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なぜ?夫に浮気された妻が裁判でボロ負けした「謎」の真相

2024.11.30

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。

夫が、ある女性と肉体関係を持ちました。

それに妻がブチギレ。女性に慰謝料請求しました。

最高裁
「妻の負けね!」

―― え!肉体関係もってるのに?

最高裁
「この夫婦ね、ムチャしすぎなのよ」

果たして、女性にどんなムチャをしたのか!?

以下、本当にあった裁判を分かりやすく解説します(最高裁 H8.6.18)

※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化

登場人物

●妻

●夫(クズ男/仮名)
・Y子と肉体関係を持つ

この夫婦には2人の子どもがいます。

● だまされたY子
・シングルマザー
・16歳くらいの娘がいる
・居酒屋を営業して生計を立てる

どんな事件か

▼ クズ男とY子の出会い

クズ男がY子の居酒屋に行きました。

はじめは週1くらいのペースで通っていました。

しかし、9か月くらいたったあと、パタリと来なくなりました。Y子にハマっていれば通い続けると思うのですが、なんと! Y子の店が入っているビルの2階にあるスナックのホステスと、半同棲の生活をしていたのです(5か月ほど)。

▼ 妻も来店

なんと同じ時期、妻もY子の店に行ってます。

クズ男がホステスと半同棲生活をしていることに嫌気がさしたのでしょう。

毎晩のようにお店に行き、Y子に「クズ男との仲は冷めている。来年くらいに離婚する」とグチをこぼしていました。

▼ クズ男の口説きが始まる

スナックのホステスと別れたのでしょうか。クズ男がY子を口説き始めます。「本気で考えているのはオマエだけだ。付き合ってほしい。真剣に考えている。妻も別れることを望んでいる」と毎日のように口説きました。

Y子は当時、すい臓の病気になって精神的に落ち込んでいたので、徐々にクズ男に心が傾いていきました。

そして口説き始めて2週間後。クズ男は「妻とは別れる。それはオマエの責任ではない。俺たち夫婦の問題だから心配することはない。オマエは一生懸命に病気を治せばいい。病気を一緒に治していこう」と話しました。

Y子はその言葉を信じ、ついに肉体関係を持ちました。

▼ 結婚に向けて準備を進める

Y子は、結婚に向けて準備を進めました。が! クズ男は妻との離婚に向けてまったく動こうとしていなかったのです(クズ男と命名されたゆえんです)

▼ 妻、動きます

クズ男のプロポーズから約2か月後。妻がY子の自宅に乗り込みます。

そして妻はY子に向かって「慰謝料として500万円もらう。500万円さえもらったら、うちの●●くん(クズ男)あげるわ。うちの●●くんはママをひっかけるのなんか簡単よ」という趣旨のことを言い放ちました。

Y子は「私はクズ男にダマされていた……」と気づかされました。

▼ 3人の話し合い

翌日、3人で集まり話し合いが行なわれました。4時間にも及ぶ激戦です。3人のスタンスは以下のとおり。


●妻の言い分

・クズ男に対して子どもの養育費や慰謝料を要求(私見:これは形だけのパフォーマンスでしょう)
・Y子に対して慰謝料500万円を要求

●クズ男の態度

・「妻の好きなようにせよ」という態度

● Y子

・終始沈黙


▼ クズ男が恐喝まがいの行動に

その翌日。午後10時ごろ。クズ男がY子の店に行きます。ほかにお客さんがいるのに「オマエ、男欲しかったんか! 500万言うてん! まだ持ってけえへんのか!」と怒鳴りました(いやいや、アンタは500万円請求できないよ……)。

▼妻も恐喝まがいに

その3日後。妻もY子にTELして500万円を要求しました。20分後にはY子の店に行き、客が満席の状況なのに怒鳴って嫌がらせを始めました。

▼ 妻が訴訟を提起

妻がY子を訴えました。「私のクズ男と肉体関係を持ったから慰謝料を払ってほしい」というものです。

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