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国内451社に聞いた中途入社社員の定着率を高める施策TOP3

2024.12.05

エン・ジャパンは同社が運営する採用支援サービス『engage』にて、「中途入社者の定着(※)」に関するアンケートを実施。451社から得た回答をグラフにまとめて発表した。本稿では、同社リリースを元に、その概要をお伝えする。
※定着率の計算式 定着率=【直近3年間に入社して現在も自社で働いている人数】÷【直近3年間の中途入社者数】×100

直近3年間の中途入社者の定着率、2割の企業が「100%」と回答

【図1】直近3年間で、中途入社者(正社員)がいる企業に伺います。直近3年間で入社した中途入社者の定着率を教えてください。
直近3年間で、中途入社者(正社員)を採用した企業391社に、定着率を聞くと、「100%」「80~99%」「60~79%」と回答した企業はそれぞれ24%になりました。計74%の企業が「60%以上」の定着率を実現していることがわかった。

【図2】直近3年間で、中途入社者(正社員)がいる企業に伺います。直近3年間で入社した中途入社者の定着率を教えてください。(業種別)
業種別で見ると、「100%」の割合が高いトップ3は「商社」(48%)、「メーカー(機械・電気・電子)」(32%)、「IT・通信・インターネット」(30%)だった。

一方で、「100%」の割合が低い業種には、「コンサルティング」(11%)、「運輸・物流・倉庫」(16%)、「メーカー(素材・食品・医薬品他)」(21%)が並んだ。

【図3】直近3年間で、中途入社者(正社員)がいる企業に伺います。直近3年間で入社した中途入社者の定着率を教えてください。(企業規模別)
企業規模別で見ると、「100%」の割合が最も高いのは「49名以下」(32%)で、最も低いのは「1000名以上」(7%)だった。

続けて、定着率に関してどのように捉えているのかを尋ねた。自社の定着率を「高い」と捉えている企業は32%(とても高い:10%、高い:22%)で、「適正値である」は36%、「低い」は32%(低い:24%、とても低い:8%)だった。

【図4】貴社の定着率について、どのように捉えていますか?
【図5】貴社の定着率について、どのように捉えていますか?(業種別)
【図6】貴社の定着率について、どのように捉えていますか?(企業規模別)

中途入社者が退職までに至る時期、最多は「1か月以上3か月未満」

【図7】中途入社者が退職に繋がりやすいのは、入社後どれくらいの期間ですか?
「中途入社者が退職に繋がりやすいのは、入社後どのくらいの期間ですか?」と聞くと、「1ヵ月未満」が8%、「3ヵ月未満」が26%、「6ヵ月未満」が13%、「1年未満」が22%、「2年未満」が17%、「3年未満」が8%、「3年目以降」が5%だった。

「1ヵ月以上3ヵ月未満」が、最も退職に繋がりやすい時期だと考えている企業が多いことがわかる。

【図8】中途入社者が退職に繋がりやすいのは、入社後どれくらいの期間ですか?(業種別)

業種別で見ると、「1ヵ月未満」「3ヵ月未満」の割合が最も高かったのは「運輸・物流・倉庫」で、48%(1ヵ月未満:22%、3ヵ月未満:26%)と半数近くの企業が回答した。

【図9】中途入社者が退職に繋がりやすいのは、入社後どれくらいの期間ですか?(企業規模別)
企業規模別では、「1ヵ月未満」「3ヵ月未満」の回答が40%を超えたのは「300~999名」(47%)と「1000名以上」(42%)だった。中小企業と比較すると、大企業が、より「3ヵ月未満」の割合が高くなっている。

■定着率を高めるために実施していること、1位は「入社前の社内見学や社員面談」

【図10】 今後、社員の定着率向上についてどのような対応をお考えですか?
「今後、社員の定着率向上についてどのような対応をお考えですか?」と質問すると、59%の企業が「注力する(積極的に取り組む)」と回答した。

【図11】今後、社員の定着率向上に「注力する」「注力はしないが何らかの対応はする」と回答した企業に伺います。取り組む理由を教えてください。(複数回答可)
「注力する」「注力はしないが何らかの対応はする」と回答した企業に理由も聞くと、上位は「育てた人材に退職してほしくないため」(80%)、「新しい人材採用が困難なため」(64%)、「職場の士気を下げないため」(47%)だった。

【図12】中途入社者の定着率を高めるために、貴社で行なっている取り組みがあれば教えてください。(複数回答可)
中途入社者の定着率を高めるために、現在行なっている取り組みを聞いた。上位は「入社前の社内見学や社員面談などギャップ対策」(47%)、「直属の上司によるフォローアップ面談の実施」(43%)、「研修やスキルアップ機会の提供」(40%)となっている。

調査概要
調査方法/インターネットによるアンケート
調査対象v『engage』(https://en-gage.net/company/logout/)を利用している企業
有効回答数/451社
調査期間/2024年10月22日~11月13日

調査結果 解説

『エンゲージ』事業責任者 岩﨑 拓央 氏

今回の調査結果から、4割以上の企業で、中途入社者の定着率「80%以上」を実現していることがわかりました。業種別で見ると、「商社」の定着率が高い一方で、「コンサルティング」などでは定着率が低い傾向が見られ、業種や企業規模による課題感の違いも明らかになっています。

商社は、給与水準の高さや住居手当・海外勤務支援といった福利厚生の充実が特徴です。これにより、安定した生活基盤を得られる点が従業員の定着を後押ししています。また、中途入社者にも明確なキャリアパスが提供され、キャリアアップや部署異動を通じて成長機会を得られる環境が整っていることが、長期的な就業意欲を高める要因となっています。

一方でコンサルティング業界で中途入社者の定着率が低い背景には、労働時間や成果主義の厳しさといった働き方の課題が挙げられます。また、スキルを活かしたキャリアチェンジがしやすい業界でもあるため、転職を前提に経験を積む中途採用者が多いことも、離職率の高さにつながっています。

中途入社者が早期離職に陥りやすい要因を分析すると、「GRC(Gap, Relation, Capacity)」の3つのポイントが挙げられます。それぞれのポイントに対する具体的な対策をご紹介します。

■1:ギャップ(Gap)期待と現実の乖離を防ぐ

入社前の情報提供が不十分な場合、入社後の「こんなはずではなかった」というギャップを生み、離職の大きな原因となります。これを防ぐには、以下のような取り組みが効果的です。

・入社前の正直な情報提供
求人情報や面接にて、職場の良い面だけでなくマイナス面も正直に伝え、求職者に企業の「現実」を正しく認識してもらう。
・入社後の目標設定
目標設定の面談を入社初日の研修プログラムに設定し、期待される役割を明確に伝える。(入社者が不安になるのは、自分に何が期待されているのかがわからないこと。面談でそこを明確にできれば、最初に簡単な作業的仕事を任されたとしても、ステップの一つだと理解することができる)

■2:リレーション(Relation)上司との関係構築

中途入社者にとって最も重要な人間関係は直属の上司との関係です。以下の工夫で信頼関係を築きやすくなります。
・相談の機会を定期的に設ける
毎日短時間の「質問タイム」や定期的なフォローアップ面談を実施し、中途入社者が気軽に悩みや疑問を相談できる場を提供する。入社数ヵ月は「深い信頼関係を結ぶ」ことよりも、単純に「相談しやすいか、話しかけやすいか」を意識したコミュニケーションが重要。
・採用時に得た情報の共有
人事から直属の上司に対し、入社の背景や持っているスキルを細かに共有することで、上司側の理解を深めることができる。(上司側も「なぜこの人を採用したのか分からない」「何ができるかが分からない」という状態だと、どのように育成していいのか分からず、適切なサポートが実施できない)

■3:キャパシティ(Capacity)業務量の適切な配分

業務量が適切でない場合、ストレスや不安が離職に繋がる可能性があります。意外にも、少なすぎても「単純な作業しか任されないので、期待されていない」「周りが忙しそうにしているのに、自分だけ手が空いていて気まずい」といった心理に陥ってしまうのです。これらを防ぐためには、以下の対策が効果的です。
・業務量の調整
入社初期は、業務量を段階的に調整し、無理のない範囲でのスキル習得をサポートする。
・個別フォローの強化
定期的な対話を通じて、「業務量が多すぎないか」「業務に物足りなさを感じていないか」を確認し、適切に調整する。

関連情報
http://corp.en-japan.com/

構成/清水眞希

 

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