1on1で使える質問例
1on1の目的別に、よく使われる質問の具体例を紹介します。これらの質問例を参考に、部下との信頼関係を深め、より良い1on1を実現していきましょう。
■信頼関係を構築するための質問
信頼関係を構築するためには、まず部下が話しやすい雰囲気作りから始めます。入社したばかりの新入社員や中途採用者に対しては、休日の過ごし方や最近買ってよかったものなど、プライベートな話題から会話を進めるとよいでしょう。
ただし、いきなり深い部分に踏み込みすぎると警戒心を与える可能性があるため、相手の反応を見ながら質問することが大切です。
「業務量は適切ですか?」「負担に感じていませんか?」など、部下のメンタル面を気遣う質問を投げかけてみるのも効果的です。部下に『上司が自分のことを気にかけてくれている』という安心感が生まれ、信頼関係の構築につながります。
■モチベーションをアップさせたいときの質問
部下のモチベーションを高めるには、まず現状を正確に把握する必要があります。「最近の仕事にやりがいを感じていますか?」「どんなときに仕事が楽しいと感じますか?」といった質問から始めましょう。
モチベーションが低下している場合は、「仕事で不安に感じていることはありますか?」「自分の強みを生かせていると思いますか?」など、原因を探る質問を投げかけます。
一方で、「これまでの仕事で最も達成感を感じた経験は何ですか?」「今後チャレンジしてみたい業務はありますか?」といったポジティブな質問も効果的です。
■質問することが見つからないときの対処法
質問内容が見つからない場合は、過去のミーティングの振り返りから始めてみましょう。前回設定した目標の進捗(しんちょく)状況や、その後の変化を確認しながら、自然な対話のきっかけを作れます。
現在業務上の問題を抱えていない部下には、「半年後にどんなスキルを身につけたいですか?」「キャリアの中で次のステップとして考えていることは何ですか?」など、将来を見越した質問をしてみるのも効果的です。
上司が自分のキャリアに関心を持っているということが伝われば、部下は自然に本音を話してくれるようになり、1on1が本来の機能を発揮し始めるでしょう。
どうしても質問項目が見つからないときは、最近のニュースなど、身近な話題から始めてみるのもおすすめです。
目的を理解し1on1を効果的に活用しよう
1on1とは、上司と部下が定期的に行う個別ミーティングのことです。部下とのコミュニケーションを強化し、成長を促すなどの効果が期待されています。効果を高めるには、適切な頻度・場所・時間の設定に加え、相手の話をよく聞くスキルが不可欠です。
上司にとって、時間的に負荷がかかるなどの課題はありますが、信頼関係の構築や部下の成長促進という大きなメリットを得られるため、重要なマネジメントツールの一つといえるでしょう。
構成/編集部