お菓子好きの女神姉妹をイメージした主力ブランド「CHARITES(カリテス)」
二つ目の「CHARITES(カリテス)」は、今回発売の3ブランド中では主力と位置付けているブランド。彩りを司る女神の三姉妹がわいわいとお菓子を取り合う世界観を映すブランドで、だという
サンドクッキー(レモンティー、ピスタチオ各5個)を詰め合わせた全3色のキャニスター缶入り「fascinate(ファシネイト)」(3,780円)などを販売
エンゼル型フィナンシェ「フルールドロン(フルールドクルールレモン)」
ピスタチオをふんだんに使った「サンドクッキー(ピスタチオ)」
お菓子の残り香をイメージしたスタンダードブランド「lastnote(ラストノート)」
3つめの「lstnote(ラストノート)」は、フレグランスの残り香“ラストノート”のように甘く豊かなバターや小麦の香りをイメージした、スタンダードブランド。気負わずに贈ることができる、気が利いたギフトを目指したという。ラングバトン4個、ラングドシャ(チョコサンド)4個、サンドクッキー レモンティー、ピスタチオ各2個を詰め合わせた「nose(ノーズ)」が2,700円。
シンプルかつスタイリッシュな、まるでコスメのようなボックスに入った焼き菓子は、香りを連想する名前が付けられている
圧倒的な差別化に必要なのは、世界観とストーリー
パッケージデザインを担当した株式会社ヘルメスの取締役でクリエィティブディレクターの井上剛氏は、「魅力的なスイーツがあふれている今、圧倒的に差別化しようと思ったら必要なのは、確固たる世界観とストーリー。コージーコーナーにはそれがあった」と語る。
株式会社ヘルメスの取締役でクリエィティブディレクターの井上剛氏
銀座コージーコーナーといえばまず思い浮かぶのが、ショートケーキやモンブランなどのカット生ケーキ。また名物の「ジャンボシュークリーム」に代表される、リーズナブルな価格で誰にでも喜ばれる手土産としてのスイーツだ。まさに安心感のかたまりのようなブランドだけに、そこを突破するには勇気が必要だったのではないだろうか。新ブランドの世界観やストーリーは新しいが、商品自体は最新トレンドを取り入れつつ、非常にオーソドックス。誰もが安心して食べられる味という、コージーコーナーの強みを手放さずに、うまく着地したと感じた。
今後は大手ECサイトなどでの販売をスタートし、ポップアップショップや、百貨店や商業施設、エキナカなどに順次拡大予定。その中には、これまで銀座コージーコーナーが出店していなかった百貨店もあるという。ただ悩ましいのが、「銀座コージーコーナー」という“種明かし”をするかどうか。商品表示の製造元は「銀座コージーコーナー」になるので、細かく見ればわかるが、それ以外にも名前を出すかどうかは、現在検討中だという。
取材・文/桑原恵美子
取材協力/銀座コージーコーナー