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テレワークで実践!仕事の生産性向上につながる3つのアクション

2024.11.20

 これまで約700のテレワークを支援し、そこで得た知見を「テレワーク・コミュニケーション研修」として418社に提供してきました。同研修のトレーニング受講者は延べ2.9万人。参加者の満足度は91%、行動を継続する人は70%以上となりました。そんな研修内のトレーニングで教えている「3つのアクション」を紹介します。

アクション(1)心理的安全性を確保せよ

 腹を割って話しても安全であるという心理状態を「心理的安全性」と呼びます。この「心理的安全性」があるチームは、出勤してもテレワークをしても成果を出し続けます。チーム内で何でも話せる雰囲気と関係性をつくってください。「心理的安全性」を生み出すためには、打ち合わせや会議の際に「冒頭2分の雑談」をおすすめします。仕事とは関係ないカジュアルな会話をすれば〝空気が温まり〟活発に意見を交換できるのです。

 クライアント企業の会議を約8500時間記録して分析した結果、雑談を入れると効率が高まることがわかりました。そのうえで、25社に「冒頭2分の雑談」を2週間試してもらったところ、雑談を入れた会議はそうでない会議に比べて、発言数は1.7倍に。発言者数も1.9倍に上がり、会議が早く終わる可能性がプラス45%になりました。雑談で「心理的安全性」を確保することによって、会議時間や資料作成時間も減り、生産性が確実に上がります。

アクション(2)対話と自己管理能力を強化せよ

 テレワークによって対面での会話が減ると、孤立や閉塞を感じやすくなります。そのため、できるだけ上司と部下の対話時間を増やしてください。チームの定例会議は60分ではなく45分を基本に行ない、空いた時間で部下と対話するといいでしょう。コミュニケーションの頻度が高まれば「心理的安全性」が確保されやすくなります。

 また、業務の進捗を見せる化するように心がけてください。見える化ではなく、自ら率先して進捗を見せていく「見せる化」です。始業や終業の際、チームメンバー全員にタスクとその進捗を軽く発言して自制心を高め、周囲から「サボっているのではないか」という疑念から逃れることもできます。社員の14%は「在宅勤務でサボっている」という結果が出ています(クロスリバーの独自調査)。テレワーク=サボる人が多い、と考えるのも無理はありません。

 しかし、そのうち94%は出社してもサボる結果が出ています。問題は働く場所ではなく、職責、適切な目標設定、評価制度です。リーダーは、細かく管理することを避け、成長の機会を提供するタスクを与え、正しく評価する義務があります。メンバーは目標があれば達成を目指し、達成をすれば褒められます。上司と部下で共に目標を設定し、達成したら褒める文化があれば、マイクロマネジメント(細かすぎる管理)から解放されることになるでしょう。

アクション(3)情報と感情を共有せよ

 テレワーク中はガラス張りの透明な会議室で仕事しているのと同じです。チャットの会話や作成中の資料は、チームメンバーに見せる状態にしましょう。最も効果が出ているのは「フィードフォワード」です。これは、資料作成の際、進捗20%に達したタイミングで、提出先の人に「ここまで作りました。イメージは合っていますか?」と意見を求めることをいいます。これを定着した結果、74%の「差し戻し」が減り、残業削減につながったケースもあります。

 そして、情報よりも共有すべきは感情です。「さびしい」「認められたい」と思っているテレワーカーは多く、そういった感情を吐き出せる雰囲気をつくることで、お互いに認め合いましょう。自分の弱みをさらけ出すリーダーが結果的に成果を出し続けます。リーダー自らが弱みを見せることによって、メンバーたちは感情を出しやすくなり、一体感を持つことができるのです。

 また、オンライン会議では「いいね!」の絵文字や「88888(パチパチパチ=拍手)」を投稿し、発言者を認めてあげてください。必ず盛り上がり士気が高まります。このようにコミュニケーションの仕方を少し変えるだけで、チーム力はアップします。複雑な問題をひとりで解決することは決してできません。今回紹介した3つのアクションを実行して、チーム力を高めてください。

テレワークで実践したい3つのアクション

「心理的安全性」がないと、無駄な資料を作成してしまったり、精神疾患になる人が増えたりします。何でも言える関係性をつくることが最優先なのです。

文/越川慎司

全員がリモートワーク・複業・週休3日を実践するクロスリバーの代表。約700名のほぼ全員がリモートワークしているキャスター社の事業責任者も兼ねる。

800社17万3000人のAI行動分析でわかった最速で結果を出す「超タイパ仕事術」

ビジネスコンサルタントの越川慎司さんは、複業・週休3日を実践しながら800社へ働き方改革のノウハウを提供し、24冊以上のビジネス書を執筆している、まさに仕事効率化のスペシャリストだ。同氏がこれまでに働き方改革を支援してきたのは800社以上にのぼる。クライアント企業の優秀なビジネスパーソンに見られる行動を分析して導き出した、業務の無駄を徹底的に省き、仕事のタイパ(タイムパフォーマンス)を高める方法を著書「最速で結果を出す超タイパ仕事術」で詳しく解説している。その一部をダイジェストで紹介しよう。

同書は、第1章から第5章までの5部構成。

第1章では、企業にはびこる無駄の数々について実証データをもとに紹介。「よかれと思って作ったページの81%が読まれない」「重要だと思っていた書類の88%は不要だった」など、どれも衝撃的な内容となっている。日頃の仕事でいかに時間を浪費しているのかを思い知らされるはず。

第2章では、人間の思考傾向や行動原理について解説。「目の前の仕事に集中したくなる」「完璧を求めすぎると疲弊するだけ」といった思考回路を意識することにより、無駄を生じている様々な思い込みをやめるきっかけになるはずだ。

第3章では、仕事の取捨選択を行なう際の〝見極め〟を伝授。「自分の目標から逆算して、本当に必要な業務に注力する」「場合によっては念のための確認を省く」といった考え方を知ることで、在的には無駄だとわかってはいるもののやめられない業務を手放せるようになる。

第4章は、本書のメインテーマである〝タイパ〟を高めるための「無駄をやめられる35の秘策」を大公開。コミュニケーション、情報収集、アウトプット、タイムマネジメント、プレゼン、キャリアの形成といった6つのテーマごとに、具体的にどんなアクションを起こすことで無駄を省けるのかを、わかりやすく紹介。35の秘策をすべて実践する必要はなく、真似できそうなところから始めてみても問題ないはず。

第5章は、成果を出し続けている企業の事例を挙げながら、組織としてタイパを高める習慣を指南。第4章までの内容と合わせて実践し、理想的な職場環境を構築を目指したい。

なお、同書で紹介している〝超タイパ仕事術〟によって成果を上げているビジネスパーソンの実例も、コラムページで詳しく解説しているので、多くのビジネスパーソンにとって働き方を見直す指針となるはずだ。

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