積水ハウスは2023年9月より博報堂と協力して、ビッグデータで蓄積した生活ログをAIで解析。住まい手の生活行動を分析することで、無意識の「行動の源泉」(潜在意識)を可視化することを目指している。
そこで今回は、ALSOKをサービス提供者として迎え、世界初(※1)となる在宅時の行動や家の状態から防犯に関する行動習慣を可視化して価格に反映する、「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウス タッチ)」の駆けつけ防犯サービス「駆けつけホームセキュリティ」を開発。2024年12月13日より受付を開始すると発表した。
※1 国内外の住宅・マンション開発、警備会社の主要企業121社を対象に調査(2024年11月20日時点 ステラアソシエ株式会社調べ)。
「駆けつけホームセキュリティ」誕生の背景
積水ハウスは2021年12月から提供しているスマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」の発売以降、4100邸を超えるユーザーにサービスを提供。当該サービスを通じてさまざまなデータを蓄積してきた。
2023年9月から博報堂と協力して、「生活モーメント」(生活ログから見える住まい手の特徴的な生活意識が現れる瞬間)をAIで解析している。
この解析により、「生活習慣」や「行動の源泉(潜在意識)」について可視化を進め(詳細は下記参照)、住まい手が認識している自身の防犯意識と実際の行動習慣に差分があることが判明。また家族の在・不在についても高精度で予測できるようになったという。
今回はサービス提供者としてALSOKを迎え、データ活用により可視化された、住まい手の行動習慣に準じて価格が変動するサービスが開始される。
PLATFORM HOUSE(プラットフォームハウス)アプリ画面
同社によれば、このサービスを利用することで防犯行動が可視化され、アプリに表示されることで住まい手の防犯意識を高め、行動改善を促すこともできるという。
駆けつけ防犯サービス「駆けつけホームセキュリティ」とは
プラットフォームハウス タッチの設備(窓鍵センサー・玄関ドア錠・火災警報器)が異常を検知し、 ALSOK に自動通報することで、ガードマンが駆けつける。
専用設備が不要なため初期費用なしでサービスを開始することができ、ガードマンによる警備状態を住まいから離れた場所でもアプリで確認が可能で、より安心に生活できる。
また住まい手の窓や玄関ドア、照明の操作といった、防犯に関する日々の行動習慣をプラットフォームハウス タッチの生活ログをもとに分析・可視化し、アドバイスをアプリに提示する。
同社では「『駆けつけホームセキュリティ』は、防犯に関する行動習慣を反映した価格を設定することで、住まい手の防犯に関する行動習慣の改善を図る、世界初の駆けつけ防犯サービスです」と説明している。
■「駆けつけホームセキュリティ」の概要
■防犯行動習慣の可視化
<積水ハウス プラットフォームハウス タッチ「 駆けつけホームセキュリティ」>
https://www.sekisuihouse.co.jp/pfh/kaketsuke/
■「家の状態」や「人の行動習慣」のAI解析による可視化
2024年春にプラットフォームハウス タッチ利用者の了解を得て、アンケート調査と日記調査を実施し「正解データ」の構築が開始された。現状、多くのデータが分析のスコープに入っており、今後さらに分析範囲を広めサービスに繋げていくという。
■生活者インターフェースから把握できるデータを活用した新サービス開発支援
博報堂は昨年より積水ハウスとの共同プロジェクトをスタートさせ、生活者の主観に基づくデータと客観的に把握できる生活ログ、双方を組み合わせてAI解析を行ない、生活者自身が考える意識と実態の差分をデータで可視化した。
一例として「玄関錠の施錠時間」や「家族と過ごす時間」などの実際の行動と、生活者の自覚している意識に差分が発生することがわかった。
この件に関して同社では、次のようにコメントしている。
「前述の『自覚している意識』と『行動の実』」との差分を『つもりギャップ』と命名しました。この「つもりギャップ」に着目し、商品・サービス開発支援等のマーケティング活動に活かしていきます。博報堂は、『つもりギャップ』にフォーカスすることで、さまざまなデータを把握し、生活者インターフェース市場において生活者を多面的に理解していき、行動変容を促してまいります」
関連情報
http://www.hakuhodo.co.jp
構成/清水眞希