小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

フラットな組織形態「ホラクラシー」が従来の組織形態より優れている理由

2024.12.20

近年、多くの企業が組織改革に取り組む中、フラットな組織形態「ホラクラシー」が注目を集めています。従来のピラミッド型組織と比較して、ホラクラシーは意思決定の迅速化や従業員の自主性向上などのメリットがあると言われています。しかし、本当にホラクラシーは従来の組織形態より優れているのでしょうか?

ホラクラシーの特徴とメリット

ホラクラシーは、明確な役職や上下の階級を設けず、誰もが意思決定できるフラットな組織体制を指します。この組織形態には以下のようなメリットがあります。

• スピーディーな実行
ホラクラシー組織では、上位役職の承諾を得るプロセスが省略されるため、アイデアを迅速に実行に移すことができます。環境変化が激しい現代においては、この特徴が強みとなります。

• 個々の意見の反映
フラットな構造により、立場に関係なく意見交換が行いやすくなります。これにより、意見が活発に出しやすい環境にできます。

• 従業員の主体性向上
ホラクラシーでは、組織のメンバーが意思決定に関わるため、社員の主体性の向上が期待できます。これにより、従業員は責任感を持って意欲的に職務に取り組むことができます。

ホラクラシーのデメリットの考察

ホラクラシーには以下のような課題や懸念点が考えられます。

• リーダーシップの欠如による組織のコントロール困難
ホラクラシーではリーダーシップが明確ではないため、組織目標に沿った業務遂行や進捗管理が難しくなる可能性があります。また、労働時間管理や人事評価などの労務管理も困難になる可能性があります。更に、危機的状況では、迅速かつ効果的な指導が求められる場面で機能しづらいことがあります

• 従業員の高い自主性要求
ホラクラシーでは、従業員それぞれに高い自主性が求められます。自主性が不足してしまった場合、組織として成果を上げることが難しくなります。

ピラミッド型組織の特徴とメリット

一方、従来のピラミッド型組織には以下のようなメリットがあります。

• 明確な指揮命令系統
役職や階層が明確であるため、指示や命令が伝わりやすく、組織全体の方向性を統一しやすいです。

• 責任の所在の明確化
各階層や部門の責任者が明確であるため、問題が発生した際の対応や改善が行いやすいです。

• キャリアパスの可視化
役職や階層が明確であるため、従業員のキャリアパスが見えやすく、モチベーション向上につながりやすいです。

• 規模拡大に対応可能
組織が大きくなっても、中間リーダーが機能することで、階層構造により効率的な管理が可能です。

組織拡大時の課題とピラミッド型組織の優位性

ホラクラシーは小規模な組織では効果的に機能する可能性がありますが、組織が拡大するにつれて以下のような課題が顕在化します。

• コミュニケーションの複雑化
組織規模が大きくなると、全員が平等に意思決定に参加することが難しくなり、コミュニケーションが複雑化します。

• 責任の所在の不明確化
組織が大きくなると、誰がどの決定に責任を持つのかが不明確になりやすく、問題発生時の対応が遅れる可能性があります。

• 戦略的な意思決定の困難さ
組織全体の方向性を決定する際、多数の意見を調整することが難しくなり、迅速な戦略的意思決定が困難になります。

これらの課題に対して、ピラミッド型組織は以下のような優位性を持ちます。

• トップダウンによる戦略的意思決定の容易さ
ピラミッド型組織では、上位層が戦略的な決定を行い、それを下位に伝達する構造となっています。この特徴により、組織全体の方向性が統一でき、実行に移すことが可能です。市場環境の変化や競合他社の動向に、経営陣の視点から組織全体を俯瞰した戦略立案の実行が可能です。

ただし、ピラミッド型組織にも従来からデメリットが指摘されてきました。例えば、上下関係によるコミュニケーションの硬直化や、現場の声が上層部に届きにくいなどの問題があります。しかし、これらのデメリットは、適切なマネジメント手法や組織文化の醸成によって解決可能です。例えば、以下のような取り組みが効果的です。

• 役割と責任の所在の明確化
各職位や部門の役割と責任を明確に定義し、文書化することで、業務の効率化を図ることができます。
中間管理職を育成し、適切な権限を委譲することで、組織全体の意思決定のスピードを向上させることができます。

• 役割を明確にした上での自主性の尊重
従業員の役割と責任範囲を明確にした上で、その範囲内での自主的な判断と行動を奨励することで、モチベーションの向上と業務の効率化を両立させることができます。

• 風通しの良い事実情報の収集
スタッフは各現場で起きている事実を即座に上司に報告することを明確なルールとして機能させることで、上位組織は、現場の状況に即した判断を行うことが出来ます。

これらの工夫により、従業員が多くなっても、ピラミッド型組織の効率性を維持しつつ、組織の生産性と従業員の満足度を向上させることができます。

まとめ

ホラクラシーは、スピーディーな意思決定や従業員の主体性向上など、魅力的な特徴を持つ組織形態です。しかし、組織の拡大に伴い、コミュニケーションの複雑化や責任の所在の不明確化などの課題が生じそのメリットが発揮できなくなる可能性があります。一方、ピラミッド型組織は、明確な指揮命令系統や責任の所在の明確化など、組織規模が拡大しても管理に適した特徴を持っています。従来指摘されてきたデメリットも、適切なマネジメント手法によって解決可能です。したがって、組織の拡大を見据えた場合、ピラミッド型組織をベースとしつつ、そのデメリットを押えるアプローチが推奨です。具体的には、責任・役割の明確化、中間リーダーの育成などを通じて、従業員の主体性を引き出す工夫を行うことが重要です。組織形態の選択は、企業の規模や業種、文化によって異なります。自社の状況を適切に分析し、最適な組織形態を選択することが、持続的な成長と競争力の維持につながるでしょう。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年12月16日(月) 発売

DIME最新号は、「大谷翔平研究!」。今年を象徴するDIMEトレンド大賞の発表や、Aぇ!group、こっちのけんと他豪華インタビューも満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。