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上司に対する〝期待ハズレ感〟の大きい要素TOP3、3位適切な業務分担、進捗や負荷の管理、2位意思決定が速く、決めたことに責任を持つ、1位は?

2024.11.22

近年、企業の組織風土において「心理的安全性」が注目されている。この心理的安全性とは、メンバーが本音で発言して、試行錯誤やチャレンジをするために必要となる環境のこと。

スコラ・コンサルトが、全国の社員100名以上の企業の一般職・管理職・役員 5161名を対象に行なった「組織に関するアンケート調査」の結果、一般職が上司との面談にて本音で話せている割合は55.6%であり、上司の認識より14.4%少ないことが判明した。

本稿では同社リリースを元に、その他の回答結果や、「上司と部下の認識ギャップを埋める、チーム満足度の重要性」についても解説していく。

Topic1:一般職が上司との面談にて「本音で話せていると思う」割合は55.6%

一般職が職場で「本音で話せている」(「本音で話せている」と「どちらかと言えば本音で話せている」の合計)と思う割合を、一般職と管理職とで比較した。

各場面における一般職と管理職の認識の差は次のとおり。

・「上司との面談」一般職55.6%、管理職70.0%、差は14.4ポイント
・「チームの会議・ミーティング」一般職48.3%、管理職67.7%、差は19.4ポイント
・「職場で上司に対して」一般職53.2%、管理職62.6%、差は9.4ポイント
・「職場で同僚に対して」一般職60.0%、管理職70.1%、差は10.1ポイント
・「職場の打ち上げ・飲み会・食事会などの場」一般職48.7%、管理職68.4%、差は19.7ポイント

複数の同僚が参加する「チームの会議・ミーティング」や「職場の打ち上げ・飲み会・食事会などの場」よりも、「上司との面談」や「職場で上司に対して」のほうが、本音で話せている割合が多く、また上司と部下との認識のギャップも小さい。

Topic2:上司への期待と満足のギャップが最も大きいのは「適切な人事評価」

「上司に期待する要素」から「上司に満足している要素」を引いた差が大きい順に並べてみた。

・「部下の適切な人事評価」期待43.6%、満足13.9%、差29.7ポイント
・「意思決定が速く、決めたことに責任を持つ」期待40.5%、満足17.4%、差23.1ポイント
・「部下への適切な業務分担・進捗や負荷の管理」期待33.7%、満足11.8%、差21.9ポイント
・「チーム内の良好な雰囲気づくり」期待45.7%、満足25.1%、差20.6ポイント
・「組織を前進させるリーダーシップ」期待33.1%、満足14.5%、差18.6ポイント

上司に「期待する要素」と「満足している要素」の差が最も大きいのは「部下への適切な人事評価」で、差は29.7ポイントと突出している。

Topic2の「上司に期待する要素」と「上司に満足している要素」のギャップを埋めるヒントを探るために、このギャップの大きさに影響を与える要因を探ったところ、「今のチームのメンバーでいることに満足している」人ほど、ギャップが小さくなることがわかった。

そこで、Topic3で「今のチームのメンバーでいることに満足している」の割合を確認、Topic4で、「今のチームのメンバーでいることに満足している」かどうかによる、「上司に期待する要素」と「上司に満足している要素」のギャップの大きさを比較する。

Topic3:「今のチームのメンバーでいることに満足している」割合は45.4%

「満足している」が11.9%、「どちらかと言えば満足している」は33.5%と合計45.4%で半数以下だ。

Topic4:チーム満足度が高いと「上司への期待」と「上司への満足」の差は小さい

「上司に期待する要素」から「上司に満足する要素」を引いた差

Topic2で確認した、「上司に期待している要素」から「上司に満足する要素」を引いた差を、「今のチームのメンバーでいることに満足している」から「満足していない」まで5段階でクロス集計した。

この差は、「今のチームのメンバーでいることに満足している」人ほど小さく、「今のチームのメンバーでいることに満足していない」人ほど大きいことが示された。

「今のチームのメンバーでいることに満足している」人は、3項目を除き、10項目で差が10ポイント未満だ。「会社の方針の共有」と「部下に仕事を任せる・権限移譲する」については差がマイナスとなり、「上司への期待」より「上司への満足」のほうが上回っている。

このあと、Topic5、6、7では、チームの満足度に影響を与える要素を分析する。以下では「今のチームのメンバーでいることに満足している」と「どちらかと言えば満足している」の合計を『チームに満足している』とし、「今のチームのメンバーでいることに満足していない」と「どちらかと言えば満足していない」の合計を『チームに満足していない』と表す。

Topic5:「チームの同僚や上司と本音で話せる関係」はチーム満足度に影響を与える

本音で話せている割合【チームへの満足度別】

一般職が職場の各場面で「本音で話せている」と思う割合は、「チームに満足している」ほうが、「チームに満足していない」よりも高い。

・「上司との面談」にて本音で話せている割合は「チームに満足している」78.6%、「満足していない」32.1%、差は46.5ポイント
・「チームの会議・ミーティング」にて本音で話せている割合は「チームに満足している」74.7%、「満足していない」20.4%、差54.3ポイント
・「職場で上司に対して」本音で話せている割合は「チームに満足している」75.7%、「満足していない」31.6%、差は44.1ポイント
・「職場で同僚に対して」本音で話せている割合は「チームに満足している」82.6%、「満足していない」35.6%、差は47.0ポイント
・「職場の打ち上げ・飲み会・食事会などの場」にて本音で話せている割合は「チームに満足している」71.6%、「満足していない」 24.1%、差は47.5ポイント

この結果から、チームの同僚や上司と本音で話せる関係があることは、チームの満足度に影響していることが示された。

Topic6:「チームのコミュニケーション頻度」は、チームの満足度に影響を与える

コミュニケーションの頻度【チームへの満足度別】

コミュニケーションの頻度は、「チームに満足している」ほうが「チームに満足していない」よりも全般的に高い。

・「直属の上司と1対1の対話」を月1回以上している割合は、「チームに満足している」39.3%、「チームに満足していない」24.0%
・「チーム全員でするミーティング」を月に1回以上している割合は、「チームに満足している」70.7%、「チームに満足していない」47.6%
・「カジュアルな雰囲気で行う仕事に関する意見交換や情報共有」を月に1回以上している割合は、「チームに満足している」48.5%、「チームに満足していない」20.6%
・「同僚や部下を褒めたり、労ったり、感謝を伝えたりすること」を月に1回以上している割合は、「チームに満足している」74.4%、「チームに満足していない」44.1%
・「職場の行事として、飲み会、食事会、レクリエーション」を半年に1回以上している割合は、「チームに満足している」64.9%、「チームに満足していない」40.7%

この結果から、チームのコミュニケ―ションの頻度の高さは、チームの満足度に影響を与えることが示された。それぞれのコミュニケーションについて、「そのような機会はほぼない」という回答も一定程度あり、コミュニケーションの頻度は職場によって大きく差がある。

Topic7:「部下との向き合い方の評価が高い上司」はチームの満足度に影響を与える

直属の上司に満足している要素【チームへの満足度別】

直属の上司に満足している要素について、「チームに満足している」と「チームに満足していない」人の差が大きい順に次のとおりとなった。

・1番目「チーム内の良好な雰囲気づくり」、差は25.9ポイント
・2番目「部下の相談にのること」、差は20.4ポイント
・3番目「部下の意見や提案を受け止めること」、差は17.8ポイント
・4番目「会社の方針の共有と組織の方向性の提示」、差は15.7ポイント
・5番目「部下の仕事のアドバイスやサポート」、差は15.6ポイント

 1番目の「チーム内の良好な雰囲気づくり」や、4番目の「会社の方針の共有と組織の方向性の提示」が、チームの満足度に影響を与えることは当然だと言える。

2番目、3番目、5番目は、上司が部下に向き合うことを表している。つまり、部下との向き合い方の評価が高い上司は、メンバーのチームの満足度に影響を与えることが示された。

スコラ・コンサルト解説~上司と部下の認識ギャップを埋める、チーム満足度の重要性

マネジメント層の人と話をしていると「部下の考えていることがわからない」という悩みをよく聞かされる。上司と部下のコミュニケーションの問題は今に始まったことではないが、最近の飲み会文化の衰退やリモートワークの普及により、上司と部下の認識ギャップの解消は一層難しくなっているようだ。

そこで、今回の調査結果で注目したいのが「チーム満足度」という視点だ。上司と部下の「一対一」の関係の問題が、チームという「多数」に働きかけることで改善される可能性が見えてきた。

■チーム満足度は個対個のコミュニケーション改善にも効く

チーム満足度が、上司と部下の認識ギャップの解消にどのように機能するのかは、統計から直接的な因果関係は断言できない。しかし、スコラ・コンサルトの組織開発支援などの経験を踏まえて言えば、チームの満足度向上には大きな利点がある。チームワークが高まることでコミュニケーションルートが多様化すると、メンバー間で様々な情報が自然と共有されるようになる。例えば、上司がA氏と向き合う際、A氏との直接的なコミュニケーションだけでなく、他のメンバーを通じて得られる情報を活用して、上司も自分の状況に対するより立体的な理解が可能になる。

■本音で話せる環境づくり

チーム満足度を高める第一歩は、「本音で話せる環境」づくりだ。これは近年注目されている「心理的安全性」とも通じる考え方になる。本音が率直に出せるチームと、警戒心が強く本音を隠すチームでは、チームの一体感や職場で共有される情報の質と量がまったく違う。ただし、職場メンバーとして本音で話すということは、リスクも多く、それほど簡単ではないかもしれない。「本音で話そう」という掛け声だけではなく、実際に本音での対話が生まれ、促進されるような、ファシリテーションや安心して話せる対話の場づくりが必要となるだろう。

■コミュニケーション頻度の重要性

チーム満足度向上のもう一つのポイントは、コミュニケーション頻度の確保だ。現場社員の声として、例えば1on1ミーティングについて「形だけなら不要」という意見もあるが、今回の調査結果では、それでもやはりコミュニケーションの量の確保が効果的であることが示されている。まずは定期的なコミュニケーションの機会を設け、その上で質の向上をも目指していくことが望ましい。

一見、当たり前に思える「本音の共有」や「コミュニケーションの確保」だが、現在の多様性が増した職場環境では実践するのは容易ではないかもしれない。逆にそうであるからこそ、今回の調査で示された「チームの満足度」向上を意識しながら、腰を据えてていねいにチームをつくり上げていくことが、最も効果的な職場改善の早道なのだろう。

調査概要
調査主体/株式会社スコラ・コンサルト
調査方法/調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
調査期間/2024年10月18日~2024年10月22日
有効回答数/5161人(内訳:一般職(一般社員・係長)2746人、管理職(課長・部長)1600人、役員(役員・経営者)815人)

関連情報
https://www.scholar.co.jp/

構成/清水眞希

 

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