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ビジネスシーンで「できない」ということを上手に伝える方法

2025.02.14

ビジネスシーンで「できない」と伝えざるを得ない場面において、相手に不快感を与えないためにどういえば良いか?伝え方を配慮した言い換えを、具体例を交えながら解説する。

あなたは誰かに依頼などをした際に、相手から「できない」と伝えられたらどう感じるだろうか。あまり良い気はしないのではないか。しかし、ビジネスシーンでは「できない」と伝えざるを得ない場面も多い。相手に不快感を与えないためには、状況や文脈に応じて適切に言い換える必要がある。本記事では、ビジネスシーンにおいて、「できない」という意思を相手に配慮しつつ伝えるための言い換え方を、具体例を交えながら解説する。

「できない」の4つの敬語表現

通常、ビジネスシーンの会話は敬語が基本である。そこで、まず「できない」という言葉の敬語表現として、主に次の4つがあることを押さえておきたい。

・できません
・できかねます
・いたしかねます
・しかねます

■できません

「できません」は、相手に対して「できない」という意思を伝える標準的な敬語である。主に上司や同僚に対して使用するのに適している。敬語ではあるものの、冷たい印象やぶっきらぼうな印象もあるため、顧客に対しての使用は避けることが望ましい。

[例文]
・「その日程では会議に参加できません。」
・「交通事情により、その時間にオフィスに戻ることができません。」
・「他の業務があるため、その業務には対応できません」

■できかねます

「できかねます」は、「できる」と「困難」を意味する「かねる」を組み合わせた敬語で、「行うことが難しい」という意味を持つ。「できません」よりも丁寧な表現で、「決して気が進まないわけではないが、何らかの事情によりできない」というニュアンスを含んでいる。主に顧客や取引先、上司に対して使用するのに適している。

[例文]
・「その納期では対応できかねます。」
・「この時間からの会議室予約はできかねます。」
・「契約上、そのような対応はできかねます。」

■いたしかねます

「いたしかねます」は「できかねます」と同じ意味だが、「できる」の部分が「する」の謙譲語である「いたす」になっており、「できかねます」よりもさらに丁寧な表現となる。主に重要な顧客や幹部社員に対して使用するのに適している。

[例文]
・「その納期では対応いたしかねます。」
・「この時間からの会議室予約はいたしかねます。」
・「契約上、そのような対応はいたしかねます。」

■しかねます

「しかねます」は、敬語ではあるが、特に丁寧な表現ではない。「できない」という意味に加えて、「抵抗がある」「譲歩の余地がない」というニュアンスを含んでいる。無理な要望を受けている場合、繰り返し同じ要望を受けている場合などに適しているが、積極的な使用は推奨されない。

[例文]
・「その情報は機密情報であるため、お答えしかねます。」
・「発売日前の販売には対応しかねます。」
・「今後、そのような度重なる仕様変更には対応しかねます。」

ビジネスシーンでよくある「できない」の言い換え方

ここでは、「できない」の言い換え方をケース別に紹介していく。

■「上司の指示が理解できない」ときの言い換え

ビジネスシーンでは、どうしても上司の指示が理解できないというケースがある。その理由としては、「指示の内容が抽象的すぎる」「自分自身の知識が不足している」など。この場合は、「理解できません」「理解できかねます」などが望ましい。なお、「理解できかねます」は若干堅苦しく、距離感が生まれてしまう表現でもあるため、親しい関係性であれば、「理解できません」を使用するほうが自然である。

■「顧客の要望に対応できない」ときの言い換え

ビジネスシーンでは、どうしても顧客の要望に対応できないというケースがある。その理由としては、「対応するだけのリソースがない」「ルールやポリシーに反する」など。この場合は、「対応できかねます」「対応いたしかねます」などが望ましい。「対応できません」は突き放したような印象になるため避けた方が無難である。なお、完全に自分に非がある場合は、顧客の気持ちに配慮し、「誠に恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」などのクッションワードを文頭に持ってくると良い。

■「新人バイトが仕事ができない」ときの言い換え

ビジネスシーンでは、自身が担当する新人アルバイト従業員がまだ不慣れで仕事ができないというケースがある。そのことをマネージャーに報告する場合は、「〇〇さんはまだ仕事ができません」「〇〇さんはまだ仕事ができないです」などが望ましい。「できかねます」「いたしかねます」「しかねます」は、基本的には断る際に使用する表現であり、このような状況説明を求められる場合には適さない。

■「保証できない」ときの言い換え

ビジネスシーンでは、上司から成果や効果、品質などに関する保証について質問を受けることがある。

例えば、「今月の成約数は達成できそうか?」「新システムを導入したら業務が効率化されるか?」など。しかし、どうしても保証できないケースもある。こ

の場合、「保証できません」「保証できかねます」などが望ましい。親しい関係性であれば、「保証できません」のほうが自然だろう。なお、「可能な限りの努力はいたします」などと、前向きな言葉を添えると、より相手の気持ちに配慮した表現となる。

まとめ

「できない」の主な敬語表現として、「できません」「できかねます」「いたしかねます」「しかねます」の4つがあり、それぞれ意味やニュアンスが異なる。

ビジネスシーンにおいて、相手に「できない」という意思を伝える際は、不快感などを与えないよう、状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶ必要がある。

 

松下一輝(まつした いっき)

大学院修了後、ITエンジニアとして大手システムインテグレータに入社。通信キャリアを顧客とする部署に配属され、業務システムやWebアプリケーションなどの設計・開発業務に従事する。その後、文章を書く仕事に興味を持ち、ライターに転身。ITやサイエンス、ビジネスといった分野の記事を執筆している。

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