キリンホールディングスは、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、計170の世界主要国および各地域における2023年のビール消費量をまとめて発表した。この調査は1975年分から統計を開始している。
同社の調査によれば、2023年の世界のビール総消費量は、前年より約20万kl(大びん633ml換算で約3億本)増え、約1億8793万kl(前年比0.1%増、大びん633ml換算で約2969億本)となった。東京ドームをジョッキに見立てると、約152杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当する。
国別ビール消費量:中国が2003年から21年連続で1位
・世界の総消費量は約1億8793万kl。ロシア・ウクライナ侵攻の長期戦など、世界情勢が安定しない中ではあったものの、世界各国でコロナ禍収束が進み、経済回復が起因したことで前年比0.1%増となった。
・ 中国(前年比0.0%)は21年連続で1位となった。上位5か国がいずれも前年増となり、総消費量の引き上げをけん引した。
・日本(前年比1.0%減)は2020年まで14年間7位でしたが、2021年8位、2022年10位、2023年は11位となった。
・ タイ(前年比1.1%増)は6年ぶりに20位圏内に上昇。18位となった(2017年15位)。
地域別ビール消費量:前年比0.6%減だったがアジアが16年連続1位
・地域別ではアジアの構成比が32.0%と、16年連続で1位に。
・1位のアジア(前年比0.6%減)は、ベトナム(前年比13.8%減)、日本(前年比1.0%減)などが減少し、前年を下回った。
・2位のヨーロッパ(前年比2.9%減)は、ロシア(前年比1.9%増)、ウクライナ(前年比8.3%増)などが増加となるも、ドイツ(前年比5.5%減)、イギリス(前年比4.0%減)などが減少して前年を下回った。
・3位の中南米(前年比1.7%増)は、ブラジル(前年比1.4%増)、メキシコ(前年比2.6%増)などが増加し、前年を上回った。
・4位の北米(前年比4.5%増)は、アメリカ(前年比5.2%増)の増加がけん引して前年を上回った。
国別一人当たりビール消費量:チェコ共和国が152.1Lで1993年から31年連続1位
・チェコ共和国(※)は31年連続で1位となった。
・クロアチア、スロベニア、南アフリカ、セルビアの4カ国が、前年より5位以上順位を上げ、急伸長した。
・前年5位だったポーランドは12位へと大きく順位を落とした。
※データの参照先の変更により、対前年増減本数は大きく乖離している
出典
・各国ビール協会などへのアンケート調査 (同社が実施したもの)
・BarthHaas-Report-2023-2024 (BARTH−HAAS GROUP)
・Beer Market Data Extract 2024 (GlobalData Plc)
※調査期間:2023年1~12月
※2013年度以降、調査データ会社を変更したため、過去レポートと数値が合致しないこともある
・2022年、2023年の日本の消費量は株式会社醸造産業新聞社の推計による
※日本の消費量については、ビール、発泡酒、発泡酒(2)の合計
注・四捨五入のため、数値が必ずしも一致しない場合がある
・前年実績が今年の調査で変更になった国については、変更した数値で前年比を算出している
※前年の世界総消費量も最新の値に変更している(1億9210万kl ⇒ 1億8773万klへ変更)
構成/清水眞希