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世界最悪レベル!日本のジェンダー格差は「昭和な呪い」のせいだった!?

2024.12.01

令和という新しい時代に突入したにもかかわらず、昭和時代に培われた価値観や固定観念が、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)として私たちの日常に影響を与え続けている。たとえば、「女性は結婚や出産を優先するべき」という暗黙の期待が、女性たちのキャリアの選択肢を狭めている現実。また、年齢や勤続年数を重視する「年功序列」の考え方が、若い世代の意見をかき消し、組織の停滞を招いている事例。そして、結婚や子どもを持たない選択をした人たちが社会的な偏見にさらされることが、自己肯定感を傷つける一因となっている。これらの現象は、時代遅れの価値観が現代社会に与える負の影響を浮き彫りにしているのだ。

このような問題を解きほぐすために書かれたのが、『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』という一冊なのである。著者の松尾知枝氏は、これまでに3万人以上の婚活相談に携わり、数々の人生の選択を支援してきた実績を持つ。彼女は、現代の「生きづらさ」の原因が、多くの場合、無意識に受け継がれてきた古い価値観、固定観念にあると指摘する。

“昭和な呪い”という名のアンコンシャスバイアス!?3万人の結婚迷い人を導いた婚活コンサルタントが指南する解呪術

3万人の婚活迷い人をサポートしてきた婚活コンサルタント松尾知枝氏の新刊、令和なマインドエクササイズ本『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』が発売された...

あなたも気づかない「昭和の呪い」とは!?令和の価値観と逆行する〝アンコンシャス・バイアス〟の実態

昨今、よく見聞きするワード「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」とは、私たちが無意識に持っている価値観や偏見が、行動や判断に影響を与える現象である。特に「昭...

『あなたの生きづらさ “昭和な呪い” のせいでした
古い価値観から心を解放するマインドエクササイズ』
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“呪い”を解く第一歩は、その存在を認識すること

「私がこれまでサポートしてきた方々の中には、実際には“結婚したい”のではなく、“結婚しなくてはならない”という思い込みに縛られていた人が少なくありません。このような内なる声は、まさに“昭和の呪い”という名のアンコンシャスバイアスにより生み出されるものなのです」と松尾氏は語ります。

彼女によれば、この“呪い”を解く第一歩は、その存在を認識すること。

職場や日常生活で何気なく交わされ、無意識のうちに影響を受けてしまっている“昭和な呪い”的なフレーズの数々。松尾氏は、特に現代社会で議論の的となっているテーマに関連するものを厳選し、それらを以下の7つの「呪い」として分類した。

・集団の調和を最優先し、個人の意見や創造性を抑圧する風潮を生み出す「空気を読めの呪い」
・性別に基づいた役割分担や行動規範をこり固めてしまう「ジェンダーの呪い」
・過度な働き方や自己犠牲を美徳とする「24時間戦えますか?の呪い」
・年齢による能力や役割のステレオタイプ化してしまう「年齢の呪い」
・母親の家事労働過多を生み出す育児や家事は女性という固定観念「ママなんだからの呪い」
・他者と比較し、優劣を競う風潮をあおる「マウンティングの呪い」
・親子間での過干渉やモラハラを生み出しやすくしてしまう「アットホームの呪い」

今回は、「ジェンダーの呪い」に着目していく。


松尾氏の著書内のイメージマンガをボイスコミック化した動画も『@DIME』公式YouTubeにて公開中。

世界最底辺のジェンダー後進国、日本。その原因は、昭和な「ジェンダーの呪い」昭和な呪い!?

男女間の平等性を測るための指標として、世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表しているジェンダーギャップ指数。2024年、日本は156か国中118位とランキングのかなり低位にとどまり、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果であった。そのような現状を踏まえながら、松井氏はこう語る。

「未だに『女は家庭を守る存在』や、『男は大黒柱であるべき』といった古風な昭和な固定観念や偏見が、ジェンダー

バイアスとして残っている日本。こういったジェンダーバイアスは、ややもすると、仕事や教育、生活の場面で不平等を生み出し、個人の能ジェンダーバイアス社会の多様性を損ないかねないのではないでしょうか……?

こちらのフレーズを読んでみてください。

『部長は大きな取引を成立させた』
『保育士は子どもたちの世話をした』
『パイロットは長距離フライトを無事に完了させた』

 読んでみて、どちらの性別を思い浮かべましたか?

「部長」「パイロット」は男性を、「保育士」は女性を思い浮かべたのではないでしょうか。これが私たちが普段気づかずに持っている、ジェンダーバイアスの一例です。

 政治、経済、教育、健康の4つの分野で男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数でも日本は特に政治、経済の分野では女性の参加が少ないと指摘されています。

 自分で好きに選んだ行動が結果として「男らしさ」「女らしさ」というジェンダーに結びつくのなら問題ないとして、やりたいことがあっても性別を理由に『男(女)らしくないんじゃない?』『女(男)のくせに』と言われてチャレンジすることを諦めるのは、まさにジェンダーの呪いではないでしょうか。」

 そして、松尾氏は、いまだに根強く残る“昭和的なジェンダー観”を象徴する言葉として、以下のようなフレーズを挙げている。

「女のくせに大学なんか行くのか」

「イマドキこんな古い価値観を押しつける人なんている? って、びっくり発言ですが、これは実際に婚活中のお客様が言われたフレーズです。

 この呪いのフレーズに見え隠れするのは『女なんだから、そこそこでいいんじゃない? そんな頑張らなくても』という意識。『腰掛け仕事だろ』には、女性にとって仕事は結婚までの一時しのぎだから、どうせ本気でキャリア積む気ないでしょという侮あなどりが感じ取れます。

 内閣府男女共同参画局が発表した性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査資料によると『女性は結婚して出産し、大学に行かなくても良いと親や親戚から言われた』というケースが紹介されています。女性には高い学歴やキャリアは必要ないという呪いを持つ人が今の時代にも一定数いるようです。

参考:内閣府男女共同参画局(2021年)「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」

○類似する呪いのフレーズ
「家族の健康を支えるのは妻の務め」
「女性は痛みに強い」「女性は地図が読めない」
「頭が良すぎると男性が寄り付かないよ」「腰掛け仕事だろ」
「女だてらに」「バリキャリ」「男は度胸、女は愛嬌」
「仕事できる女は男に敬遠されがちよね」
「女で理系行くとモテないよ」

「女性はすぐ感情的になる」

「『女性は男性よりも感情的だ』というのは、ジェンダーの呪いの中で根深いものの一つ。 内閣府男女共同参画局が実施したアンコンシャス・バイアスに関する調査によると、男女それぞれの無意識の偏見について上位十項目を集計したところ、男性四位、女性三位に共通して『女性は感情的になりやすい』という結果が出ました。男性・女性ともにおよそ三割強がこの偏見を持っていることが分かります。

 アメリカの最新の心理学の研究結果によれば、『感情的』というレッテルを貼られた時、女性のみ、主張した意見への信用度まで下がってしまうという衝撃の研究結果が発表されました。

 男性と女性に、自己主張が強い文章を読んでもらう実験が行われました。男女とも同じ内容の文章を読んでいるのにも関わらず、女性のほうが感情的だとレッテルを貼られました。女性は『その意見は正当性がないね』と評価されたのに対して、男性の場合は、『感情的』と言われることはあっても信用度まで下がることはなかったそうです。婚活中の女性の相談を受けていると『自分の意見を言ったらわがままだと思われそうで、つい我慢しちゃうんです』とおっしゃる方が多いです。感情的だと思われたくなくて、予防線を張ってしまうのでしょう」

参考:内閣府男女共同参画局(2021年)「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査結果」
参考:Society for the Psychology of Women(2022年)「Words Like Weapons」

○類似する呪いのフレーズ
「家族の健康を支えるのは妻の務め」
「女性は痛みに強い」「女性は地図が読めない」

また、これらの昭和な呪いのフレーズに気づくことで、人間関係のストレスを回避できると松尾氏は語る。

「気づくことができれば、“昭和な呪い”を乗り越え、自分の可能性をもっと広げることができます。

 反応ではなく選択する。「呪いに気づく」とサラッと書いてしまいましたが、実はここはとても重要なポイントです。呪いは、人からの要求や期待、固定観念を含んであなたのもとに飛んできます。その時、どう対応するかで今後の道が大きく分かれます。

 今までだったら、呪いの言葉を条件反射的に受け止めて反応してしまい、後でモヤモヤしていたかもしれません。これからは呪いの言葉を言われた時、すぐに反応する必要はありません。「おや?」と気づいて、立ち止まるのです。動画を途中で止めたい時の一時停止ボタンを押すような感じで。時間にしてひと呼吸分ぐらいでしょうか。

 言われたことにすぐ反応しない「間」を持つだけで呪いをどう扱うか、自分で主体的に選択できるようになります。間を置くだけで呪いをかけてこようとする相手のペースに乗らないでいられます。「反応」ではなく「選択」する。これを意識するだけで呪いに、意志を持って立ち向かえるようになります」

その他にも、典型的な“昭和な呪い”が松尾氏の著書に紹介されている。

次回は、「24時間戦えますか?の呪い」についてお聞きする。

松尾氏の著書『あなたの生きづらさ“昭和な呪い”のせいでした』では、令和の未だにはびこる“昭和な呪い”がまだまだ多数紹介されている。“呪い”に気づき、新しい時代へマインドセットに向け解呪するためにも、気になった方は是非、ご一読いただけたら。

●著者プロフィール

松尾 知枝(まつおちえ)
婚活コンサルタント、株式会社インプレシャス 代表取締
10歳から8年間、児童養護施設で暮らす。 つらい幼少期を経て、 自身で考案したメンタルエクササイズにより呪いを解き、 目標達成する面白さに目覚める。 新卒で日本航空に入社。CAとして国内線、国際線に乗務。 2011年より自身の経験と心理学をベースにした婚活支援を行う。 自己肯定感を高め、心から望むライフデザインを描きたい女性から 大きな支持を受ける。情報番組出演や東京都の婚活支援事業、 ゼクシィ縁結びのコラムに監修として携わるなど、活躍の場を広げている。 著書に『3ヶ月でベストパートナーと結婚する方法』(かんき出版)、 『3年以内に成功する男、消える男』(フォレスト出版)、 『1日5分で夢が叶う 日記の魔法』(中経出版)

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構成/DIME編集部

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