裁判所のジャッジ
2度のチャブ台返しの末、最高裁は「妻の負けね。Y子は払わなくてよろし」と判断しました。チャブ台返しの経緯は以下のとおり。
▼ 地方裁判所
妻の負け! Y子は払わなくてよろし。
▼ 高等裁判所
いやいや、妻の勝ち。Y子は妻に慰謝料110万円払え。
Y子は衝撃だったでしょう。「あいつらにダマされたのになぜ私が負けるの」と怒りに震えたと思います。Y子はラストチャンス(上告)に賭けます。以下は、Y子のラスト訴え(上告理由)から引用しました。
この熱き思いが最高裁に届くか!?
▼ 最高裁判所
逆転勝利!Y子の勝ちです。
最高裁は「妻がY子に損害賠償請求することは、信義誠実の原則に反し権利の濫用として許されない」と判断しました。
伝家の宝刀とも言われる「権利の濫用ダメ」が出てきました。権利の濫用と判断した理由は以下のとおりです。
・妻がY子に「 クズ男が他の女性と同棲している」「夫婦仲は冷めている」「来年には離婚するつもりだ」と話していた。
・それを聞いたこともありY子は、 クズ男からプロポーズを受けた時、将来結婚できると考えた。
・妻はY子に上記のことを伝えていたのに、2人の関係を知ると慰謝料500万円を要求し始めた。
・口頭の要求だけでなく、Y子の店で嫌がらせもした。
・クズ男はY子に暴力も振るった。
最後に
「権利があるんだぞ!」と調子こいて今回の夫婦のようなムチャをすると裁判所はブチギレる可能性があります。今回2度もチャブ台返しがあったように、裁判官によってブチギレる沸点が違います。
地裁:ブチギレる(Y子の勝ち)
高裁:いやいや、不倫したY子の負けでしょ
最高裁:ブチギレる(Y子の勝ち)
【裁判は出たとこ勝負】と言われるゆえんです。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
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