積み上げ棒グラフは、複数の項目が積み重なった形で表示されるため、売上分析やコストの内訳確認などで非常に役立つ。この記事では、積み上げ棒グラフの特徴、作成方法、活用方法、注意点について解説する。
目次
Excelの積み上げ棒グラフをご存じだろうか?ぱっと見やすいグラフの作り方を解説する。
積み上げ棒グラフとは
積み上げ棒グラフは、複数のデータを積み重ねて表示するグラフであり、全体の構成や割合を一目で把握できる。各データは色分けされ、棒が積み重なることで、各項目の比率や変動を視覚的に理解できる。
例えば、売上データを商品別に積み上げることで、月ごとの売上の構成が直感的にわかる。また時間の経過に伴う変化や、異なる項目の比較を行うのにも便利である。
■普通の棒グラフとの違い
普通の棒グラフは各データを独立した棒で表示するのに対し、積み上げ棒グラフは複数のデータを積み重ねて表示する。そのため積み上げ棒グラフでは、全体の構成や割合を一目で確認することができる。
例えば、売上のデータを普通の棒グラフで表示すると、月ごとの売上額は分かるが、商品別の売上構成までは把握できない。積み上げ棒グラフを使うことで、月ごとの売上だけでなく、どの商品がどれだけ売れたかも確認できるので便利だ。
■「100%積み上げ棒グラフ」との違い
積み上げ棒グラフでは、棒の長さが全体の絶対的な値を表し、各項目はその中での割合として積み重ねられる。一方、100%積み上げ棒グラフでは、棒の長さが常に100%となるように調整され、各項目の割合だけが示される。このため、合計値が異なるデータを比較する際には100%積み上げ棒グラフは特に有効である。
積み上げ棒グラフの作り方
積み上げ棒グラフは以下の手順で作成できる。
■グラフにしたい箇所データ範囲を選択する
積み上げ棒グラフにしたいデータ範囲を選択する。
データ行だけではなく、見出し行も含めて選択するようにしよう。
■「すべてのグラフ」から「積み上げ縦棒」を選択する
次に「挿入」タブから「棒グラフ」を選択し、その中の「積み上げ縦棒」を選ぶ。そうすると選択したデータに基づいて積み上げ棒グラフが作成される。
■タイトルやデザイン、軸ラベルの体裁を整える
グラフが作成されたら、次にグラフタイトルや軸ラベル、デザインを調整して視覚的に見やすいグラフに仕上げる。方法は以下の通り。
- グラフタイトルを変更する
グラフ上のタイトルをクリックし、新しいタイトルを入力する(例:「売上と費用の比較」)。 - 軸ラベルを設定する
グラフをクリックし、「デザイン」または「書式」タブから「軸ラベル」を選択する。横軸には「年」、縦軸には「売上金額」など、わかりやすいラベルを入力する。 - デザインの変更
グラフ内のバーをクリックして色を変更する。凡例(レジェンド)の位置も調整できる。 - フォントやサイズを調整する
タイトルやラベル、凡例のフォントサイズを調整して見やすくする。
積み上げ棒グラフの具体的な活用方法と注意点
積み上げ棒グラフは、複数の項目の割合を視覚的に比較するのに有効な手法である。その具体的な活用方法と注意点について解説する。
■売上データの分析
積み上げ棒グラフは、売上データの分析に特に役立つ。例えば、各月の売上の内訳(製品A、製品B、サービスなど)を積み上げ棒グラフで表示することで、全体の売上金額とその内訳が一目で把握できる。これにより、どの製品やサービスが売上に貢献しているかを視覚的に確認することができる。
■コストの内訳確認
企業がコスト構造を理解する際にも積み上げ棒グラフは有効である。各部門や各項目(人件費、材料費、広告費など)のコストを積み上げ棒グラフで表示することで、コストの内訳を簡単に把握できる。
■データが多いと視認性が低下する
ただし、積み上げ棒グラフには注意点もある。データ項目が多すぎると、棒が細かく分かれすぎて視認性が低下するため、グラフを解釈しづらくなる。過度な情報を詰め込まないように注意が必要である。
■直接比較が難しい
積み上げ棒グラフは、個々の項目の合計を比較するには適しているが、各項目間の直接的な比較には向いていない。例えば、ある月の製品Aと製品Bの売上を直接比較する場合、積み上げ棒グラフでは少々難しい。そのため、比較対象を絞って使用することが必要だ。
まとめ
今回は、Excel(エクセル)の積み上げ棒グラフについて解説した。最後に要点を振り返る。
積み上げ棒グラフの特徴
- 複数のデータを積み重ねて全体の構成や割合を視覚化するグラフ。
- 各項目は色分けされ、比率や変動を把握しやすい。
- 他の棒グラフとの違い
- 普通の棒グラフは独立したデータを表示するのに対し、積み上げ棒グラフは全体の中での構成比を示す。
- 100%積み上げ棒グラフは、全体を常に100%として割合を表示。
積み上げ棒グラフの作り方
- データ範囲を選択する。
- 「挿入」タブから「積み上げ縦棒」を選択する。
- グラフタイトルや軸ラベルを設定し、デザインを調整する。
活用方法と注意点
- 売上データの分析
- コスト内訳の確認
- 注意点:データが多すぎると視認性が低下する。
- 注意点:項目間の直接比較には不向き。
構成/編集部