執行役員制度を導入するには?
執行役員制度の導入は、企業の経営効率化や意思決定の迅速化を図る上で重要な施策です。しかし、その実施には適切な手続きと慎重な準備が必要になります。ここでは、執行役員制度を導入する際に必要となる、具体的な手続きや社内規定について解説します。
■導入のための手続きが必要
執行役員制度を導入するには、執行役員規定を整備した上で、取締役会決議を経る必要があります。規定には、以下のような事項を記載するのが一般的です。
- 執行役員の定義
- 契約形態
- 選任・解任手続きについて
- 取締役会との権限分担
- 業務上の義務・禁止事項
- 待遇や報酬の支払い
株主総会での承認は必須ではありませんが、株主の権利を保護する視点から見れば、株主にしっかりと説明するのが望ましいといえます。
外部人材を登用する場合は、適切な契約書の作成が求められます。トラブルを回避するためにも、専門家への相談を検討しましょう。
■執行役員の選任と解任のプロセス
執行役員の選任と解任は、取締役会の決議によって行われるのが通常です。取締役らで構成される『指名委員会』が候補者を選定し、取締役会へ答申する仕組みを採用する企業もあります。
解任についても同様のプロセスを経ますが、具体的な基準は各社の規定によります。取締役会で選任や解任を行った際は、議事録を作成しましょう。
雇用型の執行役員の場合、労働基準法のルールが適用されます。解任による給与の削減を行う際は、当人の同意を得なければなりません。委任型の執行役員の場合、執行役員規定の契約終了事由に基づいて解任が行えます。
執行役員の導入には十分な検討が必要
執行役員は、企業の業務執行を担う重要な役職です。適切に導入することで、意思決定の迅速化や業務の効率化につながります。執行役員として現場で経験を積ませれば、次世代の後継者としての能力も磨かれるでしょう。
導入に当たっては、企業の実情に合わせた制度設計が重要です。執行役員の役割や責任範囲が曖昧な場合、社内が混乱する恐れがあることを忘れてはいけません。メリットとデメリットをよく理解した上で、導入を検討する必要があります。
構成/編集部