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勝てる組織が実践している「仕組み化」とは?

2024.11.14

環境変化の激しい現代社会において、「勝てる組織」と聞いてどのような組織作りを思い浮かべられたでしょうか?組織が生き残るためには、新たなチャレンジを続けながら成長できる、強力な組織力が求められるようになりました。組織力はどのように強くすることができるのか、強い組織作りのポイントをこの記事ではお伝えしていきます。

1.強い組織と弱い組織の違いとは

強い組織によくみられる傾向として、「打てば響く」組織であるということが挙げられます。組織のトップが伝えたことを従業員が自分ごととして捉え自主的に動いている、管理職が経営者の決定を推し進めて動いているなどが、強い組織の特徴です。つまり、チーム全員が会社の理念・ビジョンを共有し、共通のゴールに向かって動いている状態が「強い組織」だといえます。

一方で弱い組織ではこのようにはならず、「笛吹けども踊らず」と言われる状態に陥っている傾向が強いです。経営者や上司の発信に対して、不平不満が出たり従業員同士の信頼関係も構築できていないなどが、弱い組織の特徴です。

2.強い組織作りに重要なポイントとは

・組織文化を作る
・組織編成を決める
・組織に合った評価の仕組みを作る
・改良を重ねる

■組織文化を作る

組織文化はどのように作られるのでしょうか?

組織文化は組織のルールによって醸成されていくものです。ルールと聞くと縛られる、自由がない、などのネガティブなイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、組織は経験や価値観の違う人の集まりです。誰かの「当たり前」は自分の当たり前とは違うという経験をしたことのある方も多いでしょう。組織がどの方向へ向かって動いていくのか、どういう前提条件で動くのかの共通認識をするのが「ルール」の存在です。人は同じルールを守っている人を仲間だと認識します。組織のルールを皆が守ることにより、その組織への帰属意識も醸成されていきます。

■組織編成を決める

次に重要になるのが、組織編成を決めることです。組織内の各役職・メンバーの役割と責任を明確にすることが重要です。それを図式化しているものが組織図です。組織内の位置認識は目に見えないため、認識がズレてしまうことがあります。認識が人によってズレた状態で動いていると、チームとしての力が発揮できない状態になっています。「仕事が出来た」という認識についても、各々が出来たと考えている状態では、チームとして目標を達成しようとする力は弱まってしまいます。

強い組織では各自が自分の役割を明確に認識し、その機能を果たすことに集中できている状態が作られています。自分の求めている役割が分かり、どの状態になれば役割が果たせているのか、が分かる状態は集中力が高まるとともに、指示を出す経営者・上司側だけでなく、部下側と認識が一致しているというのが重要なポイントとなります。自組織の組織図を、メンバー全員が認識できていますでしょうか?改めて組織図を元に役割の認識を確認してみましょう。

■組織に合った評価の仕組みを作る

評価制度は組織を維持し人を動かす仕組みです。組織内のルールや役割が決まり動き出した組織を維持させていくために必要不可欠です。評価制度があることにより、組織の構成員を組織が目指す方向に進ませていくことができます。評価の仕組みを作る目的は以下の3つです。

(1)処遇・報酬を決定する
(2)適切な人材配置を行う
(3)人材育成に活用する

(1)処遇・報酬を決定する

評価制度導入の目的で最も多く考えられているのがこの報酬の決定です。評価と報酬を結びつけることによって、従業員がより自分の出す結果に対して集中して取り組むことができるようになるからです。逆にこの仕組みが無いということは、優秀な人材に対して、その結果に見合った報酬を渡すことが出来ずに優秀な人材の流出に繋がってしまうことになります。

(2)適切な人材配置を行う

評価制度は従業員を評価するために様々な項目が設けられています。複数の項目の達成度合いなどから従業員一人ひとりの能力などを分析する機能を兼ねています。それを人材配置に応用させていくことができます。

(3)人材育成に活用する

評価内容と報酬を連動させることで、従業員は結果を出すために成長していこという自発的な動きがみられていくようになります。評価制度と共にキャリアプランを作成など、組織内でどのようなキャリアを形成することができるかを示すことができます。

これらのことから、自組織に合った評価の仕組みを作ることは、組織内の人材の動き・育成に非常に大きな影響を与えることが分かります。中長期的に勝てる組織を作る為にはこの環境設定が非常に重要だといえます。

■改良を重ねる

これまで挙げたポイントは強い組織の環境設定のポイントが中心でしたが、ここでは日々の上司部下のコミュニケーションでのポイントに注目します。上司は部下の育成や管理を行い、チームを目標へ向かって率いていく役割です。部下がゴールへ向かって走っていく中で、最初から目標達成し続けられる人は多くないでしょう。目標に対して不足があった場合、次はその不足を以下に改善していくかを考えて次のスタートを切ることが成長へと繋がります。

「目標を決める⇒結果・不足が分かる⇒改善策を考えて実行する」

これをいかに早く繰り返すことができるかが、組織の成長に大きく影響します。中長期的に成長し続ける組織は、PDCAサイクルを絶えず回して現状の課題や対策を考えて質を高めているのです。

まとめ

変化の激しい社会の中で勝ち残っていくことのできる「強い組織」の作り方のコツをまとめてお伝えをしました。ルールや役割が全くない組織はないかもしれません。読者の皆様の中にも、既に取り組んでいるという方も多くいらっしゃるでしょう。それでもうまくいかないと思っておられる方には、ぜひ改めて見直して頂きたいポイントがあります。

「ルールや役割を作った上司側と、部下側の認識はあっているでしょうか?」

どれだけ良いルールや評価制度を作っても、認識がずれていれば正しく運用されません。その結果感情的な衝突も生まれやすくなっていきます。自組織の力を最大限発揮するために、認識のズレを起こしにいくい環境整備を行い、勝てる組織作りを目指しましょう。

文/川添晶美

この記事はマネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」による寄稿記事です

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