部下が仕事を進めず、進捗報告もない場合、イライラするものです。しかし、上司としては冷静に対応することが重要です。まず部下の現状を確認し、具体的な指示を出すことが求められます。そして、遅延の原因を把握し、効率的な方法を指導し、改善が見られたときには積極的に褒めることで、部下のモチベーションを高め、チーム全体の士気を向上させましょう。
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部下に頼んだ仕事がなかなか終わらない。そもそも進捗の報告すらない。
そんな状況になったとき、上司であるあなたはイライラした気持ちを隠しつつ、部下に「あれ、どうなっている?」と尋ねるでしょう。そこでまだ終わっていない現状を知ると、さらにイライラが募っていく。
チームで1つの仕事をしている場合には、仕事の遅い社員がいるとチームの輪を乱し、さらにはチームの士気が下がることにもつながりかねません。
仕事の遅い部下に対して「私がやるから」「こっちで引き取るから」のような対処をしてしまっては、いつまでたっても仕事の遅い部下はそのままです。
では、どうすればいいのでしょうか。今回は、仕事の遅い人の特徴、仕事の遅い部下に対する正しい対応について解説していきます。
仕事が遅い人の特徴
まず、仕事が遅い人の特徴に共通する特徴を見ていきましょう。部下はもちろん、自分自身がこの特徴に当てはまっていないかをチェックしてみてください。
1.マイペース
自分のペースを守って仕事することは、ミスを減らし、確実な成果をあげるために大切なことではあります。しかし、この特徴を持つ人は、自分が仕事が遅いことに気づいていない場合も多く、さらには周囲の状況を把握することが苦手な傾向もあります。
周囲がイライラしていることに気づけない、忙しく仕事をしている同僚や上司などの状況を気にせずに質問をしてくるなどがあれば、その人はマイペースな人だと言えるでしょう。
2.完璧主義
完璧主義も、仕事が遅い人の特徴の1つです。完璧主義な人は細部にこだわるので、作業効率が悪くなりがちです。たとえ時間に間に合わなかったとしても、自分が納得することが第一という考え方を持っている可能性もあります。
また、仕事を頼む際にも、内容を自分が納得するまで理解してから仕事を進めたいという思いも強く、効率よく仕事を進めたい場合には頼みにくいと感じてしまうことも多いでしょう。
3.仕事の内容、優先順位がわかっていない
仕事全体の内容をしっかりと把握しておらず、任された仕事だけを行う人は、仕事の効率が悪くなります。なぜ効率が悪くなるかというと、仕事の内容を把握できていないと、どの仕事を先に進めればいいのかという優先順位がわからないからです。
頼まれた仕事が複数ある場合、どの仕事が重要なのかを見極めながら仕事を進めることが重要になります。それができなければ、結果的に遅れる仕事がでてきてしまうのです。
4.時間配分ができない
仕事を進めるにあたり、仕事ができる人は「この仕事はどのくらいの時間が必要か」などを考えながらスケジュールを組み、それに従って仕事を進めていきます。仕事が遅い人はその時間配分ができないのです。
仕事の時間配分ができない人は自分のキャパシティ以上の仕事を引き受けてしまうといった特徴もあります。
仕事の遅い部下に対する正しい対応
部下の仕事の効率をアップさせるのも上司の重要な仕事です。仕事の遅い部下に対する上司の正しい対応について、ここではお伝えしていきます。
1.今部下が抱えている仕事を確認し、仕事の内容・期限を伝える
仕事を頼むときに、まず確認しないといけないのは、今部下が抱えている仕事です。それを踏まえて、任せる仕事の内容や期限を伝えてください。上司は部下よりも経験があるので、「この仕事はこのくらいで終わるだろう」「そんなに難しくないから大丈夫だろう」と伝えることを省いてしまう人が多くいます。自身の経験からの判断は部下を惑わします。
今部下が抱えている仕事を把握することはとても大切です。どちらも「早めに」とお願いされている仕事の場合、仕事の遅い人の特徴でも触れたように優先順位を把握できないこともあるからです。
部下の抱えている仕事の把握、そして任せる仕事の内容、期日をしっかりと言葉で伝えるようにしてください。
2.仕事が遅れる原因を把握する
仕事が遅くなってしまうのには、様々な原因が考えられます。上司はその原因を把握する必要があります。そのためには、部下自身が仕事が遅いことを自覚している場合は本人にどのような仕事の進め方をしているのかを聞くといいでしょう。
部下自身が仕事が遅いことを自覚していない場合には、仕事を細分化して、1つずつ終わった段階で報告するように伝え、時間がかかっている仕事を把握してください。時間のかかっている仕事のときには効率よく進める方法などを伝えてみたり、一緒に行い見本を示してみることをおすすめします。
この方法では、1つずつ作業を達成していくという成功体験を経験することができ、部下のモチベーションのアップにもつながります。
3.仕事の効率がアップしたときには褒める
仕事が遅いと感じている部下に対して、上司はネガティブなイメージを持っていることが多いです。そのような先入観を相手に持っていることを態度に出さないようにしていたとしても、意外と相手には伝わっているものです。
そんな部下との関係を良くするためには、その部下のできていることに目を向けて、積極的に褒めるようにしてください。
いつも仕事の進捗について叱責を受けている上司から褒められれば、仕事へのモチベーションも上がり、部下の成長を促すことができます。
文・構成/藤野綾子