
組織づくりのプラットフォーム「sonar HRテクノロジー」を展開するThinkingsは、2025年3月卒業見込みの就活生200名を対象に、就職活動の「選考に関する意識調査」を実施した。
選考モチベーションアップには、交通費などの支給に加え「リアル」を伝える情報の豊富さもカギ
今回の「選考に関する意識調査」では、売り手市場において企業と就活生のコミュニケーションが変化するなかで、就活生が選考中や内定承諾後の対応として企業に求めることをアンケートで調査。まず、選考を受けるモチベーションが低下した理由を聞いたところ、「企業の評判が悪い(口コミサイトや親、友人、先輩からなど)」が41%で最も多い回答に。具体的なエピソードとしては、「実際に働いている社員の口コミが直接説明された内容と異なっていた」「どのサイトにも共通の悪い内容の口コミがあると、受けるのを辞めようと思ってしまう」などが挙げられ、得られる情報から感じる不信感が、選考意欲の低下に影響していることがわかる。次いで、「選考ステップが多い(30%)」「返信・合否連絡が遅い(28%)」「選考期間が長い(24%)」など選考の長期化につながる回答が並んだ。
続いて、選考を受けるモチベーションが上がった理由を聞いたところ、25卒就活生の38%が「交通費などを負担してくれる」と回答。また、「採用サイトがわかりやすい(35%)」「採用担当者や先輩社員との面談・座談会がある(35%)」「職場環境を公開している(オフィスツアーや動画など)(32%)」も多く回答されており、企業が提供する情報の豊富さもカギとなっていることがわかる。
■Thinkings 組織再考ラボ(Re-Thinking Organization Lab)フェロー・佐藤邦彦氏のコメント
企業から学生へ、選考不合格を知らせることが「お祈り」と表現されるようになりましたが、売り手市場となった現在は、学生から企業へ辞退を告げ「お祈り」する時代です。そのような中で選ばれる企業になるためには、より“学生ファースト”な姿勢が重要になっています。
今回、選考モチベーションを下げる理由の上位に、「選考ステップが多い」「返信が遅い」などが挙げられました。しかし、「選考ステップを減らす」「連絡を早める」といった対策だけでは「しっかり自分を見てもらえているのか」などの不安を生む可能性もあります。学生の声をそのまま真に受けるのではなく、より本質的な改善につなげるヒントにする思考が重要です。
今回、選考モチベーションが下がる理由のトップは「企業の評判が悪い」でした。「採用における選考体験への評判」に限れば、どのような選考体験が”結果的に“良い口コミや評判を高めるのかを考える必要があります。例えば近年は、学生に合わせて一歩踏み込んだ親身な対応として、選考のフィードバックを実施する企業も増えています。多少厳しいフィードバックだとしても「選考を受けて良かった、得るものがあった」と感じられると、他の誰かに伝えたくなり、良い口コミが自然に広がるのです。
【調査概要】
調査対象:2025年3月卒業見込みの就活生(大学生および大学院生)
調査人数:200名(文系:理系=3:2、男性:女性=1:1)
調査期間:2024年9月13日~2024年10月2日
調査方法:インターネット調査
調査主体:Thinkings
構成/立原尚子