フランチャイズシステムで作業服や作業用品、およびアウトドア・スポーツウエアを販売する株式会社ワークマンは、ワークマン、WORKMAN Pro、WORKMAN Plus、WORKMAN PlusⅡ、そして#ワークマン女子店(※)の各店を合計1036店運営している(2024年11月30日現在)。
※ 作業服を扱わないショッピングモール建屋内のWORKMAN Plus12店を含む
#ワークマン女子を都市部SC建屋内の直営店舗から地方路面FC店へ移行
その中でも、24年9月から11月の秋季出店シーズンに#ワークマン女子の路面店を地方に11店展開したが、全店盛況で「11戦全勝(全店平均比)」の成果を得たという。
また今秋より男性向けカジュアルのテイストを従来のアウトドア中心の派手系デザインからベーシック主体の「大人カジュアル」を重点的に拡大しているが、男性向けカジュアル構成比がこれまでより5%以上向上するなど、全体の数字を大きく牽引。
この成功により、同社では#ワークマン女子店を従来の都市部のショッピングセンター建屋内の直営店舗から、同社が強い地方路面フランチャイズ(FC)店へ移行することを発表した。
ショッピングセンター建屋内店は現在41店舗あるが、路面FC店は今季の11店を加えると38店になる。これを7年後には路面FC店を中心に計400店を目指すという。
#ワークマン女子 田辺文里店の店内(和歌山県田辺市)
#ワークマン女子第1号店は2020年10月開店の横浜桜木町に出店したコレットマーレ店だ。その後、銀座/池袋/吉祥寺/名古屋/京都/なんば/天王寺/広島/福岡と札幌などの大都市の大型ショッピングセンター建屋内に直営で出店。大きな反響を呼んだ。
これらの出店は、#ワークマン女子路面店の地方での認知拡大のための広告塔としての出店だったという。その結果、「都会発のブランド」としてのイメージも浸透。
さらに、今季から女性と男性衣料をベーシックなデザインと色合いで統一して製品が強化されたこともあり、「地方路面店で勝負に出ました」(同社リリースより)。
出店先の市や町は行政人口3万から38万人まで故意に幅を持たせたというが、「人口の差による業績の違いはあまりなく、人口過少地域にも強いが当社の特徴です」と説明している。
24年秋シーズンの#ワークマン女子11店の路面出店の特徴
#ワークマン女子 田辺文里店の店内(和歌山県田辺市)
(1)路面出店とショッピングセンター建屋内店との差が縮小した
・地方の路面店でも都会のショッピングセンター建屋内店舗の業績を上回る店舗が続出した。
・本来、当社は地方と路面店に強いのが特徴だが、#ワークマン女子店でも同じ傾向が出てきた。
(2)路面店の中でも単独出店と商業施設敷地内出店との差が縮小
・#ワークマン女子店は強力な独自集客力があり、商業施設の集客や買い回りに依存しなくても繁盛店になった。
・商業施設敷地内出店は共有の広い駐車場が使え、開店(100台必要)やセールにも対応できて有利。単独路面店でも40台以上の駐車場があれば商業施設敷地内出店と変わらない。
(3)人口が少ない地域での健闘ぶりが顕著
・一覧表は人口順だが売上は人口に比例していない、むしろ人口過少店舗の健闘が目立った。
・行政人口が4〜6万の市でも同社既存店と#ワークマン女子店の2店が共存できることが判明。#ワークマン女子店は専売製品比率を25年秋には6割強にするため既存店と更に共存しやすくなる.
#ワークマン女子店は地方、路面店、FC運営という同社本来の強みを活かす4点セットの店舗に集中。地方の路面店が軌道に乗ったため、25年春は契約済の21店と、秋の19店(5店は交渉中)で合計40店の路面出店攻勢を開始するという。
その後も毎年40店の路面出店を継続するため、約7年で#ワークマン女子店は400店を超える。なお、#ワークマン女子路面店の売上は同社既存店平均1.75億円を上回る2.1億円をめざすとしている。
関連情報
https://www.workman.co.jp
構成/清水眞希