あいみつは、最適な商品・サービスを選びやすくなるなどのメリットがある行為です。しかし、実際におこなうのは相手に対して失礼ではないかなどと迷うこともあるでしょう。 この記事では、あいみつの意味や例文、メリットなどを解説します。さらに、相手に失礼とならないために知っておくべきマナーや確認すべきこと、依頼時や断る際の例文、断る際の注意点などのポイントもあわせて詳しく確認しましょう。
目次
「あいみつ」とは?簡単に基礎知識を解説
ビジネスシーンでは、「今回の件、あいみつを取っておいて」などと指示されることがあります。この時、「あいみつ」という言葉の意味を知らなければ、どのような行為を指示されたのかがわからなくて困ってしまうでしょう。
はじめに、意味や相手に対して失礼な行為ではないかどうか、使い方・例文を確認しておきましょう。
■あいみつとは「相見積もり」のこと
あいみつとは、「複数の業者や企業から同条件で、商品やサービスなどの見積もりを取ること」です。つまり、相見積もりを指します。
仕事を発注したくても、いつも依頼したい業者が決まっているわけではないため、複数の業者から見積もりを取り、依頼する相手を検討することがあります。これが、あいみつと呼ばれる行為です。「合見積もり」と、表記する場合もあります。
■あいみつ・相見積もりは失礼ではない
はじめて相見積もりを依頼する時などは、「相手に失礼ではないだろうか」などと不安になるかもしれません。しかし、相手への配慮を忘れなければ問題ない行為です。
相見積もりは、実行することでさまざまなメリットがあります。失礼のないようなマナーを心がけたうえで、活用するといいでしょう。
なお、依頼やお断りのマナーの詳細は後述します。
■あいみつ・相見積もりの使い方や例文
それでは、実際に例文を見て使い方を確認しておきましょう。
・リストアップした業者からあいみつを取っておくように。
・今回の件ははじめての試みのため、どの業者に仕事を発注するとよいかがわかりません。事前にあいみつを取り、その内容を連絡してください。
・来週のミーティングまでに、最低でも3社以上のあいみつをメールで送っておいて。
企業では、業者に仕事を発注する際や経費で物を購入する際に相見積もりを取ります。また、日常生活でも引越しや住宅を建てる時などにおこなう行為です。
略語を含め、言葉を広く理解していれば、相手とのコミュニケーションが取りやすくなります。この機会に、あいみつという言葉を理解しておきましょう。
あいみつ・相見積もりによる2つのメリット
あいみつ・相見積もりによるメリットは、以下のとおりです。
1.最適な商品・サービスを選びやすくなる
2.コスト削減につながる
また、比較検討できることでイメージが固まり、課題がはっきりするメリットもあります。あいみつ・相見積もりを取るようにしておくことで特定の業者との癒着を防ぎ、不正な取り引きをさせなくするという点もメリットだといえるでしょう。
それでは、あいみつ・相見積もりによるメリットの詳細を解説します。
■1.最適な商品・サービスを選びやすくなる
あいみつ・相見積もりを取ると、自社にあった商品・サービスを選びやすくなります。自社にあった商品・サービスとは、以下のようなポイントが適しているものです。
・利用目的
・費用
・機能
たとえば、いくら機能性が高い商品でも、利用目的と比較して費用が高すぎるようなものは、自社にあった商品・サービスとはいえません。
また、1社だけの見積もりでは知り得なかった新サービスを見つける機会にもなるため、よりニーズにあったものを選びやすいのです。
■2.コスト削減につながる
コスト削減につながることも、あいみつ・相見積もりによるメリットです。
交渉相手が1社のみでは、どの程度の料金が妥当なのかがわかりません。提示金額が相場と大きく外れていてもそのまま契約してしまい、後悔することになる可能性があるでしょう。
一方、あいみつ・相見積もりを取る場合は、スペックや仕様だけではなく価格も比較でき、該当する取り引きにおける適正な金額を理解しやすくなります。
Webサイトで価格の目安が提示されている場合でも、実際の価格は取り引き内容によって異なるため、あいみつ・相見積もりは実際の価格から判断しやすくなるといえるでしょう。
あいみつ・相見積もり時のポイント
あいみつ・相見積もりを取る際は、以下のポイントに注意が必要です。
■あいみつ・相見積もりのマナー
■あいみつ・相見積もりで確認すべきこと
■あいみつ・相見積もりを断る際の注意点
■あいみつ・相見積もりを依頼する際と断る際の対応
それでは、これらのポイントを詳しく確認していきましょう。
■あいみつ・相見積もりのマナー
あいみつ・相見積もりを取る際のマナーとして大切なのが、「同じ見積もり条件で比較すること」です。同じ条件にしないと、業者によって提示する内容が異なって、公平な比較ができなくなってしまいます。
「せっかくあいみつ・相見積もりを取ったけれど、どのような基準で選べばいいのかわからない」となってしまわないように、同じ見積もり条件を伝えるようにしましょう。
見積もりの納期を、明確に伝えることもポイントです。また、見積もりを取る際にあらかじめ「本件は相見積もりである」と伝えることも大切なマナーです。
あいみつ・相見積もり自体は、失礼ではありません。しかし、「契約を前提とした見積もりだ」と思われていると、手間暇をかけて見積もりを作成してしまいショックが大きくなる可能性があります。
不要なトラブルを招く可能性もあるため、あいみつ・相見積もりの際はマナーに気をつけましょう。
■あいみつ・相見積もりで確認すべきこと
あいみつ・相見積もりでは、とくに以下のポイントを確認すべきです。
・金額の内訳
・各種条件
・見積もりの有効期限
あいみつ・相見積もりで比較する際は、合計金額だけでなく内訳まで確認し、どのような費用が発生するのかを理解しましょう。納期・納品場所・支払期日・支払い方法・特記事項などの条件面もしっかりと確認すべきです。
また、受注までに時間がかかると、市場価格が変動して見積価格では対応できなくなる可能性があります。見積もりの有効期限もあわせて、確認しておきましょう。
■あいみつ・相見積もり依頼の例文
あいみつ・相見積もりの依頼をする際は、以下のように伝えます。
いつもお世話になっております。
この度、弊社にリラクゼーションルームを設置する運びとなりました。つきましては、下記の内容について商品代金や設置費用、納期を含めたお見積もりをお願いいたします。
商品A:5セット
商品B:10個
納入場所:弊社本店
支払方法:貴社との基本契約書による
提出期限:×年×月×日
詳細な仕様につきましては、添付資料をご参照ください。
本案件は、ほかにも複数の業者様へお見積もりを依頼しておりますので、念のため申し添えます。選定結果は、×月×日までにご連絡いたします。
■あいみつ・相見積もりを断る際の注意点
あいみつ・相見積もりをした結果、依頼を断ることになる業者には、以下のようなポイントに気をつけて対応しましょう。
・発注する業者以外に対しても、返答期限までに必ず連絡する
・あいみつ・相見積もりのお礼を再度伝える
・失礼のないように、誠意を持った対応をする
・ダメ出しをするのはNG。
お断りすることになる相手に対しても、連絡せずに放置をしてはいけません。失礼な対応をしてしまうと、今後のほかの取り引きにも影響を与える可能性があります。もしも断る理由を伝える場合は、ダメ出しにならないようにしましょう。
■あいみつ・相見積もりを断る際の例文
あいみつ・相見積もりを断る際は、以下のように伝えます。
いつもお世話になっております。
先日はリラクゼーションルームに関する見積書をご提出いただき、ありがとうございました。
社内で慎重に検討した結果、費用の面で折り合いがつかなかったため、誠に申し訳ございませんが今回は見送らせていただくこととなりました。
また機会がございましたらお声がけいたしますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
あいみつ・相見積もりを正しく理解しよう
あいみつは「相見積もり」を省略した言葉です。あいみつ・相見積もり自体は失礼なことではないものの、マナーを守らなければ相手に不快な思いをさせてしまったり、トラブルになってしまったりする場合があるでしょう。
とくに注意すべきポイントは、同じ見積もり条件で比較すること・見積もりの納期を明確にすること・あらかじめ相見積もりであると伝えることなどです。
あいみつ・相見積もりを正しく理解し、適切に活用できるようになりましょう。
構成/chihaya