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COUNTIF関数を活用すれば単純な条件だけでなく、工夫次第で複数条件を扱うことも可能だ。COUNTIF関数の使い方をマスターして、仕事の効率をアップしよう。
目次
エクセルで特定の条件に一致するデータをカウントする際、COUNTIF関数は便利なツールだ。しかし、COUNTIF関数は基本的に単一条件しか扱えないため、複数条件をカウントするには工夫が必要になる。
本記事では、COUNTIF関数を活用して複数条件を処理する方法を解説する。また、COUNTIFS関数との違いや、それぞれの使いどころについても言及する。データ処理を効率化したい人に役立つ内容なので参考にしてほしい。
COUNTIF関数とは
COUNTIF関数は、データ分析や項目の集計に役立つ関数だ。ここでは、COUNTIF関数とはどのような関数かについて確認しておこう。
■COUNTIF関数でできること
COUNTIF関数では、特定の条件に一致するデータの数を自動的に集計できる。この関数を使用することで、大量のデータから必要な情報を瞬時に抽出でき、業務の効率化に役立つ。例えば、特定の商品名がリストに何回登場するか、あるいは指定した数値以上のデータがいくつあるかといった集計が可能だ。
■基本構文と式の説明
COUNTIF関数の基本構文は以下の通りである。
=COUNTIF(範囲, 条件)
「範囲」には、条件に一致するデータを探したいセル範囲を指定する。「条件」には、数える基準となる値や式を指定する。
例えば、=COUNTIF(A1:A10, “Apple”) と入力すると、セル範囲A1からA10に「Apple」という文字列が何回出現するかをカウントする。
また、条件に数値や比較演算子を使用することも可能である。例えば、=COUNTIF(B1:B10, “>50”) では、50より大きい値の個数を集計する。
■COUNTIF関数を事例で解説
「A商品」の回数をカウントする場合の式は以下のようになる。
=COUNTIF(A2:A5, “A商品”)
結果は「2」になる。
COUNTIF関数で複数条件をカウントする方法
COUNTIF関数では基本的に1つの条件しか指定できない。複数の条件をカウントしたい場合には工夫が必要だ。ここではその方法を紹介する。
■方法1.複数のCOUNTIF関数を組み合わせる
COUNTIF関数を複数回使用して結果を足し合わせることで、複数条件をカウントできる。
事例: 「A商品」または「B商品」をカウント
=COUNTIF(A2:A5, “A商品”) + COUNTIF(A2:A5, “B商品”)
■方法2.引き算を活用して条件を絞り込む
COUNTIF関数を引き算と組み合わせることで、条件を絞り込む方法もある。
〇事例: 「A商品以外」のカウント
=COUNTIF(A2:A5, “<>A商品”)
この式では、「<>」が「~以外」を意味する。
■方法3.COUNTIFと他の関数を組み合わせる
COUNTIF関数と他の関数を組み合わせて複数条件の数をカウントする。
〇事例1: OR関数とCOUNTIFの組み合わせ
「A商品」または「B商品」に該当する行数をカウント。
COUNTIFをSUM関数と組み合わせる。
=SUM(COUNTIF(A2:A5, {“A商品”, “B商品”}))
〇事例2: AND条件でカウントとCOUNTIFの組み合わせ
「A商品」でかつ「数量が11以上」の条件を満たす行数をカウント。
COUNTIFとIFを組み合わせる。
=SUM(IF((A2:A5=”A商品”)*(B2:B5>=11), 1, 0))
複数条件をカウントするにはCOUNTIFS関数が便利
基本的にCOUNTIF関数は単一の条件を扱う関数である。複数の条件でカウントする場合にはCOUNTIFSを利用するのが便利だ。
■COUNTIFS関数とは
COUNTIFS関数は、複数条件を同時に指定してカウントすることができる関数だ。COUNTIFの拡張版ともいえる。
■基本構文と式の説明
=COUNTIFS(範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, …)
範囲1/条件1: 条件を調べる最初の範囲と条件。
範囲2/条件2: 追加の条件範囲と条件。
■事例による解説
例として、「商品名がA商品」で「数量が11以上」の行数をカウントする場合の式を示す。
=COUNTIFS(A2:A5, “A商品”, B2:B5, “>=11”)
結果は1である。