
『モットー』は、個人や組織の行動・決断を導く重要な役割を果たします。モットーの起源や意義を深掘りし、その本質や効果的な活用方法、個人・組織視点での重要性を確認しましょう。
目次
モットーという言葉自体はよく見聞きするものの、正しい意味や使い方を理解していない人もいるかもしれません。正しい意味や類語を理解し、言葉を正しく使いましょう。
モットーとは?
まずは、モットーの意味や語源、類似する言葉について理解を深めましょう。
■目標や指針を表現した言葉
モットーとは、行動の目標・指針となる言葉です。その人の価値観・考えが反映されており、『信条』『スローガン』『座右の銘』『人生訓』と同じ意味を持ちます。モットーを使った例文は、以下の通りです。
【例文】
- 私のモットーは、『食わず嫌いはせずに一度は試してみる』です
- サービスの紹介の前に、我が社のモットーを紹介いたします
- 『難しいことを易しく』をモットーに制作を行っています
企業においてのモットーは『企業理念』とほぼ同義で、企業が経済活動を行う上で大切にしている考え・方針を表します。
■ラテン語が語源
モットーの語源は、ラテン語の『muttum』です。元々は『発声する』『つぶやく』という意味を持ちますが、時代とともに『短い言葉』『スローガン』を表す表現へと変化しました。
イタリア語や英語の『motto』を経て徐々に定着し、現在では人生・仕事の指針として広く使用され、個人・組織のアイデンティティーを示す重要な役割を果たしています。日々の行動・決断を支える、羅針盤のようなものと考えるとよいでしょう。
モットーが活用される場面
モットーは、自分自身の内面を端的に表現する言葉として、さまざまな状況で活用されます。ここでは、個人・組織のモットーを問われる三つの場面について紹介します。
■就職活動・転職活動
就職活動・転職活動では、「あなたのモットーは何ですか?」と質問されることがあります。面接官はモットーを通じ、応募者の価値観や行動指針を探ったり、自社との相性を確認したりしているのです。
相手に好印象を与えるには、企業の理念や求める人材像を事前に調査し、それに合致するモットーを選ぶ必要があります。
モットーにちなんだオリジナルのエピソードを伝え、入社後どのように生かせるか述べることで、企業への貢献意欲をアピールできるでしょう。
■自己紹介
就職活動・転職活動では、自己紹介を求められるケースが少なくありません。ビジネスシーンでも、プレゼンテーションの前に軽い自己紹介をする場合があります。
モットーを伝えることで、自分がどのような人間かを、相手にイメージしてもらいやすくなるでしょう。ことわざや有名人の言葉を引用したり、具体的なエピソードを交えて説明したりすれば、より印象に残る自己紹介になります。
個人のモットーには、『継続は力なり』『失敗は成功のもと』などのことわざや、『七転八起』『有言実行』といった四字熟語がよく用いられます。
■組織の方針を伝える場面
モットーは、団体や組織の理念・方針を効果的に伝えられる概念です。簡潔で印象的な言葉で表現されたモットーは、外部へのメッセージ発信に有効です。
また、組織の価値観・目標を明確に示すことで、組織の一体感が高まるほか、社員のモチベーション向上にもつながります。
困難な状況に直面した際、モットーは進むべき方向を示し、挑戦し続ける勇気を与えてくれるでしょう。組織のモットーは、単なる言葉以上の力を持つ重要な指針となります。
モットーの選び方のポイント
モットーには、自分の価値観が反映されていなければなりません。相手に与えるイメージも考慮しながら、ポジティブな意味を持つ言葉を選びましょう。具体例を交えながら、モットーを選ぶときのポイントを解説します。
■自分の価値観に沿ったものにする
モットー選びで重要なのは、他人からのウウケりも、自分の価値観に沿ったものを選ぶことです。自分の人生観を深く掘り下げ、それを簡潔に表現しましょう。
本当に大切にしている信念を反映させることで、モットーは単なる言葉以上の力を持ちます。困難な状況でも前向きな姿勢を保つ助けとなり、自己成長の指針として機能するでしょう。
例えば、チャレンジ精神を重視する人なら、『常に挑戦』というモットーが適しています。四字熟語やことわざは使いやすいですが、他人とかぶりやすい点に注意しましょう。
■ポジティブな意味を持つ言葉を選ぶ
ポジティブなモットーは自己肯定感を高め、目標達成への意欲を促進します。周囲の人々に好印象を与えるため、信頼関係の構築にも役立つでしょう。
例えば、『挑戦を楽しむ』というモットーは、チャレンジ精神が旺盛で困難な状況でもめげないイメージを与えます。
一方で、自分の価値観に沿ったものであっても、マイナスの意味合いを感じさせるモットーは避けるのが望ましいでしょう。
『唯我独尊(ゆいがどくそん)』は、『この世で自分よりも尊いものはない』という意味ですが、自分勝手なうぬぼれ屋の印象を受ける人は少なくありません。
ビジネスシーンや就職・転職活動では、『勝つためには手段を選ばない』など強烈な印象を与えるモットーも控えた方がよいでしょう。
モットーには自分の価値観が反映される
モットーは、個人・組織の信念や行動指針を表す言葉であり、ビジネスや日常生活などさまざまな場面で活用されます。自分のオリジナルのモットーを持っている人もいれば、四字熟語や偉人の言葉、ことわざを引用する人もいます。
モットーを選ぶ際は、自分の価値観・目標を反映させるとともに、簡潔でポジティブな表現を心がけることが大切です。適切なモットーは自己成長を促し、他者とのコミュニケーションを円滑にする効果があります。
構成/編集部