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寿命が伸びる?画期的な猫の腎臓病予防&ケア商品が登場

2024.11.15

<TOPIC(2)>腎臓に負担をかける体内のゴミを吸着して排出する、「液体シルク」

体内のゴミを除去する機能を高めることを目的としたAIM30シリーズに対し、2023年12月には、体内のゴミそのものを除去する成分に着目したサプリメント「SILCAT(シルキャット)」がスタートアップの株式会社NEXT NEW WORLDから発売された。販売開始からわずか1ヶ月で35万食、発売半年で約50万食を販売したというからすごい。

腎臓ケア、口臭・便臭の予防効果、ダイエット効果、抗酸化作用による腸内環境ケアが期待されるというオーガニックシルクサプリメント「SILCAT シルキャット」(7包入り/税込み1200円、30包入り/税込み3800円)

シルキャットは、特許取得のシルクフィブロイン100%の水溶液。フィブロインとは蚕が紡ぐ繭(絹)の主成分で、水溶液にして摂取すると、細かい孔に老廃物などが吸着され、体外に排出されるため、腎臓への負担が軽減されるのだという。

フィブロイン水溶液が、コレステロールを90%以上除去、尿毒症の原因となるアンモニアを90%以上除去することを示した研究データ ※画像提供/株式会社NEXT NEW WORLD

シルクフィブロイン水溶液が画期的なのは大きく2点。

1)これまでシルクを水溶液にすると、絹の持つ多孔質構造が破壊されていたが、シルクフィブロイン水溶液は多孔質構造をそのまま残して水溶液にしている(特許成分「高分子シルクフィブロイン水溶液」)
2)無味無臭なので、味や匂いに敏感な猫も嫌がらず摂取できること。

飼い主にとって特にありがたいのが(2)。多孔質構造に老廃物などを吸着して排出する働きは、活性炭などにもあったが、食品として摂取するには不向きだった。シルキャットは無味無臭なので、味の変化にうるさいわが家の愛猫もまったく気づかずに食べている(いつも食べているスープにふりかけて与えている)。

腎臓の数値はわからないが、1か月ほど摂取したところで、不規則で便秘気味だったお通じが改善されているのに気づいた。毛ツヤもよくなってきたような気がするので、定期購買にきりかえた。

株式会社NEXT NEW WORLD 代表取締役 CEO 高嶋耕太郎氏によると、シルクフィブロイン水溶液の摂取により、BUN値(腎臓病や糖尿病の指標となる血中尿素窒素値)を平均26%改善したというデータもあるという。また一般的な多孔質物質として使用されている活性炭は、製造過程で多量の二酸化炭素を発生するが、シルキャットは環境に負荷を与えない、サステナブルで自然由来の絹のみを使用しているのもポイントだと語った。

「シルクフィブロインの新たな可能性を通して、日本の養蚕業を復活させたい」と語る株式会社NEXT NEW WORLD 代表取締役 CEO 高嶋耕太郎氏

シルクフィブロイン水溶液は、猫以外の動物にも同様の作用があることから、同社は犬用の飲むシルク「SILKFULL(シルクフル)」を24年7月16日から発売している。

「SILKFULL シルクフル 犬用」(7包入り/税込み1200円、30包入り/税込み3800円) ※画像提供/株式会社NEXT NEW WORLD

<TOPIC(3)>1人で安全に猫の皮下点滴ができる「おくるみ 」

最後に紹介したいのは、現在、腎臓病が進行していて、定期的な皮下点滴が必要な猫のためのケアグッズだ。

腎臓は必要な水分を体内に保持し、不要な老廃物のみをおしっことして排出する働きをしているが、腎不全が進行すると必要な水分まで外に排出してしまうため、脱水症状が起こる。脱水状態が続くと腎臓に大きな負担をかけ、病気の悪化につながるため、皮下点滴で効率的に水分を補う必要がある。ほぼ毎日点滴が必要なケースもあり、そうなると自宅での皮下点滴を希望する飼い主が多い。

猫に点滴をする場合、針がはずれないよう静止していてもらう必要がある。そのための保定袋があるが、従来の保定袋は2人で使用することを前提に作られているからか、一人暮らしの人は保定が難しい。そこで考案されたのが、従来の「入れる保定袋」ではなく、「着せる保定服」だ。

開発したのは、猫の困りごとを解決するグッズの製造販売を手掛ける株式会社クロス・クローバー・ジャパン。同社が展開しているブランド「nekozuki(ねこずき)」で2024年今年8月に販売し、10月には「実体験に基づき、人間と猫の双方の課題を的確に認識し、(中略)それぞれのニーズに寄り添ったバランスの取れたデザインとなっている」との評価を得て、グッドデザイン賞を受賞している。

ネコの習性にあわせたデザインでストレスを与えることなく、決まった頻度での皮下点滴が可能「ねこずきのおくるみ 皮下点滴補助具 ネコ専用保定袋」(20,000円)。岩手県久慈市の熟練職人による縫製で、薬品に強い撥水機能生地を使用、3サイズ(S.M.L)から選択可能 ※画像提供/株式会社クロス・クローバー・ジャパン

開発のきっかけとなったのが、同社代表の太野由佳子氏の愛猫、ぽんちゃんが慢性腎不全で亡くなったこと。「もし自宅で介護できていたら、通院のストレスを減らして自宅で看取ってあげられたかもしれない」という後悔から、商品開発を決意したという。開発期間は約6年、飼い猫でもあるネコ社員とともに100回以上試作を繰り返す中で、「前足が地面についていることで落ち着き、リラックスし逃げない」という習性の発見により、従来の「入れる保定袋」ではなく、「着せる保定服」にすることに着目。一人での保定を可能にする「ねこずきのおくるみ」が誕生した。

シャツのように包みこんで着せられるから一人でも楽に保定でき、猫を押さえる人の手の代わりになる、「マジックテープ付きの腹巻きとベルト」でサイズ調整も簡単にできる ※画像提供/株式会社クロス・クローバー・ジャパン

現在、海外からも問い合わせが多くあり、実際に使用した香港在住の飼い主からは、「いろいろ試しても保定がうまくいかず、いったい自宅で皮下点滴なんて、わたしにできる日がくるのだろうかと、途方にくれていたことを思い出すと、夢のようです。 このような製品を作ってくださったことにたいへん感謝しております」という声も寄せられているという。

「ネコの皮下点滴を身近なものにし、ネコが長生きする可能性を高めたい」と語る、株式会社クロス・クローバー・ジャパン 代表取締役 太野由佳子氏 ※画像提供/株式会社クロス・クローバー・ジャパン

猫の腎臓病の予防法も、ケア法も、日進月歩している。今の飼い主の苦労や悩みが近い将来、「以前はこんなに大変だった」という昔話になって欲しいと、心から願っている。

取材・文/桑原恵美子

取材協力/株式会社マルカン、株式会社NEXT NEW WORLD、株式会社クロス・クローバー・ジャパン

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