そんなスタッフ育成や環境づくりを進めています」(三宅氏)

今後の人事施策に関して、三宅氏の展望は自社に止まらない。

「今後の夢として、アパレル業界のみならず、ファッション業界全体の再生を目指しています。それは、日本において最も改善余地の大きい業界であるからです。築き上げたノウハウを業界全体に波及させていきたいと思っています。そのために、まずは他業界で活躍しているような優秀な経営者にファッション業界へ参画してもらうこと、そして将来を担う若手経営者の育成が必要であると考えています」(三宅氏)

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