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会社での勤続年数を重ねるにつれ、部下や後輩という年齢や、職場での立場や地位が違う相手と一緒に仕事をする機会も増えていきます。
よく部下と後輩は同じ括りにされることが多いですが、この2つの立場の違いをご存じでしょうか?
上の立場として、しっかりとその違い把握しておくことは、円滑なコミュニケーションを取ることにつながります。
ここでは、部下と後輩の違い、円滑なコミュニケーションのためのそれぞれへの接し方のポイントをご紹介します。
「部下」、「後輩」の意味の違いとは
まず、「部下」、「後輩」の言葉の意味について触れていきます。
小学館のデジタル大辞泉によると、
部下の意味は
組織などで、ある人の下に属し、その指示・命令で行動する人。配下。手下。
と記載されています。
続いて、後輩の意味は
あとに生まれた人の意
・年齢・地位・経験や学問・技芸などで、自分より下の人。後進。
・同じ学校・職場などで、あとから入ってきた人。
とあります。
2つの言葉の違いとしては、部下は主にビジネスで使われる言葉であり、組織の中での仕事における責任や職権を伴ったポジション(管理職や上司)にいる人の下で、その人から指示命令を受けて行動する人のことを指します。
一方の後輩は、年齢や地位、経験などは下であっても、部下のように明確に指示命令を受けて行動する人とはされていません。同じ職場であれば、自分よりも後に会社に入ってきた人という意味になります。後輩には指示命令をするというよりも、教えるや面倒を見るという表現が適しているでしょう。
上の立場として、部下と後輩への接し方の違いとは
部下と後輩の違いは上記の通りですが、管理職や上の立場として、それぞれへの接し方は同じでも問題ないと思いますか?
確かに同じで問題ないものもありますが、変えたほうが職場での人間関係がうまくいくものもあります。
ここでは、共通する接し方、区別したほうがいい接し方のポイントをお伝えします。
共通する接し方1.手本になる
手本になるとは、自分の行動を通して部下や後輩を導くことを指します。上の立場の者がそのような行動をすることで、チームとしての士気を高め、同じ目的を持って仕事に邁進することができます。
また、一方的に指示するだけではなく、自ら見本となることで下の立場の者と同じ目線を持つことができ、そのような行動を起こす上司や先輩は尊敬されやすいと言えます。
共通する接し方2.期待をかける
他者から期待をかけられた人は、その期待に応えようと成果を出しやすい傾向があります。これは「ピグマリオン効果」と言われる心理効果として提唱されています。
部下や後輩のどちらにも期待をかけてみてください。そのときには「こんなに頑張ったんだから大丈夫」と普段から気にかけていることを言葉で一緒に伝えてみるといいでしょう。上の立場の者からの声掛けはモチベーションのアップにもつながります。
共通する接し方3.わからないことは本人に聞く
部下や後輩など、下の立場の者と接することが苦手な人がいます。その苦手さは、「部下が何に困っているかわからない」「後輩の考えていることがわからない」という不安が関係していることも多いです。
その解決方法は、わからないことは本人に聞くことです。想像はあくまでも想像でしかなく、違った場合には予定なアドバイスになることもあります。正直にわからないと聞いてくれる上司や先輩のほうが人間味があり、部下や後輩は接しやすいと感じてくれます。
区別する接し方1. ミスをしたとき、部下には指導、後輩にはアドバイス
意味のところで触れたように、部下は指示命令をする相手であるので、部下がミスをしたときには上司は指導することが求められます。
一方、後輩は指示命令する相手ではありません。それなのに指導をしてしまっては、後輩にとってうるさい先輩になってしまう可能性もあります。後輩がミスしたときには、求められた場合のみアドバイスをするようにしましょう。
区別する接し方2. 部下には積極的に、後輩には受け身で
これは関わり合いになる深さを指しています。部下には積極的に関わり、後輩には後輩自身が関わってきたら、それに応えるという受け身の姿勢が望ましいでしょう。
上司は部下の仕事についての責任があります。部下が仕事をしやすい環境づくりも上司の仕事の1つです。なので、普段から積極的なコミュニケーションが必要になります。
一方の後輩ですが、上の立場の者(先輩)として、後輩の仕事の責任は取ることができません。後輩の仕事のミスの責任を取るのはその後輩の上司だからです。後輩が困っていたら助けることをやめる必要はありませんが、求められていないのに深く関わろうとする行動は、後輩の上司を困らせてしまう可能性もあるので注意が必要です。
文・構成/藤野綾子
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